再放送のお知らせ 「NHK アーカイブス ベルばら 40年ぶりの新刊」 2015-03-30 20:06:22 | その他 5月 4日(月) 『NHKアーカイブス「“ベルサイユのばら”40年ぶりの新刊」』が再放送予定です。 『NHKアーカイブス「“ベルサイユのばら”40年ぶりの新刊」』2015年5月4日(月・祝)午後3:20~4:30NHK BSプレミアム #テレビ(レビュー感想) « マーガレットBOOKストア! | トップ | ローズ・ベルタン »
29 コメント コメント日が 古い順 | 新しい順 鈴蘭の精さま (りら) 2015-08-04 03:16:57 お便りをありがとうございます。さすがアマーリエ!!アッパレです。彼女のコネクションを上手に利用し、どうにかウィーン少年合唱団に潜入できそうですね。ただしそのためには自慢のロングヘアを切らなければならない。さあ、どうするミーナ? 返信する ミーナの冒険・14 (鈴蘭の精) 2015-08-03 22:49:15 アマ―リエのアパルトマンの一室は、飾り気のないすっきりした、でも…、とてもさみしい感じのお部屋でした。ミーナは丁寧に説明、ユーベルも時々口をはさみます。アマ―リエは真剣に二人の話を聞いてくれました。「その男性はどんな感じの人だったの?」「おじいさんの神父様、真っ白な髪で、優しそうな人でした。」アマ―リエは、笑顔でうなずきながら、「その人の言う事は、間違いないわ。 ウィーン少年合唱団になんとか、短期入学出来そうよ。校長先生は、わたしの、お父様のお友達、昔っから、わたしの事を可愛がって下さってる。寮母のアンナは、わたしの親友、音楽の先生ヴィルクリヒはアンナのフィアンセ。あとは、あなたが本気で男の子になりさえすればの話だけれど。」「ほんと?」ミーナの目が輝きます。アマ―リエはミーナの目を見つめ、話を続けました。「まず、最初、名前…、ミーオ ミハイロフ?何だか、へんてこな名前だけれど、まぁいいわ。これでいきましょ。」ミーナとユーベルが手を口に当て、クスクス笑っています。アマ―リエも吹き出しそうになるのを、こらえながら、「次、言葉使い! 男の子を演じるのに、一番大切な事、いける?」「大丈夫です。ぼく!」早くもなりきっているミーナを見て、ユーベルは、ずっとクスクス笑っています。アマ―リエは、大きく息を吸い、心を落ち着けます。なぜなら、最後の条件は、言いたくなかったから…、でも、言わなければ!「最後は、見た目。その髪を切る事、それも思いっきり短くバッサリと。それが出来なければ、あきらめなさい。」ミーナの小さな胸は、キューンと、痛みました。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-08-03 06:41:37 アマーリエの登場!!これは驚きました。フランスでしっかり自立した道を歩んでいるでしょうか?イザークとは、今では良き友人となったのかな?ユーベルは二人の過去を知っているかどうか…さすがは彼女、すぐにミーナの男装を見抜きましたね。彼女が協力してくれたら、ミーナの男装計画はバッチリです。 返信する ミーナの冒険・13 (鈴蘭の精) 2015-08-03 00:54:01 ……っと、ずーっと遠くから、とびっきりお洒落な女性が歩いて来ました。ユーベルはこそっと、ミーナの耳元で囁きました。「あの人、アマ―リエさん。とうさまの古いお友達。パリに住んでいるんだけれど、ほんの少しだけ、ウィーンに帰って来てるんだ。いい人だよ。」 「ユーベル、あのお姉さんに、私の事、男友達として紹介して。 ええっと…、名前は、ミーオ ミハイロフ。」「うん、やってみる。」「あら、ユーベルじゃなくて? ごきげんよう。 なに? いやだわ、変な女の子連れてる! その子、臭いわ。」「違うよ。アマ―リエさん。男の子だよ。名前は……、ええっと、なんだっけぇ?」「ぼく、ミーオ ミハイロフ、はじめまして。」「何、言ってるの? 男の子がそんな、レースの靴下と、リボンの付いた靴、履かなくてよ。腕に素敵なブレスレットも巻いてるじゃない?」「えっ?」ミーナはきょとんと、しています。「はじめまして、わたし、アマ―リエ シェーンベルク。あなたの本当のお名前は? お嬢様のおぼっちゃま!」そう言いながら、ミーナのかつらをつまみ上げ、優しく、くずかごヘ投げ捨てました。カサッ!そのとたん、その中から・・・、ブロンドのカールした美しい髪が、ワサッ!と、音をたて、ミーナの首から肩ヘキラキラ輝きながら、まとわりつきました。「まあ、ロングヘアーの素敵で可愛い女の子だったんじゃない。」ミーナはうつ向いて、小さな声で、「ミーナ ミハイロワです。」アマ―リエは、にっこりと、微笑みながら、「ミーナ?素敵な名前ね…、ドイツ語で愛、そして強い意志を持つ少女。 あなた達二人して、何だか訳ありで、楽しそうな事、たくらんでいるんじゃなくて?お姉さんも仲間に入れてくれる?」「えっ?協力してくださるんですか?」「もちろん! わたしのアパルトマンヘ行きましょう。」ミーナの冒険が、目の前に迫って来ました。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-08-02 16:39:40 お便りをありがとうございます。モデルのようにさまざまな髪型にチャンレンジしたミーナ。両親に早く写真を見せてあげたいですね。ユリウスもアレクセイも、実際に美容室で髪をアレンジしたミーナを見たら、その愛らしさに驚嘆の叫びをあげたのでは? そして---鬘という手がありましたね。ユーベルの服を借り、どうにかウィーン少年合唱団に、疑いを持たれず、潜り込めるでしょうか? 返信する ミーナの冒険・12 (鈴蘭の精) 2015-08-02 09:51:25 「こんにちは。」「あっ、待ってたわよ。」昨日の、お姉さんが写真の準備をして待っていてくれました。「ユーベル、あなたの男の子の服、貸してくれる? ここへ持ってきて、私、モデルしているから。」「分かった。パンツとシャツだね。任しておいて。」 ユーベルは、走って取りに帰りました。「さあ、始めましょ。ええっと、名前はミーナね。ミーナ、そのままでも素敵! まず、普段の髪型撮るわよ。」パシッ! パシッ!次々と、ミーナのブロンドの髪は色々に結い上げられていきます。ポニーテール、三つ編みのお下げ、頭のてっぺんにおだんごを作ったり、前髪を編み込んで耳の後ろでゴムでくくり、くるくるッとまとめてピンで留めるちょっと、セクシイな髪型!カールをアイロンで伸ばしたストレートはヘアー、そして、最後は、マリー アントワネットの様なお姫様の髪型でした。可愛いプロマイドのネガが、次々と出来上がりました。「はい、終わりね。写真が出来上がったらプレゼント出来るわよ! それから、頑張ったごほうび、何がいい?」「私、かつらが欲しいのです。男の子の!私、それをかぶって、男の子にならなければならないのです。」 「いいわよ。ちょっと、古いけれど、男の子のかつらがあるわ。」差し出されたかつらは、黒髪のよれよれの、くしゃくしゃで、おまけに変なにおいがします。」