週めくりカレンダーにオスカルまたはアンドレ、あるいは二人が登場する週は気分が高揚する。「ベルばら」には素敵なイラストがたくさんあるけれど、今週の寄り添う二人は大好きな一枚。
あまたあるイラストの中でも、どちらかというとオスカルとアンドレが一緒に描かれているものが昔から好きだった。今週のイラストはもちろん、例えば次のイラストもお気に入り。
アンドレの肩に、安堵しきった表情でそっと頭を傾げるオスカル。週めくりカレンダーの絵もそうだけれど、そこには軍人の顔はまったくなく、愛する人に全幅の信頼を寄せ、とても穏やかなまなざしを浮かべている。そんなオスカルを温かな空気で包み込むアンドレがたまらない。二人がこんな表情を見せるまでには、長い年月そして苦悩の日々があった。アンドレはまさか自分の胸に、オスカルが飛び込んでくる日が来るとは期待していなかっただろう。彼女がどこか他の男のもとへ行ってしまわなければいい。自分はただオスカルのそばにいられるだけでいい---そんな想いで過ごしてきた年月。それがようやく想いが通じ合い、幼馴染から恋人同士となる。二人でこうして過ごすひとときだけは、しばし革命の足音を忘れることができただろう。
この表紙絵もずっと好きだった。この世での務めを見事に果たし終えたオスカルを、先に天に召されていたアンドレが迎えに来て、二人揃って神の国へ昇っていく。もはや二人を妨げるものは何もない。アンドレの左目は再び見開かれ、彼を苦しめた身分の差から解放される。オスカルは健康な体を取り戻し、これから先はずっといつも二人一緒に幸せに暮らしていく。緑・薄紫・ブロンド---三色のハーモニーが甘すぎず、大人っぽくて大好き。
そして今週のイラストには、オスカルの言った「アンドレ---もう---どこへも嫁がないぞ---一生」が入っている。この言葉を聞いた時、アンドレはどれほど嬉しかったことか!オスカルの心は長い間、フェルゼンに向けられていた。そして次はジェローデルとの縁談。フェルゼンもジェローデルも貴族。こればかりはアンドレがどんなに逆立ちしても、相手と同じ土俵に立てない致命的な違い。アンドレには何の罪もないのに、身分差は彼をずっと苦しめ続けた。だからこそオスカルがどこへも嫁がないと宣言した時、これからもずっと自分はオスカルのそばにいられるとわかり、嬉し涙を流す。もう彼女が他の男性のもとへ行ってしまう心配はない。ずっと幼馴染のままかもしれないが、それでもいい、一緒にいられれば---。そしてこのころから、アンドレはぐんぐんと包容力を増していった気がする。
「ベルばら」ファンの方々は、皆それぞれ「これが私のお気に入り!」と言えるイラストがあるはず。今も毎日、それらのイラストを眺めては、心を癒している人も多いのでは?
読んでくださり、ありがとうございます。
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