Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

マリー・アントワネット展 (5)

2016-11-19 11:23:27 | つぶやき

 第7章は今回のイベントのハイライトともいえる、アントワネットのプライベートな生活空間の再現コーナー。それまでずっと絵画やインテリアなどを見てきたので、3Dで体感できる演出は面白い。

 第7章 「再現された王妃のプチ・アパルトマン」

 アントワネットはマリー・テレーズが生まれると、「子どもの近くで生活したい。」と願った。そこで王妃の生活エリアと離れていた子供部屋を、自分の居住空間に近い宮殿中央棟1階に確保し、それまでの古い部屋を浴室・図書室・居室に改装。室内の家具だけでなく、壁の装飾に至るまでマリー・アントワネットが注文を出した。このプライベート空間を壁の装飾なども含めて原寸大で忠実に再現。当時使われていたベッド、椅子、同時代の浴槽などと共に展示。また、現在は残っていない図書室は、かつての設計図などをもとにバーチャルリアリティで約3分の映像として再現されている。

↓  王妃の浴室

  王妃とお付きの者が身に着けているドレスはすべて紙で再現。制作したのはベルギー人アーティストIsabelle de Borchgrave。微妙な色合い、質感が見事!アントワネットが羽織っている白いレースのケープは、とても紙でできているとは思えない出来ばえ。湯上りのアントワネットはまるで新婦のような、白一色のガウン姿。傍らにはこれから被る鬘とおぼしきものが置いてある。向かって左に立つ侍女は、王妃にリボンを差し出している。(今回の展示会場に、ベッドと右側の侍女の人形はなかった。)王妃が座っている周囲には、帽子が入っているらしい円筒形の箱がいくつかあった。

↓  パスタブ。今頃気づいたのだが、止め板付きの蛇口一対が壁にしっかり取り付けられているということは、あの時代既に宮殿内に温水が流れる配水管の設備がなされていたのだろうか?てっきり侍女たちがバケツにお湯を入れて、何度も運んでいたと想像していたのだけれど。ヴェルサイユ宮殿に入浴の習慣を持ち込んだのはアントワネット。彼女は宮殿内の設備に対しても、近代化を求めたのか?バスタブは銅製。直接体に金属が触れないよう、麻のシーツで覆って使用。 ハーブなどを入れ、薄いガウンを着たまま優雅にショコラを飲みながら浸かる。バスタブの左側には、トレイにショコラ入りのカップを乗せて、侍女が待機している。

 王妃の図書室は東京駅の3Dプロジェクションマッピングで知られるNAKEDが、パリの国立古文書館に保管されている設計図などをもとに、バーチャルリアリティで約3分間の映像にまとめて再現。(実際のところ、アントワネットが図書室で何冊本を読んだか不明)ぎっしりと並んだ書棚から、1冊の本が床に落ちる。ぱらりとページが開くと図書室の窓が開き、本から次々とページが離れ窓の外に飛んでいく。各ページに王妃ゆかりの場所(農場、プチ・トリアノンなど)が映し出され、見学者は鳥になったような目線で、空中からそれらを見て回る展開になっていた…ように記憶している。(だんだんと記憶が曖昧になってきている。違っていたらスミマセン。)

 再現された居室については、次の記事で書きます。読んでくださり、本当にありがとうございます。



コメントを投稿