そこへ、ユーベルが帰って来ました。「ミーナ、お待たせ、ぼくの服、持ってきてよ。」「あのう、洋服、着替えていいですか?」「いいわよ。そこの更衣室、使いなさい。」「はい。」ミーナはかつらをかぶり、ユーベルの服に着替えました。「どう? ユーベル、男の子に見えるでしょ。」「うん…、なんか変だけれど…。それに、臭いよ!ミーナ、そのかつら。」二人は、美容室を後にしました。ウィーンの街を二人で歩きます。ミーナの頭からは、変な臭いが・・・。ユーベルは、顔をしかめます。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-08-01 23:20:11 お便りをありがとうございます。ウィーン少年合唱団に短期入学するため、髪を切らずに男の子になる---いったいどんな方法を取るのでしょう?美容師さんの力を借り、あっと驚く変身をするのでしょうか? 返信する ミーナの冒険・11 (鈴蘭の精) 2015-08-01 07:36:09 「ユーベル、私、少年合唱団に短期入学する!今から、男の子になるの。お手伝いお願いね。」「無理だよ、ミーナ。そんなに可愛い女の子なのに。」「ううん、大丈夫。実はね、私のお母さんね、昔…男の子だったのよ。」「え?あの綺麗なおばさんが!!!…?」「そうよ、財産争いに巻き込まれると、女の子でも男の子にならなきゃいけないみたいなのよ。」「じゃあ、君は女の子だから、財産争いに巻き込まれなかったんだね。」「うん!私のお父さん、革命家だったから。」「えぇー?、すごい!アレクセイおじさん、かっこいい…。」「革命家の仕事って、命懸けよ。だから、今は私の為に、音楽家よ。」「ぼくのお家は普通だよ。とうさまは音楽家、かあさまはとうさまの普通の奥さん、でも…、ぼくを産んでかあさま、死んでしまったんだ。」「私のお母さんはね、男の子だったんだけれど、ロシアヘ行ってお父さんと結ばれて女になったのよ。マリアおばさんが、そう言ってた。ちょっと、変な話でしょ。」「うん、ミーナの家族って、複雑なんだね。」「そう、複雑なのよ。 私、今は女の子だけれども男の子にもなれると、思うの。お母さんの娘だから。」「じゃあ、その髪も短く切るの?」「それはいや!絶対に!この長い髪は命より大切なの!切るなんて、絶対にしないわ! ユーベル、着いたわ。ここよ。」ミーナは昨日の、美容室ヘやって来ました。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-31 20:40:30 お便りをありがとうございます。女の子には門戸が開かれていないウィーン少年合唱団。短期入学をして、何とか皆と一緒に「野ばら」を歌わせてあげたいですね。「3つのテスト」とは何でしょう? 返信する ミーナの冒険・10 (鈴蘭の精) 2015-07-31 07:48:56 「ありがとう。ユーベル・・・一人で歌う、歌も素敵だけれど、みんなで歌う合唱は、もっと、もっと素敵よ!歌に膨らみが出て、生き生きしてくるの、命がね… 芽生える!そんな感じよ。たとえば、『野ばら』♪わらベ~は み~たり野なか~の ばら ♪これが、一人で歌う『野ばら』これを、二人で歌うと、ユーベル、歌ってみて!」ユーベルが歌い、ミーナがそれにあわせて、ハミングします。♪わらベ~は み~たり る る るるるんるる 野なか~の ば~ら るる るん ♪「あっ、すごい!野ばらがゆらゆら揺れて、咲いているみたい。」「そうでしょ。それが、合唱なのよ。」「ミーナの声、天使みたいに綺麗に響いている。」「あ~、私もウィーン少年で一緒に歌いたい!こんなに歌が大好きなのに……男の子でないだけが理由で、合唱団に入れないなんて、絶対におかしい!」「そうかい?」「あぁ、びっくりした! 神父様、いつからいたの?」「ずーっと、いたよ。最初っから。」いつの間にか、ミーナ達の後ろに、白髪の優しそうなおじいさんの神父様が、ニコッと、笑って立っていました。「歌が大好きな女の子がいるのに、どうしてだめなの?」「そういう決まりだから、仕方がないね。」「あっ、じゃあ、男の子だったら、入れるのですか?」「もちろん!」「でも、5日間しかウィーンにいないから、だめ?」「今、欠員があってね!短期入学も募集しているよ。」「ほんと! 短期入学でも、みんなと舞台で歌えます?」「う~ん、・・・、舞台かぁ、それはちょっとね、 まぁ… 3つのテストに合格すれば、なんとかなるかな?」「分かりました。ユーベル! 行くわよ。」「待って・・・、 ミーナぁ~。」神父様は、少し頭をかしげ、何かおもしろい事になりそうだと、意味ありげに二人を見つめていました。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-30 23:11:22 お便りをありがとうございます。天使の歌声ウィーン少年合唱団。一度は生で聞いてみたいです。ウィーンは音楽の都。ミーナは全然飽きませんね。ユーベルはウィーンを知り尽くした少年。2人はいい相棒同士です。 返信する ミーナの冒険・9 (鈴蘭の精) 2015-07-30 08:48:29 二人は手をつなぎ、「行ってきま~す。」外へ、飛び出して行きました。「ミーナ、何処でも案内するよ。」「ほんと? 私、ウィーン少年合唱団の学校、のぞいてみたいの! でも、場所が分からない、」「ぼく、知ってるよ。そこの音楽の先生、バックハウス先生の友達なんだ。 一緒に学校に連れていってもらった事もある。場所も、覚えている。さあ、行こう!」ユーベルは駆けて行きます。ミーナも、後を追いかけて行きました。「ここ、ここ。」 ユーベルが指差す先・・・。そこには、高い塀が続いています。そして、表札が 『ウィーン少年合唱団 関係者以外立ち入り禁止』中から、かすかな美しい歌声が♪………「ユーベル、天使の歌声 ″ウィーン少年合唱団″ 私のあこがれの学校なの。 シューベルトやハイドンも、ここで歌の勉強をしたのよ。」「ミーナ、物知りなんだね。」「スイスのお家にね、新聞記者のベルナールさんが、毎日フランスからフィガロの日刊紙を送ってくださっているの。」「フィガロ? 日刊紙?」「そうよ、新聞! 新しい事がいろいろ書いてあるのよ。 フランスの事、世界の事、音楽、お料理、お洒落な記事も…、読んでいてとっても楽しいの。そこにね、天使の歌声 ″ウィーン少年合唱団 ″8月16日に初めての第1回コンサートが、王宮礼拝堂でありますって…。私の誕生日よ! いろいろ詳しくその学校の事も書いてあったの。絶対、行ってみたいと、思った!」「ミーナ、ここに来れて良かったね。 ぼくも、お手伝い出来て嬉しい。」 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-29 22:17:36 お便りをありがとうございます。連日の暑さで、私も帰宅するとぐったり。 ユーベルもミーナも一人っ子。だからちょうど姉弟みたいになり、二人とも嬉しかったりして。いったいウィーンの街で、何をするのでしょう?そしてイザークの目に、母となったユリウスはどう映っているのか? 