フォード、自動運転部門を独立 4400億円を投資
米フォード・モーターは24日、2021年の完全自動運転車の量産化に向け、自動運転技術部門を新会社として独立させたと発表した。23年までに自動運転分野に総額40億ドル(約4400億円)を投じ、実用化の取り組みで先行する米ゼネラル・モーターズ(GM)や米グーグル系の自動運転開発会社ウェイモなどを追い上げる。
新会社の社名は「フォード・オートノーマス・ビークルズ」。当初はデトロイトに拠点を置き、シリコンバレーの研究拠点の従業員の一部を含む約400人の自動運転技術の開発者が新会社に移る。新会社はフォードが出資する自動運転ベンチャーのアルゴAIが抱える約300人の開発者とも連携する。
新会社は自動運転技術の開発のほか、自動運転車を使った交通サービスの事業化などを担う。フォードは既に発表済みのアルゴAIへの10億ドルの投資に加え、23年までに自動運転分野に30億ドルを投じる方針だ。新会社は将来的には外部企業の資本を受け入れることも検討するという。
自動運転技術の開発をリードするグーグル系のウェイモは18年内に米国で自動運転車を使った交通サービスを始めると表明している。GMもライドシェア分野で存在感を高める運用額10兆円規模のソフトバンク・ビジョン・ファンドと組み、19年の自動運転技術の商用化を目指している。
フォードは16年8月、21年までにハンドルやアクセルのない完全自動運転車の量産を始めると発表した。ライバルよりも実用化の時期は遅くなる見通しだが、フロリダ州では宅配サービス分野への応用を探る実証実験に取り組むなど自動運転技術の用途開拓に力を入れている。