Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

弟か…

2016-02-20 20:13:56 | つぶやき

 以前もブログに書いたことのあるテーマ…「ベルばら外伝 ジャルジェ将軍の息子あらわる!?」の中で、オスカルが呟く「弟か…」。時折思い出しては、この時のオスカルの気持ちをあれこれ考えてしまう。

 ジャルジェ夫人の誕生日に、突如現れた「将軍の息子」と名のるみなし子モーリス。母親が亡くなる直前「ジャルジェ家に行って、引き取ってもらいなさい。」と言い残した。その言葉に従って、たった一人で屋敷にやってきた。疲れてオスカルの膝の上で、子猫のように眠るモーリス。異母兄弟かもしれない幼い少年に複雑な感情を持ちながらも、温かく見守るオスカル。

 外でル・ルーと楽しそうに遊ぶモーリスを見つめながら、オスカルは言う。「弟か… もしあの少年が本当に私の弟だったら… 私の人生は全く別のものになるのだろう……」

 アンドレは、(夫人には申し訳ないけれど)モーリス少年がオスカルの弟であればいいと願っており、それをサラッと呟く。あくまでも軽く。アンドレの本音発言を聞きオスカルが何か問い返そうとすると、すぐに「おっと…!」と言って話題をそらす。短い文に、アンドレの強い気持ちが込められている。アンドレはできることなら、命をかけて生きる(男社会の)軍隊に、常に緊張感を強いられ、いざとなれば戦場に駆り出される場に、オスカルを置いておきたくない。もっと穏やかな場所で生きてほしいと願っている。

 オスカルは言う…「弟だったら もう私はこの軍服を着続ける必要はないのだ……」と。

 この外伝のストーリーは、読むたびにあれこれ考えてしまう。アンドレがオスカルに静かで平和な場所で(普通の女性として?)生きてほしいと願うのもありだけれど、その一方でオスカルが幼いころから厳しく軍人として生きることを叩きこまれ、クールなようでいて心の中は常に熱く激しく燃え、馬上ゆたかに指揮を執るその凛々しい姿を、オスカルの女らしさと同じくらい愛していたのではないかと。しかしもうオスカルは軍人として十分すぎるほど自分を犠牲にしてきたから、そろそろ個人の幸せを追求してもいいのだと思っての発言なのかもしれない。

 モーリスが実の弟なら、オスカルは5~10年かけて彼を軍人として、かつて自分が父から受けたように厳しく訓練し、最終的に彼に父親のあとを継いでもらう。そのころオスカルは40歳を超えているだろうから、第2の人生を歩むのもありかもしれない。(革命がなかった場合です。)

 いや、やはりオスカルはその生涯を軍人としてまっとうするのが、一番合っているようにも思える。オスカル自身は、軍人をやめた自分をどう想像していただろう?とりとめのないことを考え、堂々巡りしている自分。

 まとまらない文章を読んでくださり、ありがとうございます。



4 コメント

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こんばんは (marine)
2016-02-21 22:46:39
りら様こんばんは。
りら様は花粉症などはないでしょうか?
私は、立派に花粉症(発症して数年間は認めませんでしたが)で、今日はかなり反応してました。サプリメントではもう無理なので、薬に切り替えました(>_
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marineさま (りら)
2016-02-21 23:30:50
 コメントをありがとうございます。

 巷ではそろそろ春の花粉症を訴える人が出てきました。私は二十歳くらいから秋に症状が出ます。ブタクサかイネ科の植物に反応しているらしいです。一時、耳鼻科で処方してもらった薬を飲んでいましたが、年々体が薬に順応していき、さらに強い薬でないと効かなくなったので、副作用も考えここ数年、薬に頼るのはやめ、ひたすら時期が過ぎるのを待っています。
 ですのでmarineさまの苦しみ、よくわかります。服薬によって、少しでも快適に日常生活を過ごせるなら、そのほうが絶対にいいです。本当に花粉症はやっかいです。しかも一生付き合わなければなりません。marineさまが少しでも気持ちよく春を過ごせるよう、願っています。
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あらら (marine)
2016-02-21 23:57:51
何故でしょう、コメントが途中で終わってしまっていました。
花粉症だけの話題のみで終わっていました。りら様は秋の花粉症なのですね。
長期で服薬するのも、気になります。

以下、もう一度書かせていただきます。
たまにこのテーマ、考えます。オスカルがもし軍人以外だったら。
アンドレは本編では、「女の身でなぜこうまで…」と体を案じてはいますが、やはり軍人以外のオスカルをあそこまで愛するようにはならなかったんじゃないかなぁと思います。自分の性と、仕事とに苦悩しながらも目的と進む道を見つけ邁進していくオスカルであればこそ、愛していたのではないかと。
それに、モーリスが息子だったとしても、すぐにオスカルを女性に戻すのも、本当に人形のようで、翻弄されてしまいオスカルがかわいそうですし。

それと、今日のゲランの香水の記事、香水はほとんど今はつけないのですが、瓶が素敵だし、海外に行った記念に買ったりして、幾つかは持ってるのですが、王妃の香水、素敵だなぁと思って読んでたら…お、お値段が、立派すぎました(>_
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marineさま (りら)
2016-02-22 23:07:35
 コメントをありがとうございます。

 今日も花粉症の症状で、すっきりしない日だったでしょうか?お風呂に入っている時が、一番鼻が清々しますよね。

>やはり軍人以外のオスカルをあそこまで愛するようにはならなかったんじゃないかなぁと思います

 私も同じ想いです。オスカルが特異な育ちゆえ閉ざしていた女性性を、アンドレが20年近くかけて、「愛」で矯正していったようにも思えます。普通の女性として生きていなくても、十分魅力があったから、ジェローデルやアランも彼女に想いを寄せた。

 オスカルが軍服を脱いで生きていこうとする…親や周囲が決めるのではなく、あくまでも本人の意思であれば、それはそれでいいと思います。

>王妃の香水、素敵だなぁと思って読んでたら…お、お値段が、立派すぎました(>_

 お値段にゼロが1つなければ、頑張って買ったかも?などと思ってしまいました。当時プチ・トリアノンは、ジャスミンの香りが漂っていたのですね。フェルゼンが訪れるときは、彼の好きな香りを選んで、つけていたでしょう。

 今日の「あさが来た」、久々に五代さんが登場しましたね。史実どおりでなくていいから、五代さんは、生かしておいてほしかったです。
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