鈴蘭の精さま、どうかゆっくり、じっくりお書きくださいね。この先、私も家を留守にするなど、すぐに返信できない時もありますが、どうか気兼ねなく書き続けてください。 返信する 追伸 (鈴蘭の精) 2015-07-29 07:56:30 間違えました。″ユーベルそっくりな娘″ ではありません!″ユリウスそっくりな娘″ です。慌てて、打つとダメです。なんか、間違いが多くて・・・。夜は、眠たくて、朝に仕上げようと、思っています。8月16日、最終話を目指しているのですが、ムリそうです。 返信する ミーナの冒険・8 (鈴蘭の精) 2015-07-29 07:50:16 ユーベルはおっとりした男の子、出会って数分後には、二つ年上のお姉さんミーナの子分になっていました。 でも、とても仲良しです。二人は両親から、お小遣いをもらい、ウィーンの街へ出掛ける事になりました。「ちょっと待って!」ミーナはポシェットの中から、小さなリボンのついた髪ピンと、ビーズのブレスレットを出します。「お母さん、髪にピン留め付けて!」ユリウスはミーナの前髪の横に、丁寧に飾りつきのピンを留めます。 そして、ブレスレットも手首に巻き付けました。 ミーナはお洒落の大好きな女の子です。 イザークは、ユーベルそっくりな娘に目を細めながら、「女の子は、出掛けるのに色々準備がいるんだね。 ユリウスもすっかり、お母さんか…。」複雑な想いで、仲の良い母娘の姿を見いってしまいました。 ミーナは、ポシェットを肩から掛け、手に小さなヴァイオリンを握りしめます。朝、練習出来なかったから、″ 毎日欠かさずヴァイオリンを弾く!″ お父さんとの約束。ここ、ウィーンでも守ろう! 何処かで場所を見付けて、今日中にお稽古しよう!揺るぎない決意です。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-28 21:47:42 お便りをありがとうございます。ついにユーベルが登場しましたね。ユーベルのその後は、ずっと気になっていました。父イザークのように天性の素質を持ち、努力で更に磨きをかけ、偉大なピアニストの道を歩んでいくのだろうかと。技能はもとより、人格も優れた人になっていってほしいと。ユーベルとミーナ。どんな関わりをするのか、非常に興味があります。淡い初恋もいいな。 返信する ミーナの冒険・7 (鈴蘭の精) 2015-07-28 08:06:03 翌日、8月11日。 ミハイロフ一家の一室へ、イザーク、ユーベル親子が訪ねて来ました。イザークは、アレクセイとユリウスの旧友です。そして、イザークも一人息子の父親です。でも、イザークは幼いユーベルをひとり、ウィーンの大ピアニスト″ ウィルヘルム バックハウス″ の元へ弟子入りさせていました。 まだ、5歳の幼い我が子、ただ一人ウィーンへ…。親でありながら、近くで息子を見守る事をせず、バックハウス氏に全てを託したイザークに、アレクセイは去年、こういう言葉をかけたのでした。「イザーク、息子を育てる為に、感情の全てを押しつぶす事は愚かしい事だ。 厳しくするだけが教育ではない。 愛がどれほど、勇気と意志を強くしてくれるか、お前は、学んでもいいんじゃないか・・・。忘れるな……、自分を甘やかす事はいましめなければならないが、決して自分に厳しすぎる必用はないのだ。」と・・・それは、遠い昔アレクセイが親友ズボフスキーから、かけられた心を打つ言葉でした。イザークも又、この言葉により、バックハウス氏にピアノの全てをユーベルに教育してもらいながらも、自分も共に息子のそばで暮らし、新しい生活を送って行こうと、思ったのでした。ユーベルはイザークに甘える事なく、ひた向きに毎日ピアノのレッスンに励んでいます。そんな、ユーベルも今は、ピアノも短い夏休み、お父さんと楽しい夏休みを送っています。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-27 22:21:24 お便りをありがとうございます。一日が終わり、ベッドに入る前のホッと一息つく時間。誰にも邪魔されず、三人だけで過ごす至福の時。こんな時間がいつまでも続いてほしい。 そしてミーナの自慢のロングヘアは、いったいどうなってしまうのでしょう? 返信する ミーナの冒険・6 (鈴蘭の精) 2015-07-27 07:30:02 「お父さん、見て!お母さんとお揃いのナイト ドレス、フリルも一杯、お姫様見たいでしょ。」「おいで、ミーナ。」 アレクセイは愛娘を膝の上に乗せ、ニッコリ微笑みます。「お父さん、今日楽しかった。」「あぁ、お父さんもだ。」 そう、言いながら、 ミーナの濡れた頭を優しく撫でます。 綺麗にカールしたブロンドのな長い髪、すーと先まで滑らせて、最後にくるくるっと、指に巻き付けるお父さんの癖…、いつもは片手で行うこの癖を今夜は何故か両手でゆっくりと、 まるで、近々、この髪がなくなってしまうのを、惜しむかの様に…。 表情も悲しそうになりました。 ミーナはそんなお父さんの額に、チュッと、口づけをして励まします。「さあ、ユリウスに髪を乾かしてもらいなさい。」 ユリウスはミーナの濡れた髪をタオルに包み込み乾かします。「私ね、お母さんと同じこの長い髪の毛、命より大切なの。」 娘のつぶやき声に、アレクセイの不安は無くなり、ほっとした表情になりました。ミーナは髪を乾かしてもらうと、ユリウスにタップリのクリームを手に塗ってもらうのでした。ラベンダーの香りのクリーム、指一本ずつ丁寧に、カサカサした、ひじとかかとにも。お部屋に、ぱあーっと、ラベンダーの香りが広がりました。アレクセイは、思います。 ″ 場所が変わっても、いつもの夜と同じだな。″スイスの家と同じ、ほっとする暖かさに包まれた空気がありました。「おやすみ! お父さん、お母さん。」ベットにもぐり込んだミーナはラベンダーの香りの手を胸の上に乗せ、目を閉じました。いろいろあった、一日が終わります。明日も、楽しい事がありますように・・・。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-26 16:49:48 お便りをありがとうございます。ホテルに戻り、ホッと一息つく三人。向日葵が、パワーを与えてくれそう。 アレクセイは、音楽の道で生きていく決意を固めたのですね。命をかけて、革命に身を投じる生活から、温かい家族愛に満ち、命と家族の次に大切な音楽と共に生きる生活。いずれ父と娘が競演する日も夢ではないですね。 返信する ミーナの冒険・5 (鈴蘭の精) 2015-07-26 08:15:45 窓の外は真っ暗、時計はとっくに夜の9時をまわっていました。 三人は、3階のお部屋に戻ります。 ベットが3つ、そして、ソファー、手紙を書く机まであります。ソファーの前のテーブルには、8月のお花 ″向日葵 ″が生けてありました。 ミーナは ″ 太陽に向かって咲く、この元気なお花 ″が大好きです。 夜も遅くなり、そろそろ、小さい女の子のお休みの時間が近づいています。「お母さん、いい?」ユリウスはアレクセイの方に、視線を移します。