明治時代に製造された貨幣「貿易銀」で、採用されなかった幻の試作図案が造幣局(大阪市北区)に所蔵されていたことが2日、分かった。実際に使用された図柄とは大きく異なり、近代貨幣の歴史をひもとく上で貴重な資料となりそうだ。
造幣局によると、試作図案が掲載されていたのは「加納夏雄 貨幣図案帳」で、縦約45センチ、横約54センチ。試作図案は江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した金工師加納夏雄(1828~98年)が描いた。
試作図案は表は上部に天皇を意味する竜、中央に「TRADE DOLLAR」と横書きされ、下部には「大日本明治七年」とあった。