2013年2月3日 NHK総合21:00放送
フォトジャーナリズムの歴史的傑作
「崩れ落ちる兵士」
銃弾に打ち抜かれた兵士の死の瞬間を捉えたと伝えられ
当時無名の戦場カメラマン「ロバート・キャパ」を時代の人気者へと押し上げた写真
作家沢木耕太郎が写真の真偽を追い
現地取材・最新のCGで検証
得た結論は「兵士は撃たれたのでは無く、また死んでもいない」
…検証はそれで終わるはずだった
しかし
残された写真をさらに検証することによって解き明かされた
さらに深く重い真実
それはキャパこと【アンドレ・フリードマン】を
戦場に駆り立てることを決定つけるものだった…
番組の結論からいえば
「崩れ落ちる兵士」を撮影したのはキャパ
…ではなく彼の恋人であり写真が世に出る直前に
戦死したゲルダ・タロー※1では?※2
また
「崩れ落ちる兵士」が有名になった影に
当時の世情(=「反ファシズム」)
とりわけ
ユダヤ人社会であるアメリカの存在なくして
「崩れ落ちる兵士」が有名になることは無かったという点
このドキュメンタリー
当初の目標は「この写真はどうやって撮影したのか?」とか
「この写真の兵士は本当に死んでるのか?」といった真贋論争を検証する
(やや薄っぺらい印象の)ドキュメンタリーだったのだが
途中から「この写真は本当にキャパ=フリードマンが撮影したのか?」に
検証目的がすり替わる
このちょっとあり得ない展開が印象的
(だからタイトルが「戦場写真・最大の謎」なのかも)
結果的にそっちの検証の方が面白く
またキャパの生き方や背負った業が浮き彫りになったワケで
違った意味でもドキュメンタリーとして面白かった
※1キャパ同様ゲルダも本名ではない
本名はゲルダ・ポホイル
”タロー”は当時彼女と
親交のあった岡本太郎から取ったという
※2当初は「ロバート・キャパ」=アンドレ・フリードマンではなく
フリードマン&ゲルダ=「ロバート・キャパ」だったと解釈すれば
「崩れ落ちる兵士」ロバート・キャパ撮影で間違いはない