「いいよ。二人でシャワーしておいで。」二人は仲良く、シャワー室へ・・・アレクセイは一人になり、バルコニーの窓を開け、外に出ます。 ウィーンの街の夜景が美しく、チカチカ輝いています。 アレクセイは時々、幸せ過ぎる自分が信じられません。小さなホールの支配人に推薦され、そこで、演奏する楽団の指揮を務める自分・・・。華やかではないけれど、安定した仕事、家に帰ると、妻と娘がいて…、 一年前までロシアにいた時には、想像もしなかった幸せが今、自分の元にある。 大切にしなければ、そして、 ″ 1日、1日に感謝して過ごしていこう! ″ そう、思うのでした。カサカサ、音の方へ振り向くと、妻と娘がニコッと、笑ってこっちを向いていました。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-25 20:28:42 お便りをありがとうござます。カフェで寛ぐ3人。絵になりますね。極上のザッハ・トルテを食べて御機嫌のミーナ。口の周りに付いたチョコを取る仕草すら愛らしい。そして血は争えず、アレクセイもまた---。どこにでもありそうな、幸せな家族の休日です。 返信する ミーナの冒険・4 (鈴蘭の精) 2015-07-25 08:31:07 ザッハトルテ・・・ 昨年の11月、アーレンスマイヤ家の居間で、ミーナが初めて出会ったケーキ! マリア バルバラおばさんから、″ ウィーンで生まれたお姫様、エリザベートが愛したケーキよ ″と、ミーナは教えてもらいました。″ あんまり、綺麗で食べられないわ… ″と、迷っていると、お母さんのユリウスが、ケーキ皿を膝に乗せ、フォークを握らせてくれたのです。あれから、一年近く経ちました。 やっぱり今日も、ザッハトルテが綺麗過ぎて、うっとり眺めていると、お母さんのユリウスが、ケーキ皿を膝に乗せ、フォークを握らせてくれました。ミーナは思わず、「あの時と、一緒!いただきます。」やっぱり、ザッハトルテは、お姫様の味がしました。アレクセイの頼んだ飲み物は、″ カフェ ロワイヤル ″ブラック コーヒーにスプーンを乗せ、角砂糖を置きブランデーを含ませます。火を着けると、青い炎が! それをコーヒーに混ぜる、大人の飲み物。それを、ダンディーに飲むアレクセイにユリウスはうっとり・・・。ユリウスの頼んだ飲み物は、″ ウィーンナーコーヒー ″生クリームタップリの甘~い女の子の飲み物!「ユリウス、お前は、幾つになっても、可愛いなぁ~。」と、アレクセイは妻にメロメロ・・・。娘そっちのけで、二人は見詰めあいます。そして、娘ミーナが頼んだ飲み物は、まだ小さい女の子なので、″ ロイヤル ミルクティー ″一人ゆっくり、味わい、ケーキも口の中へ・・・。「おいしい! あ~っ、おいしい!」と、口の中一杯にケーキをいれてモグモグ食べます。そして、お皿が空っぽになると・・・ミーナは口の回りについたチョコレートを細くて長い舌を使って、唇を一周、口の中へ入れました。ユリウスはふと、娘のそんな男の子の様なしぐさに気づき、ちょっと、困った表情に・・・。反対側に座っている、アレクセイを見詰めます。なんと、アレクセイも口の回りについたチョコレートを大きな舌を使って、唇を一周、口の中へ舐めていれています。そんな、そっくりな父と娘に思わず、微笑んでしまいました。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-24 21:15:50 お便りをありがとうございます。ミーナは両親に気を遣い、後ろからついていくのですね。 カフェ・ザッハーはとても趣のあるお店。ここで生クリームがたっぷり添えられたザッハ・トルテを、親子3人で食べるなんて最高です。近くにはオペラ座もあります。 「王女マルガリータ」の肖像画ですが、私が勝手に書いたため、鈴蘭の精さまがイメージしているミーナ像を、邪魔していたらすみません。 返信する ミーナの冒険・3 (鈴蘭の精) 2015-07-24 08:09:22 お父さんとお母さんは、いつもしっかりと手を繋いで歩きます。 ミーナはそんな二人の邪魔をしないよう、二人の後を歩くようにしていました。 お洒落な街並みを歩いて行くと、ふと小さなポスターにミーナの目は、止まりました。 美容院の貼り紙『綺麗な髪の女の子モデルになりませんか?』 じっと、見つめていると、中から美容師さんが出てきました。「やってみたいなぁ~って、思っているの?」「私にも出来ますか?」「もちろん、綺麗なカールのロング、ブロンドの色も素敵。」「明日、来てもいいですか?」「いいわよ。でも、ご両親の許可がいるわ。」ずっと、遠くの方で、二人は娘を見失い、探しています。「お父さ~ん、こっち!」アレクセイもユリウスもミーナのモデル話に大賛成。 書類にサインをしました。″ 娘、ミーナ ミハイロワが、当店のモデルになることを、許可します。 アレクセイ ミハイロフ 8月 10日 ″三人は美容師のお姉さんに美味しいザッハトルテのお店を紹介してもらいました。『カフェ ザッハー 』 アレクセイ一家が泊まっている、『ホテル ザッハー』の中のお店でした。アレクセイは、 「はりこんで、あのホテルに決めて良かった! さあ、行こうぜ。」お店の中は、お城の一室みたいにお洒落。白いテーブルクロスのまん中には、キャンドル。ゆらゆらと、炎が揺れています。PS、「王女 マルガリータ」 連作の絵。 何年か前、天王寺の私立美術館にきて、 友人と、観に行きました。 かしこくて、冷静そうな少女。似てますね。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-23 21:41:02 お便りをありがとうございます。一家3人で過ごすウィーンの休日。音楽とスィーツと。クラシック音楽好きにはたまらない街ですよね、ウィーンは。美術史美術館には、出かけるでしょうか?ミーナによく似たヴェラスケス描く「王女マルガリータ」の肖像画があります。 こんな幸せな夏のバカンスが、あってもいいですね。この時期、日の入りが遅く、3人は存分に過ぎていく時間を楽しんでいますね。 返信する ミーナの冒険・2 (鈴蘭の精) 2015-07-23 08:10:09 8月10日の夕方、ミハイロフ一家はホテルでゆっくりと、くつろいでいます。 お父さんのアレクセイは甘い、甘~い、父親。何でも、言う事を聞いてくれます。「この六日間は、ミーナの為の旅だよ。 何処でも、行きたい所を言いなさい。」「シューベルトが ″菩提樹 ″ を作ったウィーンの森。 ハイドンの家 ザッハトルテも食べたい。」「よし! 早めに、夕食を取って、 ウィーンの森、ハイドンの家、最後がザッハトルテだ。 ユリウス、用意をしてくれ。」 妻、ユリウスはアレクセイを深く愛しています。 夫の言いなりです。 そして、娘のミーナ、そんな両親が大好き。 言い付けを守る、良い子です。 だから、ミハイロフ一家はとても幸せな家族なのでした。 最初に訪れたウィーンの森、 ″シューベルトの菩提樹 ″ は、小さなカフェの前にそびえていました。 