9月22日と23日に開催された京都鞍馬口すぐのSocial Kitchenでの『Creative Music Festival 2024 ~ことばによって音楽をつくるには~』は、初日は広島大学准教授の寺内大輔(てらうち だいすけ)さんによる、普通の楽譜に書かれた演奏方法を指示する言葉からはじまって、ジョン ケージを含むフルクサス(20世紀の芸術運動)の作家の作品を経て、近年の楽譜の紹介がありました。
これが楽譜といえるのか?な作品群の紹介はとても刺激的で、George Brechtのフルートソロ(1962)は、「組み立てます。バラします」だけが書かれている楽譜の作品は実際に演奏?も聴かせて(見させて)もらいました。他には松平敬の「心の中で歌う」(2020)の実演もあり、その際、このイベントの主宰でファシリテーターの若尾裕先生が「John Cageの「4'33"」を心で歌うのはどうですか?」の問いにはびっくりし、無音を心でハミングできるのか???という驚きも、自分の中の音楽の枠組みを揺るがす問いでした。
また京都から国際的に活躍するギタリストで作曲家の橋爪皓佐(はしづめ こうすけ)さんによるルールをシステム化した作曲の解説は難解でしたが、決め事を持った構造を組み立てて音楽を作曲し演奏するプロセスの講座は秋紀にとって理解までは遠いものであるものの、作曲からコンサート企画までのプロセスを経て音楽を公開する力にパワーをいただきました。
翌日は実際に言葉を使った楽譜を作って演奏するワークショップになっていて、参加者の皆さまの作る音楽(?)が身体表現を伴っていることが多いのに気がつきました。言葉で物語を作りながらそれを演劇のようにパフォーミングしてみせる、そこから言葉は身体ととても密接に関わっている様子が見てとれました。
秋紀は数人のプレーヤーが円になって、古い文庫本の中から1ページずつ破き、その中の1センテンスをランダムに選び、主語を「私」や架空の名前に変えて、順に読み上げる作品を作りました。ランダムに選んだページで物語は分断され、1ページの中から任意に選んだセンテンスを一つ読むことで文脈は絶たれますが、一冊の本に絞り込まれているので音楽の世界観が統一されつつ、新たな物語が生まれることから、これも音楽と言えるのではないかと考えました。
演奏を聴いてくださった皆さまが演奏の物語の文章がおもしろく再構成されて笑ってもらえたり、呪文のような感じがしたなど、楽しんでもらえたようです。
そして会期中のご飯がとってもおいしかった!!! 作ってくださった和香(精進料理 和香)さんありがとうございます。
毎年開催されるこのCreative Music Festival、興味ある方は来年ぜひ一緒に参加しましょう!
all photo by Keruko