引き続き第7章です。
第7章 「再現された王妃のプチ・アパルトマン」
↓ 今回の展覧会で唯一、写真撮影可なのがこの居室。壁紙とベッドなどの家具類を緑がかった水色ですっきりまとめ、金色を多く用いないのが特色?人に見せることを想定せず、アントワネットと家族そしてごく親しい友人だけが、ここでゆったり過ごしていたに違いない。
↓ ベッドは作者不詳。1788年頃のもので、マホガニー製。ベッドの左隣にある小さなナイトテーブルは、アントワネットお気に入りの家具職人ジャン=アンリ・リズネールの作。マホガニー、ブロンズ、白大理石でできている。
↓ 椅子、足置きは1788年、ジョルジュ・ジャコブの作。ブナを用いており、緑色のダマスク織の張り地で覆っている。
↓ 整理箪笥は1788年、ギヨーム・ベンヌマン、ジャン=アンリ・リズネールの原作に基づいている。マホガニー、ブロンズ、白大理石を使用。
↓ 整理箪笥の上に、かせ機(絹糸紡ぎ用の糸車台)が置いてある。これは単なるインテリア小物?それともアントワネット自ら糸紡ぎをしたのか?
↓ スツール。1788年製。ジョルジュ・ジャコブによる。素材はブナで、ダマスク生地を張っている。
↓ 15本の枝付きシャンデリア。1785年~1790年頃。ブロンズ、銅板、クリスタルガラス。
↓ アモルのついた置時計。1785年頃、ロベール・ロバンによる。ブロンズ製。
ジョルジュ・ジャコブによる暖炉用衝立。制作年不明。
多くの観光客が訪れる王や王妃の寝室に比べると、とてもシンプルで落ち着いた色合いの部屋になっている。壁紙には何の模様もなく、あっさりしすぎにも思える。室内の色数は白・青緑・茶の3色をメインにして、余計な色を使っていない。王の寝室がこってりとたっぷりバタークリームを塗ったケーキだとすると、この部屋は爽やかな柑橘類のゼリーのよう。動物性油を使っていない部屋に感じられる。こういう部屋でアントワネットは心静かに落ち着いて生活したかったのだろう。
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