ずっしりと大きく、何年も、何年も、暑さにも寒さにも負けずに育っていく木! ミーナは、シューベルトの気持ちになり、歌 『菩提樹』を歌います。♪泉 に沿いて 繁る菩提樹 慕いて 行きては 美し夢見つ 幹には 彫りぬ 愛のことば うれし悲しに 訪いし そのかげ♪ しばらく、菩提樹を眺めていた三人、こんな風にたくましく生きていこうと、思いました。 次に訪れた、ハイドンの家。 賑やかな街中にありました。″ 交響曲の父 ″ と、呼ばれたハイドン、 彼がおじいさんになった頃、ウィーンはフランスの攻撃を受けました。おじいさんハイドンは、街が燃えている風景を見ながら、心を痛ませました。″ 人は何故争うのか? 音楽で何か力になれないか ″ハイドンはそう、思いながら、作曲しました。 そんなハイドンの元へ、フランスの士官が訪ねてきます。 彼はハイドンを敬愛していました。 その士官はハイドンのメロディーに合わせ歌い始めます。 敵も味方もない、心を一つに出来た時でした。 音感を愛する気持ちは誰にでも宿っている。ハイドンは、涙を流して喜びました。ハイドンが亡くなる、数日前の出来事!ミーナはこのお話が大好きです。 ハイドンの家はそんな彼の平和を愛する気持ちがたっぷり詰まった、そんな感じのする家でした。 ハイドンの家をゆっくりと、見学したミハイロフ一家三人、ちょうど、お腹が空いてきました。 最後の目的は、ザッハトルテ。アレクセイは、 「なんか、ぴったりだな。歩き疲れて、甘いものが食べたいと、思っていた。」 どこが良いか、ウィーンの街を散策します。 返信する 鈴蘭の精さま (りら) 2015-07-22 23:01:19 お便りをありがとうございます。舞台はウィーン。いったいどんなドラマが展開するでしょう?何だかミーナが、ル・ルーと重なってきました。とんでもない冒険旅行とは? 返信する ミーナの冒険・1 (鈴蘭の精) 2015-07-22 08:01:50 ここは、スイスのローザンヌ、ミハイロフ一家が幸せに暮らしている街です。 一人娘のミーナは、この8月16日に8歳の誕生日を迎えます。 ミーナは賢い子、通っている女学園で一番の成績となりました。 その、ご褒美として、ダーヴィトおじさんは、ミーナがずっと聴きたいと思っていた、″天使の歌声 ″ の ウィーン少年合唱団のコンサートチケットを3枚贈ってきてくれました。 コンサートの日は、8月16日!まさに、ミーナのお誕生日でした。 オーストリア ウィーンへの到着は8月10日でした。 その後、家族でゆっくりと観光して、お誕生日の日にコンサートへ出掛ける。という、予定だったのですが、これが とんでもない、ミーナの冒険旅行と、なってしまったのでした。 返信する 規約違反等の連絡 コメントを投稿 goo blogにログインしてコメントを投稿すると、コメントに対する返信があった場合に通知が届きます。 ※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます 名前 タイトル URL ※名前とURLを記憶する コメント ※絵文字はJavaScriptが有効な環境でのみご利用いただけます。 ▼ 絵文字を表示 携帯絵文字 リスト1 リスト2 リスト3 リスト4 リスト5 ユーザー作品 ▲ 閉じる コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。 コメント利用規約に同意する 数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。 コメントを投稿する
ミーナは丁寧に説明、ユーベルも時々口をはさみます。
アマ―リエは真剣に二人の話を聞いてくれました。
「その男性はどんな感じの人だったの?」
「おじいさんの神父様、真っ白な髪で、優しそうな人でした。」
アマ―リエは、笑顔でうなずきながら、
「その人の言う事は、間違いないわ。 ウィーン少年合唱団になんとか、短期入学出来そうよ。
校長先生は、わたしの、お父様のお友達、昔っから、わたしの事を可愛がって下さってる。
寮母のアンナは、わたしの親友、音楽の先生ヴィルクリヒはアンナのフィアンセ。
あとは、あなたが本気で男の子になりさえすればの話だけれど。」
「ほんと?」
ミーナの目が輝きます。
アマ―リエはミーナの目を見つめ、話を続けました。
「まず、最初、名前…、ミーオ ミハイロフ?何だか、へんてこな名前だけれど、まぁいいわ。これでいきましょ。」
ミーナとユーベルが手を口に当て、クスクス笑っています。
アマ―リエも吹き出しそうになるのを、こらえながら、
「次、言葉使い! 男の子を演じるのに、一番大切な事、いける?」
「大丈夫です。ぼく!」
早くもなりきっているミーナを見て、ユーベルは、ずっとクスクス笑っています。
アマ―リエは、大きく息を吸い、心を落ち着けます。なぜなら、最後の条件は、言いたくなかったから…、でも、言わなければ!
「最後は、見た目。その髪を切る事、それも思いっきり短くバッサリと。それが出来なければ、あきらめなさい。」
ミーナの小さな胸は、キューンと、痛みました。
ユーベルはこそっと、ミーナの耳元で囁きました。
「あの人、アマ―リエさん。とうさまの古いお友達。パリに住んでいるんだけれど、ほんの少しだけ、ウィーンに帰って来てるんだ。いい人だよ。」
「ユーベル、あのお姉さんに、私の事、男友達として紹介して。 ええっと…、名前は、ミーオ ミハイロフ。」
「うん、やってみる。」
「あら、ユーベルじゃなくて? ごきげんよう。 なに? いやだわ、変な女の子連れてる! その子、臭いわ。」
「違うよ。アマ―リエさん。男の子だよ。名前は……、ええっと、なんだっけぇ?」
「ぼく、ミーオ ミハイロフ、はじめまして。」
「何、言ってるの? 男の子がそんな、レースの靴下と、リボンの付いた靴、履かなくてよ。腕に素敵なブレスレットも巻いてるじゃない?」
「えっ?」
ミーナはきょとんと、しています。
「はじめまして、わたし、アマ―リエ シェーンベルク。あなたの本当のお名前は? お嬢様のおぼっちゃま!」
そう言いながら、ミーナのかつらをつまみ上げ、優しく、くずかごヘ投げ捨てました。
カサッ!
そのとたん、その中から・・・、ブロンドのカールした美しい髪が、ワサッ!と、音をたて、ミーナの首から肩ヘキラキラ輝きながら、まとわりつきました。
「まあ、ロングヘアーの素敵で可愛い女の子だったんじゃない。」
ミーナはうつ向いて、小さな声で、
「ミーナ ミハイロワです。」
アマ―リエは、にっこりと、微笑みながら、
「ミーナ?素敵な名前ね…、ドイツ語で愛、そして強い意志を持つ少女。
あなた達二人して、何だか訳ありで、楽しそうな事、たくらんでいるんじゃなくて?お姉さんも仲間に入れてくれる?」
「えっ?協力してくださるんですか?」
「もちろん! わたしのアパルトマンヘ行きましょう。」
ミーナの冒険が、目の前に迫って来ました。
そして---鬘という手がありましたね。ユーベルの服を借り、どうにかウィーン少年合唱団に、疑いを持たれず、潜り込めるでしょうか?
