Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

べルばら新作エピソード8 前編 (1)

2016-10-20 23:11:28 | つぶやき

 本日発売のマーガレット22号には、「ベルばら新作エピソード8 マリー・アントワネット編 前編」37ページが掲載されている。

 夕方5時過ぎに書店に行ったら、マーガレットは2冊しか残っていなかった。高く平積みされた他の少女マンガ雑誌に囲まれ、マーガレットだけが盆地のように低くなっている。今回の新作エピは、事前PRがそれほど大掛かりではなかったように感じていたのだが、ちゃんと発売日を覚えていたファンがいたということだろうか?

↓  ブレゲの懐中時計を手にするアントワネット。池田先生、今回はマーガレットの表紙絵を描く時間はなかったのかな?

↓  時計部分を拡大すると…

↓  彼女が持っていたのは、こんなタイプの時計だったろうか?

 まだ十分に読み込んでいないので、ちゃんとした感想が書けない。後編を読んでから…とも思ったけれど、ざっくりと感じたことを…。前回の「オスカル編」が個人的に「う~ん。」だったので、正直今回のエピソードはそれほど期待していなかったのだけれど、実際に読んでみるとなかなか面白い。途中のページに「この物語は史実を基にしたフィクションです。実在の人物・団体・製品とは異なる個所があります。」との注がある。池田先生の歴史漫画の醍醐味は、史実という縦糸にイマジネーションの横糸を織り込み、違和感なく見事な作品を生み出すことにある。ブレゲがジャルジェ家にも出入りしており、その姿をオスカルとアンドレも目撃しているなど、なるほどなぁと唸ってしまった。長い髪をリボンで結び、まだ失明していないアンドレが、オスカルをしっかりサポートする姿が頼もしい。オスカルは45年前の原作のイメージを壊すことなく、信念を貫いて生きた姿が描かれていて嬉しかった。(後編はもう、この二人は登場しないだろうな。)

 ブレゲその人については、知らないことが多かった。当時のセレブ達から多くの注文を受けながらも、貧しい人々に気持ちを向けていたことや、マラーと親交があったのが驚きだった。エピソードにも描いてあるとおり、彼はお金やアントワネット個人のために時計作りに励んでいたのではなく、時計技士(技師?)の名誉にかけて、後世に残る時計を完成させたかったのだろう。

 アントワネットは人の命ははかなく、永遠に生きることはできないから、せめて自分が生きた証としていつまでも遺る時計をこの世に置いていこうとする。この時彼女は既に国民が自分に敵意を抱いていることを知っており、この先の人生がそれほど長くないことを予感している。そんな彼女がブレゲの時計に想いを託す。

 物語は革命後とある場所で、人目を避けるようにひっそりと暮らすジャルジェ将軍のもとに、アントワネットの遺品を届けにロザリーがやってくるところから始まる。フェルゼン伯宛ての遺品は、彼の家の紋章が彫られた指輪だろうか?この指輪は現存するのだろうか?そして前編の最後は、コンシェルジェリ牢獄でアントワネットの世話をするロザリーが、革命委員会からの伝言を彼女に伝える場面で終わっている。「何か差し入れてほしいものはないか?」と。王妃は答える。「下着を少しと、細々としたものを入れる箱…あとひとつ…ブレゲの時計を。」いったいロザリーはどうやって高価なブレゲの時計を調達するのだろう?後編が楽しみである。

 うまくまとまらない文を読んでくださり、どうもありがとうございます。



10 コメント

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りら様 (marine)
2016-10-20 23:44:57
こんばんは。
早速の記事のUPありがとうございます。
私もオスカル編が、少々がっかりだったので、買おうかどうしようか悩んでたんですが、これは面白そうですね。でもまだ悩んでますが。
ジャルジェ家にブレゲが出入りしてたとか、ブレゲの人となりとか、革命後のジャルジェ将軍とか、りら様の記事を読んでるだけでソワソワしちゃいます。

