
今さら言うまでもないけれど、「ベルばら」が名作と呼ばれる理由の1つに、実在の人物と架空の人物を巧みに絡み合わせることで絶妙なハーモニーを生み、素晴らしいドラマを創り出していることが挙げられる。
今週の週めくりカレンダーは、1773年6月8日、アントワネット17歳のとき、王太子と共にパリを訪問し、チュイルリー宮殿のバルコニーから、市民の歓声に応える場面でオスカルが後ろから語りかける一言。
妃殿下は ただいまここで 妃殿下に恋している 20万の人々を ご覧になっているのでございます
なんて気の利いた、そして洒落た言い回しなのだろう!昔からこの一言に唸ってきた。この言葉、実際は当時実在したド・ブリサック元帥が発したものであるという。元帥の職務はパリの守備について責任を負う歴史ある役職。1356年、アンジュー公ルイが初代の総督職を務めている。現在でも7月14日の革命記念日には軍事パレードで、執行責任者としての役目を果たす。このことからもかなり名誉ある地位と見受けられる。
池田先生は連載開始前、入念な下調べをし、ド・ブリサック元帥のこの一言も当然知っていただろう。それをアントワネットの護衛を担当するオスカルに言わせてしまうあたり、何ともニクイというかあっぱれというか、絶妙なすり替えにただただひれ伏すのみである。
読んでくださり、ありがとうございます。
あの言葉は実在の人物から発せられた言葉だったんですね。こんな風に、アントワネットの周りにはアントワネットの為を思う側近も居たと思うのですがね…。
りら様に1つお聞きしてみたいことがあります。オスカルが民衆側に寝返った時、そして落命したと聞いたとき、アントワネットはどんな風に思ったのでしょう。ベルばらにはその辺の記述がなかったように思うのですが、アントワネットにしてみれば、寵愛していた腹心に裏切られたととってもおかしくない行為だし、オスカルが亡くなった事にもアントワネットは触れていなくて、初めて読んだ時は不思議に思っていました。
なんだか上手く書けませんが、その辺りの事を聞ける人が周りにいないもので、是非りら様のご意見を聞ければと思いました。
オスカルが、アントワネットに降格を申し出た時、部屋を出ていくオスカルを見送りながら「あ オスカル 突然に---いったいどうしたというの?何を考えているの?」とオスカルの真意を掴みかねています。この時点ではアントワネットはまだ、オスカルが絶対王政体制に疑問を持ち始めていることに、気づいていません。オスカルの人生で、アンドレに次いでオスカルの(が)そばにいたのが長いのはアントワネットではないかと思います。アントワネットはオスカルがいつまでも自分を、そして国王一家を守ってくれるものと信じていたはず。
だから出動当日、フランス衛兵二個中隊を指揮しているのがオスカルと知ると、早馬を出し、オスカルをとめるように命令します。この時もアントワネットは、オスカルは王侯貴族側について戦うだろうと思っていたでしょう。しかし衛兵隊に異動してから、オスカルとアントワネットが直接会う機会はぐっと減り、二人が信じるものや価値観が異なってくる。アントワネットはオスカルが、民衆に寝返って亡くなったと知った時、「あぁ、やはりそうだったか。」と感じるのではないか。アントワネットは薄々この時が来ることを感じていたかもしれません。けれどそれでオスカルを恨むことはなかった。アントワネットの馬暴走事件など、命がけで自分を守ってくれたオスカルの死を悼むことはあっても、恨むことは決してなかったと信じたいです。たどる道は異なってしまったけれど、アントワネットは終生オスカルの幸せを願っていた。それだけの信頼関係を二人は構築していたと思います。オスカルの死はかなりショックだったと同時に、これからは自分が王家そして子どもたちを守っていかなかければ---との自覚を新たにしたはず。
うまくまとまらず、すみません。
よくおじゃましています。
私もアントワネットは恨んでいないと思います。
最後にオスカルとあった時の会話で、考えが違う事は分かっていたはず。出動を聞いて、「状況によっては彼女は命を捨て民衆側につく。そうなったらもうかばいきれない!止めなくては!」と…王妃といえど、平民議員を退場させる命令に背いたオスカルをおとがめなしにするのは大変だったでし ょう。大切に思ってくれ、大切に思っていた人が離れて行く。ただただ悲しかったと思っています。
また、おじゃまします。よろしくお願いいたします。
>王妃といえど、平民議員を退場させる命令に背いたオスカルをおとがめなしにするのは大変だったでし ょう。大切に思ってくれ、大切に思っていた人が離れて行く。
そうですよね。「お咎めなし」は普通だったありえないことです。オスカルだからこその特例。あの時オスカルを制止しなかったジェローデルは、(新作エピ5によれば)営倉送りの処分を受けていますし---。アントワネットがいかにオスカルを大切に思っていたかがわかります。
お互い、憎み合っていたのではない。アントワネットは王妃としてブルボン王朝を守るため、オスカルは自由・平等・友愛を実現するため進む道が違ってしまった。それは二人とも承知していたのではないでしょうか?
どうぞ、いつでも気軽にお邪魔してくださいね。お待ちしています。
私も、大体同じように感じてたんですが、なんとなくベルばらを読み込んでる方の意見が聞きたかったので(何度も書きますが聞けるような人が周りにいないので)…。
アントワネットにとってオスカルは、護衛と言うよりも、大好きな友達というような感覚に近かったのでは、と思うのですが、周りの反発にあいながらも、いつも守って引き立ててあげていた気持ちを考えると、最後の最後で思想がすれ違い、やはり悲しかっただろうなぁと思います。民衆に寝返ったことも、落命したことも。
フランスでは悪女のイメージが強いと聞きますが(池田先生のお陰で多少変わってきたとか?)、私には天真爛漫でお洒落で、情に厚い子供思いのお母さん、というイメージです。王妃という立場でさえなければ良かったのにと思います。歴史にたられば、は意味ないですが…。
オスカルは、架空の人物とは言え、周りの色々な人達に守られるような、求心力のあるとても魅力的な人物ですね。もう私にとっては神のような存在かもしれません…。
ありがとうございました。また寄せていただきます。
>アントワネットにとってオスカルは、護衛と言うよりも、大好きな友達というような感覚に近かったのでは
アントワネットと同い年のオスカルは、他の人には言いづらいことでも、オスカルには打ち明けることのできる貴重な女友達でもあったのではないでしょうか?
オスカルは最初、アントワネットとフェルゼンの恋が、フランス国民の反感を買うことを恐れ、フェルゼンに帰国を勧めます。けれどアンドレと想いが通じてからは逆に「フェルゼンのために 生きていると なぜ仰せになりませんのか?」と、二人の恋を肯定するかのような発言をします。もはや王妃と護衛の立場を超えた、恋する女性同士の会話ですね。それだけ互いに心をさらけ出せる信頼があったということでしょうか?
>オスカルは、架空の人物とは言え、周りの色々な人達に守られるような、求心力のあるとても魅力的な人物ですね。もう私にとっては神のような存在かもしれません…。
本当に40年以上経っても、まったくその魅力が色褪せません。これほどの少女マンガキャラは、他に見当たりません。
どうぞいつでもお気軽に、いらしてくださいね。お待ちしています。
私にとって、オスカルさまは女神であり、一番のヒロインでヒーローでもあります。この様なキャラクターは…二度と現れないでしょうU+203C
神はもちろん池田先生です。
失礼しました。
オスカル---あのようなヒロインは、オスカルの前にも後にもいません。今またNHKのアニばらを見て、新たなファンが増える気がします。