「あっ、待ってたわよ。」
昨日の、お姉さんが写真の準備をして待っていてくれました。
「ユーベル、あなたの男の子の服、貸してくれる? ここへ持ってきて、私、モデルしているから。」
「分かった。パンツとシャツだね。任しておいて。」
ユーベルは、走って取りに帰りました。
「さあ、始めましょ。ええっと、名前はミーナね。
ミーナ、そのままでも素敵! まず、普段の髪型撮るわよ。」
パシッ! パシッ!
次々と、ミーナのブロンドの髪は色々に結い上げられていきます。
ポニーテール、三つ編みのお下げ、頭のてっぺんにおだんごを作ったり、前髪を編み込んで耳の後ろでゴムでくくり、くるくるッとまとめてピンで留めるちょっと、セクシイな髪型!カールをアイロンで伸ばしたストレートはヘアー、そして、最後は、マリー アントワネットの様なお姫様の髪型でした。
可愛いプロマイドのネガが、次々と出来上がりました。
「はい、終わりね。写真が出来上がったらプレゼント出来るわよ!
それから、頑張ったごほうび、何がいい?」
「私、かつらが欲しいのです。男の子の!
私、それをかぶって、男の子にならなければならないのです。」
「いいわよ。ちょっと、古いけれど、男の子のかつらがあるわ。」
差し出されたかつらは、黒髪のよれよれの、くしゃくしゃで、おまけに変なにおいがします。」
そこへ、ユーベルが帰って来ました。
「ミーナ、お待たせ、ぼくの服、持ってきてよ。」
「あのう、洋服、着替えていいですか?」
「いいわよ。そこの更衣室、使いなさい。」
「はい。」
ミーナはかつらをかぶり、ユーベルの服に着替えました。
「どう? ユーベル、男の子に見えるでしょ。」
「うん…、なんか変だけれど…。それに、臭いよ!ミーナ、そのかつら。」
二人は、美容室を後にしました。
ウィーンの街を二人で歩きます。
ミーナの頭からは、変な臭いが・・・。
ユーベルは、顔をしかめます。
「無理だよ、ミーナ。そんなに可愛い女の子なのに。」
「ううん、大丈夫。実はね、私のお母さんね、昔…男の子だったのよ。」
「え?あの綺麗なおばさんが!!!…?」
「そうよ、財産争いに巻き込まれると、女の子でも男の子にならなきゃいけないみたいなのよ。」
「じゃあ、君は女の子だから、財産争いに巻き込まれなかったんだね。」
「うん!私のお父さん、革命家だったから。」
「えぇー?、すごい!アレクセイおじさん、かっこいい…。」
「革命家の仕事って、命懸けよ。だから、今は私の為に、音楽家よ。」
「ぼくのお家は普通だよ。とうさまは音楽家、かあさまはとうさまの普通の奥さん、でも…、ぼくを産んでかあさま、死んでしまったんだ。」
「私のお母さんはね、男の子だったんだけれど、ロシアヘ行ってお父さんと結ばれて女になったのよ。マリアおばさんが、そう言ってた。ちょっと、変な話でしょ。」
「うん、ミーナの家族って、複雑なんだね。」
「そう、複雑なのよ。 私、今は女の子だけれども男の子にもなれると、思うの。お母さんの娘だから。」
「じゃあ、その髪も短く切るの?」
「それはいや!絶対に!この長い髪は命より大切なの!切るなんて、絶対にしないわ! ユーベル、着いたわ。ここよ。」
ミーナは昨日の、美容室ヘやって来ました。
ユーベル・・・
一人で歌う、歌も素敵だけれど、みんなで歌う合唱は、もっと、もっと素敵よ!
歌に膨らみが出て、生き生きしてくるの、命がね… 芽生える!そんな感じよ。
たとえば、『野ばら』
♪わらベ~は み~たり
野なか~の ばら ♪
これが、一人で歌う『野ばら』
これを、二人で歌うと、ユーベル、歌ってみて!」
ユーベルが歌い、ミーナがそれにあわせて、ハミングします。
♪わらベ~は み~たり る る るるるん
るる 野なか~の ば~ら るる るん ♪
「あっ、すごい!野ばらがゆらゆら揺れて、咲いているみたい。」
「そうでしょ。それが、合唱なのよ。」
「ミーナの声、天使みたいに綺麗に響いている。」
「あ~、私もウィーン少年で一緒に歌いたい!こんなに歌が大好きなのに……
男の子でないだけが理由で、合唱団に入れないなんて、絶対におかしい!」
「そうかい?」
「あぁ、びっくりした! 神父様、いつからいたの?」
「ずーっと、いたよ。最初っから。」
いつの間にか、ミーナ達の後ろに、白髪の優しそうなおじいさんの神父様が、ニコッと、笑って立っていました。
「歌が大好きな女の子がいるのに、どうしてだめなの?」
「そういう決まりだから、仕方がないね。」
「あっ、じゃあ、男の子だったら、入れるのですか?」
「もちろん!」
「でも、5日間しかウィーンにいないから、だめ?」
「今、欠員があってね!短期入学も募集しているよ。」
「ほんと! 短期入学でも、みんなと舞台で歌えます?」
「う~ん、・・・、舞台かぁ、それはちょっとね、 まぁ… 3つのテストに合格すれば、なんとかなるかな?」
「分かりました。ユーベル! 行くわよ。」
「待って・・・、 ミーナぁ~。」
神父様は、少し頭をかしげ、何かおもしろい事になりそうだと、意味ありげに二人を見つめていました。
外へ、飛び出して行きました。
「ミーナ、何処でも案内するよ。」
「ほんと? 私、ウィーン少年合唱団の学校、のぞいてみたいの! でも、場所が分からない、」
「ぼく、知ってるよ。そこの音楽の先生、バックハウス先生の友達なんだ。
一緒に学校に連れていってもらった事もある。
場所も、覚えている。
さあ、行こう!」
ユーベルは駆けて行きます。
ミーナも、後を追いかけて行きました。
「ここ、ここ。」 ユーベルが指差す先・・・。
そこには、高い塀が続いています。
そして、表札が 『ウィーン少年合唱団 関係者以外立ち入り禁止』
中から、かすかな美しい歌声が♪………
「ユーベル、天使の歌声 ″ウィーン少年合唱団″ 私のあこがれの学校なの。 シューベルトやハイドンも、ここで歌の勉強をしたのよ。」
「ミーナ、物知りなんだね。」
「スイスのお家にね、新聞記者のベルナールさんが、毎日フランスからフィガロの日刊紙を送ってくださっているの。」
「フィガロ? 日刊紙?」
「そうよ、新聞! 新しい事がいろいろ書いてあるのよ。 フランスの事、世界の事、音楽、お料理、お洒落な記事も…、読んでいてとっても楽しいの。
そこにね、天使の歌声 ″ウィーン少年合唱団 ″
8月16日に初めての第1回コンサートが、王宮礼拝堂でありますって…。私の誕生日よ!