ところで、アントワネット展ですが、何やら仮装&貸し切りナイトというイベントがあるようですね。お土産貰えたり、ダイヤのティアラ付けて写真撮れたりと、楽しそうなんですが、私は最速チケットもう買ってるし(買ってなくても)参加する勇気はないんですが(^^;)、りら様、いかがでしょう。
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marineさま (りら)
2016-10-20 23:59:09
 コメントをありがとうございます。
 
 1回目、ざっと読んだ時「うん、今回のエピはなかなか良さそう。」と感じました。(何だか偉そうですが)オスカルとアンドレは登場しないだろうと思っていたので(それほど出番は多くありませんが)2人が出ていて嬉しかったです。ジャルジェ将軍が結婚45周年のお祝いに、夫人にブレゲの時計をプレゼントする設定もなかなか洒落ています。

>何やら仮装&貸し切りナイトというイベントがあるようですね

 このイベントは平日の夜でしたね。仕事があるので行けません。仮装というのも恥ずかしいです。ただ貸切で見学できる点には惹かれます。主催者はいろんなイベントを思いつきますね。
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時計 (伽羅)
2016-10-21 09:07:06
おはようございます
発売されたんですね マーガレット

いつまでも残るもの・・・思いをこめたものが残るのは、残した人の思いを知るための手がかりになるのでしょうか

・・・・・でも思わずに遺してしまった(残ってしまった)ものは・・・戸惑うものもあります
父が遺していったものを整理しながら考えていました
現役のころは化学を教えていた父・・・ 自宅にもややこしいものを色々と置いていて、 すんなり捨てていいものやら・・・悩みます
でも昨日 見つけました 引き出しの奥に懐中時計
裏蓋がパカッと開いて LONGINES と書いてあって 文字盤はローマ数字
もちろん動きませんが・・・これもまた「動くようになりますよ」と言ってもらえるかな
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Unknown (たぷたぷ)
2016-10-21 22:48:46
私も、オスカル編は少々ガッカリでした。
何だか本編の焼き直しみたいなシーンが多くて、
「先生、手を抜いた?」って思っちゃって…

今回も、どうかなあと思いながら購入して読みましたが、
ずいぶん楽しく読めましたよ。

次回も楽しみにしています。



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伽羅さま (りら)
2016-10-21 23:01:24
 コメントをありがとうございます。

>でも思わずに遺してしまった(残ってしまった)ものは・・・戸惑うものもあります

 そうですね。一口に「断捨離」と言っても、思い切り良く処分できないものもあります。ある程度の年齢に達したら、元気なうちに身辺整理を少しでも済ませておく方がいいのでしょう。

>でも昨日 見つけました 引き出しの奥に懐中時計 裏蓋がパカッと開いてLONGINESと書いてあって

 本当に良い物を買うために、清水の舞台から飛び降りるつもりで手に入れたのではないでしょうか?時計屋さんが再び命を吹き込んでくれたらいいですね。
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たぷたぷさま (りら)
2016-10-21 23:12:28
 コメントをありがとうございます。

 前回の「オスカル編」は、単行本に収録されても、たぶん買わないと思います。オスカルがオスカルでなかった。ですから今回もあまり期待していなかったのですが、原作の空気を大きく壊すことなく、ストーリーが展開していくので後編が楽しみです。今年は「アントワネットの年」。彼女は今もなお、多くの人の関心を集めていますね。
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りらさま、こんばんは。 (まい)
2016-10-22 01:31:41
今日は仕事が遅番だったので先ほど夜中12時過ぎに帰宅して 帰宅途中に11時まで開いている書店で求めたマーガレットの新作エピソードを読みました。皆様同様、前回が期待外れでしたので購入する気にはなれなかったのですが、りらさまの感想を伺って購入し(←他力本願で申し訳ありません!) なかなか面白いですし続きが気になってきました。

