Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

50周年記念 オフィシャルブックを読んで (1)

2017-04-20 22:12:20 | つぶやき

 5年前に発売されたムック「池田理代子の世界」を増補・再構成して、今年出版されたオフィシャルブック。新たに追加された部分を読んでみた。

↓  5年前のロングインタビュー記事に更に2ページ半、最近のインタビューが加わった。

↓  増補内容として「ベルばら 新作エピソード」を描くに至った経緯や、現在の心境、今後の執筆予定などを語っている。

 次の「ベルばら 新作エピソード」は、ナポレオン暗殺未遂事件から始まる。エピソード編では他にも描きたいことがあり、資料を集めて調べているところとか。年内に読めるだろうか?だんだんと筆のタッチが、往時を思い出させる雰囲気を醸し出すようになってきたので、楽しみに待ちたい。

「ベルばら 新作エピソード」を描いてみて、本編執筆当時と見え方が変わったキャラがジェローデル。「現実感を持った。」と先生は感じていらっしゃる。昔は描いていて現実感がなかった。だから(新作エピでは)人間として肉付けをして。それが読者にとってどうだったかはわからないけれど。ジェローデルは自分の美の世界、価値観の中に耽溺して、それを貫いて生きる人だと思っていた。新作エピ・ジェローデル編の最後に「行方は杳(よう)として知れぬままである」と結んだが、先生はどうしても年を取ったジェローデルというのが想像つかなかった。素敵なおじさまにはなっているだろうが。ジェローデルって生きてて年とってたら、ボブ・ディランみたいになっているかも?顔は(デヴィッド)ボウイさまみたいな感じかもしれないけれど…これが現在の池田先生のジェローデル観。

 「オル窓」で描き残したエピソードとしてユリウスの娘があると仰っている。ユリウスは死産だと聞かされていたけれど、実は軍人レオニード・ユスーポフの手の者が、赤ちゃんを秘かに連れ去っていたという。でも御自身の年齢を考えると、それを描く体力はないとも語っている。…ということは寂しいけれど、今後「オル窓」の新作エピソードが発表されることはないのかもしれない。

 読んでくださり、本当にありがとうございます。



2 コメント

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Unknown (ライラック)
2017-04-21 06:37:05
りら様、こんにちは。
いつも読み応えのあるブログをありがとうございます!更新を日々楽しみにしております。

プライベートが忙しく、まだ発売された書籍類を手にとっていないので、確認できないのですが、新エピ(ジェローデル編)の最後の一文、『杳として』(ようとして)と書かれていたように記憶しております。
(細かいご連絡、失礼いたしました)

池田理代子展が横浜へ来ましたら、行けるといいな…と思っております。
りら様のレポートを拝見してから行くので、見逃さずに楽しめそうです。
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ライラックさま (りら)
2017-04-21 21:21:35
 コメントをありがとうございます。

>新エピ(ジェローデル編)の最後の一文、『杳として』(ようとして)と書かれていたように記憶しております。
(細かいご連絡、失礼いたしました)

 うわぁ、お恥ずかしい。ライラックさまのご指摘のとおりです。すぐに直しました。本当にありがとうございます。全然失礼ではありません。むしろありがたいです。

>池田理代子展が横浜へ来ましたら、行けるといいな…と思っております

 来週から横浜で開催でしょうか?じっくり見ようとすれば、少なくとも1時間は必要かと思います。どうか原画の素晴らしさを、堪能してきてくださいね。
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