いろいろ詳しくその学校の事も書いてあったの。
絶対、行ってみたいと、思った!」
「ミーナ、ここに来れて良かったね。 ぼくも、お手伝い出来て嬉しい。」
ユーベルもミーナも一人っ子。だからちょうど姉弟みたいになり、二人とも嬉しかったりして。いったいウィーンの街で、何をするのでしょう?そしてイザークの目に、母となったユリウスはどう映っているのか?
鈴蘭の精さま、どうかゆっくり、じっくりお書きくださいね。この先、私も家を留守にするなど、すぐに返信できない時もありますが、どうか気兼ねなく書き続けてください。
″ユーベルそっくりな娘″ ではありません!
″ユリウスそっくりな娘″ です。
慌てて、打つとダメです。
なんか、間違いが多くて・・・。
夜は、眠たくて、朝に仕上げようと、思っています。
8月16日、最終話を目指しているのですが、ムリそうです。
でも、とても仲良しです。
二人は両親から、お小遣いをもらい、ウィーンの街へ出掛ける事になりました。
「ちょっと待って!」
ミーナはポシェットの中から、小さなリボンのついた髪ピンと、ビーズのブレスレットを出します。
「お母さん、髪にピン留め付けて!」
ユリウスはミーナの前髪の横に、丁寧に飾りつきのピンを留めます。 そして、ブレスレットも手首に巻き付けました。
ミーナはお洒落の大好きな女の子です。
イザークは、ユーベルそっくりな娘に目を細めながら、
「女の子は、出掛けるのに色々準備がいるんだね。 ユリウスもすっかり、お母さんか…。」
複雑な想いで、仲の良い母娘の姿を見いってしまいました。
ミーナは、ポシェットを肩から掛け、手に小さなヴァイオリンを握りしめます。
朝、練習出来なかったから、″ 毎日欠かさずヴァイオリンを弾く!″ お父さんとの約束。
ここ、ウィーンでも守ろう! 何処かで場所を見付けて、今日中にお稽古しよう!
揺るぎない決意です。
ミハイロフ一家の一室へ、イザーク、ユーベル親子が訪ねて来ました。
イザークは、アレクセイとユリウスの旧友です。
そして、イザークも一人息子の父親です。
でも、イザークは幼いユーベルをひとり、ウィーンの大ピアニスト″ ウィルヘルム バックハウス″ の元へ弟子入りさせていました。 まだ、5歳の幼い我が子、ただ一人ウィーンへ…。
親でありながら、近くで息子を見守る事をせず、バックハウス氏に全てを託したイザークに、アレクセイは去年、こういう言葉をかけたのでした。
「イザーク、息子を育てる為に、感情の全てを押しつぶす事は愚かしい事だ。
厳しくするだけが教育ではない。 愛がどれほど、勇気と意志を強くしてくれるか、お前は、学んでもいいんじゃないか・・・。
忘れるな……、自分を甘やかす事はいましめなければならないが、決して自分に厳しすぎる必用はないのだ。」と・・・
それは、遠い昔アレクセイが親友ズボフスキーから、かけられた心を打つ言葉でした。
イザークも又、この言葉により、バックハウス氏にピアノの全てをユーベルに教育してもらいながらも、自分も共に息子のそばで暮らし、新しい生活を送って行こうと、思ったのでした。
ユーベルはイザークに甘える事なく、ひた向きに毎日ピアノのレッスンに励んでいます。
そんな、ユーベルも今は、ピアノも短い夏休み、お父さんと楽しい夏休みを送っています。
そしてミーナの自慢のロングヘアは、いったいどうなってしまうのでしょう?
「おいで、ミーナ。」
アレクセイは愛娘を膝の上に乗せ、ニッコリ微笑みます。
「お父さん、今日楽しかった。」
「あぁ、お父さんもだ。」
そう、言いながら、
ミーナの濡れた頭を優しく撫でます。 綺麗にカールしたブロンドのな長い髪、すーと先まで滑らせて、最後にくるくるっと、指に巻き付けるお父さんの癖…、いつもは片手で行うこの癖を今夜は何故か両手でゆっくりと、
まるで、近々、この髪がなくなってしまうのを、惜しむかの様に…。
表情も悲しそうになりました。
ミーナはそんなお父さんの額に、チュッと、口づけをして励まします。
「さあ、ユリウスに髪を乾かしてもらいなさい。」
ユリウスはミーナの濡れた髪をタオルに包み込み乾かします。
「私ね、お母さんと同じこの長い髪の毛、命より大切なの。」
娘のつぶやき声に、アレクセイの不安は無くなり、ほっとした表情になりました。
ミーナは髪を乾かしてもらうと、ユリウスにタップリのクリームを手に塗ってもらうのでした。
ラベンダーの香りのクリーム、指一本ずつ丁寧に、カサカサした、ひじとかかとにも。
お部屋に、ぱあーっと、ラベンダーの香りが広がりました。
アレクセイは、思います。
″ 場所が変わっても、いつもの夜と同じだな。″
スイスの家と同じ、ほっとする暖かさに包まれた空気がありました。
「おやすみ! お父さん、お母さん。」
ベットにもぐり込んだミーナはラベンダーの香りの手を胸の上に乗せ、目を閉じました。
いろいろあった、一日が終わります。
明日も、楽しい事がありますように・・・。
アレクセイは、音楽の道で生きていく決意を固めたのですね。命をかけて、革命に身を投じる生活から、温かい家族愛に満ち、命と家族の次に大切な音楽と共に生きる生活。いずれ父と娘が競演する日も夢ではないですね。
三人は、3階のお部屋に戻ります。
ベットが3つ、そして、ソファー、手紙を書く机まであります。
ソファーの前のテーブルには、8月のお花 ″向日葵 ″が生けてありました。 ミーナは ″ 太陽に向かって咲く、この元気なお花 ″が大好きです。
夜も遅くなり、そろそろ、小さい女の子のお休みの時間が近づいています。
「お母さん、いい?」
ユリウスはアレクセイの方に、視線を移します。
「いいよ。二人でシャワーしておいで。」
二人は仲良く、シャワー室へ・・・
アレクセイは一人になり、バルコニーの窓を開け、外に出ます。 ウィーンの街の夜景が美しく、チカチカ輝いています。
アレクセイは時々、幸せ過ぎる自分が信じられません。
小さなホールの支配人に推薦され、そこで、演奏する楽団の指揮を務める自分・・・。
華やかではないけれど、安定した仕事、家に帰ると、妻と娘がいて…、
一年前までロシアにいた時には、想像もしなかった幸せが今、自分の元にある。 大切にしなければ、そして、 ″ 1日、1日に感謝して過ごしていこう! ″ そう、思うのでした。
カサカサ、音の方へ振り向くと、妻と娘がニコッと、笑ってこっちを向いていました。
昨年の11月、アーレンスマイヤ家の居間で、ミーナが初めて出会ったケーキ!