記事と関係ないことなのですが…
ベルばら原作が読みたい…という御近所の高校1年のお嬢さんに(薔薇の表紙の)集英社文庫版五冊をお貸ししたところ、感想を綴った手紙をくださり 「想像もしなかった展開にドキドキワクワクし楽しかったです。特にオスカルが最期まで凛々しくてアンドレと2人して亡くなってしまうのが残念ですがそれもまたベルばらの良いところなのですね、オスカルはカッコ良いですが乙女な部分もちゃんとあり一層好きになりました!ルルーが最後にしか出てこないのは残念。頭が良くて おませで可愛いので。」というような大体の内容ですが、(更に私が感激したのは)オスカルとルルーの大変に上手なイラストが便箋に大きく描かれており本当に原作の絵そのものでした。
聞けば 小さい頃から模写が得意だったとかで。
うちには完全版もあることだし その高1のお嬢さんにも大人になってからも いつまでも読み返して欲しいなと考えて…素敵なイラスト入りの感想文の御礼として昨日 文庫版五冊全てを差し上げました。飛び上がって喜んでいらっしゃいましたね。
今テスト期間中で世界史でフランス革命のことが出題されたとのこと。
世代を超えて読み継がれていく名作ですよね!


私も、ドラマ「戦争と平和」を観ています。前回の舞踏会シーンは、フェルゼンとオスカルのダンスシーンを思い起こし胸がキュンとしてしまいました(*´∀`*)
現実は色々大変なことだらけですが ベルばらの世界は ひとときの安らぎを与えてくれているようです。
アントワネット展、いよいよ開催が近づいてまいりましたね。来月22日に仕事を休みにして行く予定です。楽しみです!
いつも素敵な記事をありがとうございます!
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Unknown (オスカー)
2016-10-22 20:31:04
こんばんは。
なかなか大きな書店に行けず、実物(笑)を見ていない私ですが、皆様のコメントも含めてとてもワクワクドキドキしています。そうか、そういう展開なのか……と妄想モード突入です(笑) 本当に歳を重ねるごとにこの作品に出会えたことがどんなに素晴らしいことかを実感しています。同じような気持ちの方々がこのブログにも早く出会えますようにと願っています。
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まいさま (りら)
2016-10-22 23:55:56
 コメントをありがとうございます。

 以前ほど新作エピソード発表に期待を持てぬまま、購入した今回のマーガレット。けれどブレゲの時計の話は面白かったです。キャラ達が、原作と大きくずれていないのも嬉しい。(「オスカル編」は、もはやオスカルが原作のオスカルではありませんでしたから。)11月5日の後編発売を、楽しみに待ちます。

 平成生まれの若者が「ベルばら」を愛してくれる…嬉しいですね。新作エピが掲載されるたびに「マーガレット」を買い、イマドキの漫画もチラッと読みます。何だかこじんまりしていて、題材も日常を切り取った感じで、今は壮大なスケールでストーリーを構成できる漫画家さんがいないのだなあとさびしくなります。画風はどれも似たような感じだし。

 ばらの表紙の集英社の5冊セットの文庫本は、私も持っています。素敵な模写をプレゼントしてくれて、そのお嬢さま、本当に「ベルばら」を好きになってくれたようですね。現在高1とのこと。この先40代・50代になって再読した時、10代の頃とは違った捉え方をするようになるのでしょうね。ル・ルーがお好きなら、「ジャムばら」とか「新作エピソード アラン編」も勧めないと!

 まいさまも「戦争と平和」をご覧になっていらっしゃいますか!嬉しいです。明日はどういう展開になるでしょう?そして「アントワネット展」に行く日を決めたのですね。来週水曜日開幕。オープン当初は込むかなあ?でもあまり寒くなってから行くのもなあとあれこれ考えているところです。

 まいさま、最近も福祉施設でボランティア活動をお続けでしょうか?これからクリスマスシーズンに向け、何かイベントをなさいますか?寒い時期に向かいますので、どうかお体を大切にしてくださいね。
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オスカーさま (りら)
2016-10-23 00:07:41
 コメントをありがとうござます。

 もうマーガレットは手に入りましたか?これまで新作エピを読むたび「もはや原作者でさえ、45年前の作品を越えるものは描けないのだ。」と思っていました。と同時に「60代後半になっても、止まることなく創作活動を続けるのは並大抵なことではない。」とも感じています。45年前、池田先生には創作の神さまが降臨していたのでしょうね。若さと情熱と勢いで、毎週連載をやり遂げ、今も色褪せない作品を完成させた。「ベルばら」に出会えて。本当に良かったと思っています。
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