<カウンターで、それぞれの香りを比べながら練り香作り>
「お香」といっても、ふだんの生活ではなかなか目にすることの少ない「練り香」。
写真のとおり、正露丸を少し大きくしたような外観です。
名前にたがわず、香料をまぜ、炭と糖蜜とで練り練りして仕上げていきます。
これは直接火をつけるのではなく、あたたまった灰などに埋めてくゆらすもの。
茶道をする人にはおなじみかもしれません。
この日の講師のユウコさんも、お香に興味を持ったのは、茶道をしていたからとのことでした。
「源氏物語」などの平安時代の文学では、「香を焚きしめる」などという行為が出てきますが、その時に使うのが、この「練り香」なのだとか。
さて、和のお香より、何方かと言えば欧米のアロマテラピーの方が馴染みある現代日本社会。アロマテラピーでは、「ラベンダー」や「ネロリ」といった具合に、採取するものを単独で精製したものが多いですよね。
和のお香でも白檀など単独で使うものもありますが、複数の香りをブレンドして作ることが多いそうです。
今回は、基本となる8割、8種の香料は全員共通に、残り2割を個々人の好きな香料を混ぜて、自分だけの香りを作っていきます。
中には単独の香りは「なんだこれ⁈」と思うような強烈な香りもあります。
でもそれをほんの少し混ぜると、全体の香りが引き立つのです。
私が作ったものは、根が慎重なのか平凡だからなのか、どうもおとなしい、印象の薄い香のものになってしまいます。
そこに耳かきひと匙にも満たない、強烈な香りを加えると、「わあ、いい香り!」と言いたくなるものにしあがるのです。
作っているうちに、「組織も同じことがいえるかもしれない…」と思えてきました。
個性の違う人同士が集まることで、ひとりでは出せなかった魅力が生まれてくる。
時には強烈な個性が交わることで、その魅力はいっそう引き立つようになる。
(強烈な個性ばかりだと鼻についてしまいますが(^-^;)
そう考えると、つい敬遠しがちな強烈な人も、いとおしくなってきちゃいます。
ま、人間として実際にいたら、やはり敬遠すると思うのですが…(笑)
この日の着物は、なんちゃって紅花紬に緑色のスワトウ刺繍の帯。
強烈な暑さに、単衣の準備をしておけばよかった…と、後悔を覚えた一日でした。
浅草の街には着物関連のお店が充実しているので、ついついお買い物にも性が出る始末。
その話は、また改めて…