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今年の週めくりカレンダーには、新作エピソードで描かれたイラストや場面も登場する。今週は「アンドレ編」の扉絵から。
新作エピソード1の「アンドレ編」はもともと、2013年マーガレット10特大号の別冊付録として、16ページの描き下ろしで描かれた。(今月20日発売の「オスカル編」が100ページ超であることを思うと、池田先生は新作エピソード執筆を重ねるにつれ、想いがどんどん膨らみ、43年前の感覚が蘇ってきたのではないか?)MCコミックスサイズでわずか16ページの作品を、あの当時は奇跡に近い想いで読んでいた。「まさか再び、『ベルばら』の新作を、リアルタイムで読める日が来ようとは!」と。
この新作エピソードがとても好評だったので、しばらくしてマーガレット本誌に冒頭数ページををカラー化して再度掲載。その時の扉絵が今週の週めくりカレンダーのイラスト。池田先生のレースの描き方がより繊細になったように感じた。しかも当時のモードを忠実になぞらえている。マリー・クリスティーヌが着ているドレスのデザインは、とてもセンスが良くて華やかでおしゃれ。背景のばらは、赤・黄色・オレンジとなかなかカラフル。 アンドレの表情が硬くて、背中に何か哀しいものを感じる。このころはまだ昔の感覚が戻ってきていない感じ。
2012年に全国各地で開催された「マリー・アントワネット展」のために描き下ろしたイラストが次。アントワネットが被っている帽子がしゃれている。実際のアントワネットは、毎年170着のドレスをオーダーし、その金額は十億円にも及んだが、ドレスは革命によって失われてしまい残っていない。あぁせめて1着くらい、当時のファッションリーダーがどんなデザインに身を固めていたのか、実物を見てみたかった。
ロココの貴族の貴婦人を描いたら、池田先生の右に出る漫画家さんはいないのではと思う。
読んでくださり、ありがとうございます。
それより、アレクセイ、君はユリウスと、ロシアで夫婦としての戸籍は作ってあるかい?」
「いや、二人だけの花達に囲まれた結婚式は挙げたが、婚姻届は出していない。」
「何をやっているんだ、お前さんは。そんな事だと思い、ロシア大使館で書類を用意して貰った。 夫アレクセイ ミハイロフ、妻ユリウス、第一子長女ミーナ、きちっと記入して、役所に提出する事。いいね!」
「何から何まですまない。ダーヴィト。」
情けないお父さん、『しっかりね。』私は心の中で叫びました。
「さぁ、ミーナ、次は君の事。
ロシアでは、学校は?」
「いいえ、行っていません。 でも、ちゃんとお勉強はしていました。」
「レーゲンスブルグ女学校に入学の手続きをしておいた。 制服も届いている。 明日、おばさんと、あいさつに行っておいで。」
「学校? うれしい! おじさん、おばさん、
ありがとう。」
私は、はじめて通う学校の事で、頭が一杯に、なりました。
「じゃあ、最後にユリウスの声について、壊れてしまった声帯を治す治療法、薬はないのよ。でもね、少しずつ傷が回復して元通り、お話し出来るようになるかもしれないと、先生が…。喉に負担をかけないように、気を付けてね。
あぁ、外も暗くなってきたので、今日はここまでにしましょう。 それから、ミーナ、今日はアーレンスマイヤ家にお泊まりね。」
「え?」
おじさんとおばさんがウィンクして笑ってます
″あっ、そういう事。″
「私、お母さんに退院のお祝いをします。 お父さんと、二人っきりの夜を!」
ダーヴィトおじさんが 「さすがミーナ、ストレートで分かりやすい発言だ。」
お父さん、お母さん、お熱い夜をどうぞ!!
ミーナ、大人の恋愛事情に通じていますね。
「ユリウス、あそこへ寄って行こうぜ!」
ユリウスは、アレクセイの目を見つめ、うなずきます。
オルフェウスの窓の下
「俺たちは、悲劇の影に隠れた幸せを、見つける事が出来た。 ミーナのおかげだ。
ユリウス、よい娘を生んでくれてありがとう。」
ユリウスは心の中で、
「アレクセイ、よい娘に育ててくれてありがとう。」と、答えます。
二人は見詰め合い、深い口づけを交わしました。
熱く! 熱く…。
″ 私のオル窓物語″ 第一章 終
第二章へ続く