マリア バルバラおばさんから、
″ ウィーンで生まれたお姫様、エリザベートが愛したケーキよ ″
と、ミーナは教えてもらいました。
″ あんまり、綺麗で食べられないわ… ″
と、迷っていると、お母さんのユリウスが、ケーキ皿を膝に乗せ、フォークを握らせてくれたのです。
あれから、一年近く経ちました。
やっぱり今日も、ザッハトルテが綺麗過ぎて、うっとり眺めていると、お母さんのユリウスが、ケーキ皿を膝に乗せ、フォークを握らせてくれました。
ミーナは思わず、「あの時と、一緒!いただきます。」
やっぱり、ザッハトルテは、お姫様の味がしました。
アレクセイの頼んだ飲み物は、″ カフェ ロワイヤル ″
ブラック コーヒーにスプーンを乗せ、角砂糖を置きブランデーを含ませます。火を着けると、青い炎が! それをコーヒーに混ぜる、大人の飲み物。
それを、ダンディーに飲むアレクセイにユリウスはうっとり・・・。
ユリウスの頼んだ飲み物は、″ ウィーンナーコーヒー ″
生クリームタップリの甘~い女の子の飲み物!
「ユリウス、お前は、幾つになっても、可愛いなぁ~。」と、アレクセイは妻にメロメロ・・・。
娘そっちのけで、二人は見詰めあいます。
そして、娘ミーナが頼んだ飲み物は、まだ小さい女の子なので、″ ロイヤル ミルクティー ″
一人ゆっくり、味わい、ケーキも口の中へ・・・。
「おいしい! あ~っ、おいしい!」と、口の中一杯にケーキをいれてモグモグ食べます。そして、お皿が空っぽになると・・・
ミーナは口の回りについたチョコレートを細くて長い舌を使って、唇を一周、口の中へ入れました。
ユリウスはふと、娘のそんな男の子の様なしぐさに気づき、ちょっと、困った表情に・・・。
反対側に座っている、アレクセイを見詰めます。
なんと、アレクセイも口の回りについたチョコレートを大きな舌を使って、唇を一周、口の中へ舐めていれています。
そんな、そっくりな父と娘に思わず、微笑んでしまいました。
カフェ・ザッハーはとても趣のあるお店。ここで生クリームがたっぷり添えられたザッハ・トルテを、親子3人で食べるなんて最高です。近くにはオペラ座もあります。
「王女マルガリータ」の肖像画ですが、私が勝手に書いたため、鈴蘭の精さまがイメージしているミーナ像を、邪魔していたらすみません。
ミーナはそんな二人の邪魔をしないよう、二人の後を歩くようにしていました。
お洒落な街並みを歩いて行くと、ふと小さなポスターにミーナの目は、止まりました。
美容院の貼り紙『綺麗な髪の女の子モデルになりませんか?』 じっと、見つめていると、中から美容師さんが出てきました。
「やってみたいなぁ~って、思っているの?」
「私にも出来ますか?」
「もちろん、綺麗なカールのロング、ブロンドの色も素敵。」
「明日、来てもいいですか?」
「いいわよ。でも、ご両親の許可がいるわ。」
ずっと、遠くの方で、二人は娘を見失い、探しています。
「お父さ~ん、こっち!」
アレクセイもユリウスもミーナのモデル話に大賛成。 書類にサインをしました。
″ 娘、ミーナ ミハイロワが、当店のモデルになることを、許可します。
アレクセイ ミハイロフ 8月 10日 ″
三人は美容師のお姉さんに美味しいザッハトルテのお店を紹介してもらいました。
『カフェ ザッハー 』 アレクセイ一家が泊まっている、『ホテル ザッハー』の中のお店でした。
アレクセイは、 「はりこんで、あのホテルに決めて良かった! さあ、行こうぜ。」
お店の中は、お城の一室みたいにお洒落。白いテーブルクロスのまん中には、キャンドル。ゆらゆらと、炎が揺れています。
PS、「王女 マルガリータ」 連作の絵。
何年か前、天王寺の私立美術館にきて、
友人と、観に行きました。
かしこくて、冷静そうな少女。似てますね。
こんな幸せな夏のバカンスが、あってもいいですね。この時期、日の入りが遅く、3人は存分に過ぎていく時間を楽しんでいますね。
お父さんのアレクセイは甘い、甘~い、父親。何でも、言う事を聞いてくれます。
「この六日間は、ミーナの為の旅だよ。 何処でも、行きたい所を言いなさい。」
「シューベルトが ″菩提樹 ″ を作ったウィーンの森。
ハイドンの家
ザッハトルテも食べたい。」
「よし!
早めに、夕食を取って、
ウィーンの森、ハイドンの家、最後がザッハトルテだ。
ユリウス、用意をしてくれ。」
妻、ユリウスはアレクセイを深く愛しています。 夫の言いなりです。
そして、娘のミーナ、そんな両親が大好き。
言い付けを守る、良い子です。
だから、ミハイロフ一家はとても幸せな家族なのでした。
最初に訪れたウィーンの森、 ″シューベルトの菩提樹 ″ は、小さなカフェの前にそびえていました。
ずっしりと大きく、何年も、何年も、暑さにも寒さにも負けずに育っていく木!
ミーナは、シューベルトの気持ちになり、歌 『菩提樹』を歌います。
♪泉 に沿いて 繁る菩提樹
慕いて 行きては 美し夢見つ
幹には 彫りぬ 愛のことば
うれし悲しに 訪いし そのかげ♪
しばらく、菩提樹を眺めていた三人、こんな風にたくましく生きていこうと、思いました。
次に訪れた、ハイドンの家。
賑やかな街中にありました。
″ 交響曲の父 ″ と、呼ばれたハイドン、
彼がおじいさんになった頃、ウィーンはフランスの攻撃を受けました。
おじいさんハイドンは、街が燃えている風景を見ながら、心を痛ませました。
″ 人は何故争うのか? 音楽で何か力になれないか ″ハイドンはそう、思いながら、作曲しました。
そんなハイドンの元へ、フランスの士官が訪ねてきます。 彼はハイドンを敬愛していました。 その士官はハイドンのメロディーに合わせ歌い始めます。
敵も味方もない、心を一つに出来た時でした。
音感を愛する気持ちは誰にでも宿っている。
ハイドンは、涙を流して喜びました。
ハイドンが亡くなる、数日前の出来事!
ミーナはこのお話が大好きです。
ハイドンの家はそんな彼の平和を愛する気持ちがたっぷり詰まった、そんな感じのする家でした。
ハイドンの家をゆっくりと、見学したミハイロフ一家三人、ちょうど、お腹が空いてきました。 最後の目的は、ザッハトルテ。
アレクセイは、 「なんか、ぴったりだな。歩き疲れて、甘いものが食べたいと、思っていた。」
どこが良いか、ウィーンの街を散策します。
一人娘のミーナは、この8月16日に8歳の誕生日を迎えます。
ミーナは賢い子、通っている女学園で一番の成績となりました。
その、ご褒美として、ダーヴィトおじさんは、ミーナがずっと聴きたいと思っていた、″天使の歌声 ″ の ウィーン少年合唱団のコンサートチケットを3枚贈ってきてくれました。
コンサートの日は、8月16日!まさに、ミーナのお誕生日でした。
オーストリア ウィーンへの到着は8月10日でした。
その後、家族でゆっくりと観光して、お誕生日の日にコンサートへ出掛ける。という、予定だったのですが、これが とんでもない、ミーナの冒険旅行と、なってしまったのでした。