Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

ヴェルサイユ宮殿での暮らし (3)

2015-08-04 00:59:38 | つぶやき

ヴェルサイユ宮殿を訪れたことのある人なら、庭園中央部で夏は豊富な水量でしぶきを上げる噴水に感動したのでは?

 そして噴水の前で記念写真を撮る。すべてはルイ14世の「水」に対する強い執着心から始まった。

   第3章のテーマは「水」。

ルイ14世は早い時期から泉や噴水に強い関心を持っていた。庭園と宮殿の治水工事に携わった労働者は約3万人!!しかしそのうちの約2万人は熱病にかかったり、死亡した。ヴェルサイユの下水は馬にも飲ませられないほど、質が悪かった。熱病の原因も、人々が川の水が不足したため、井戸の水を飲んだからとされている。

17世紀の案内書にはこう書かれている。「入浴と言うのは、人間にとって無益どころか、害を与えるものです。入浴は頭の中を、蒸気でいっぱいにしてしまいます。」

 ルイ14世の場合、入浴は衛生のためと言うより、官能的な行為が目的だった。寵愛したモンテスパン夫人には湯殿を贈っている。大きな湯殿で完成に9年を要した。大理石で出来た八角形の湯殿だった。ところが皮肉なもので、湯殿の完成と共に二人の関係は終わり、王の寵愛はマントノン夫人に移ってしまう。嗚呼、もっと早く完成していたら、二人で濃密な時間が過ごせたかもしれないのに…オスカルはこの湯殿を見たことがあるだろうか?

 続くルイ15世とその妻マリーレクザンスカは、召し使いたちが手桶で運べる規模の湯殿を造らせた。15世は足湯に浸かっていた。

 アントワネットは毎朝起きると脚を洗い頻繁に入浴した。召し使いが見守るなか、コーヒーかショコラを飲みながら入浴したという。何とも優雅。

 水回りでもうひとつ忘れてはならないのがトイレ。王族の居室の片隅には大抵トイレが設けられたが、汚物を処理するシステムはなかった。しかしイギリスでは1678年から雨水を利用した水洗システムがあった。そこでフランスもこれを取り入れる。

この時代はおおらかt言うか、ある爵夫人は、便座に座ったまま女性客を迎えたとか。

 

 

 

 



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