最近よく本を読んでいる。
以前からも本は大好きで読んではいたのだが、ここ最近は精読を心がけている。
ついついなんとなく読み飛ばしてしまいそうなのを、スピードよりも自分が理解できるように辛抱強く読んでいく。
それは「死」を意識しだしてからだ。
別にことさらなにかきっかけがあって死ぬことを考えだしたというわけでもないが、自分の残りの後半生をしっかり生きなければと思うようになったのと、あとどれくらい本が読めるのだろうかと考えたからだ。
それは単純に年をとったからということでもあるし、齢93の瀬戸内寂聴さんの映像をテレビで見た時、死ぬということがいかに大事業であるかをその表情で感じたからだ。
人はなんとなく過ごしているうちに年をとり死んでいく。
自分が死ぬ時はどういう死に様なのかをリアルに想像したことはないが、それはもう想像の世界ではない。
普段からときどき自分が分離する感覚を持つことがある。
分離とは身体と心がふわりとふたつに分かれる感覚になるのだ。
そのことは今しているayami yasuyhoの仕事にも多かれ少なかれ影響している。
僕が伝えているワークショップでどう影響するのかと言えば、身体と心をひとまず分けて意識するということをする。
なんでも一緒くたに自分ができているのではなく、いろいろな要素が集まって自分ができている。
それを混乱して受け取るのではなく、ひとまず分ける。そうすると自分のトラブルに向かい合う準備ができる。
それはこんがらがった糸をひとつひとつほぐすような辛抱強い身体をつくっていくようなものだ。
生きて行く中で深刻なトラブルを抱えている方もお会いしたこともあったが、自分自身の力がないとやはり生きていけない。
今、ティム オブライエンの「本当の戦争の話をしよう」を読んでいる。
読み進めて行くと、深刻なトラブルを抱えている登場人物やその周りの人々の姿は、それは40年前のことでなく、今この日本でも同じようなリアリティがあることを感じる。
徴兵された人の物語という体裁は、今この現在を生きている人々が内包する深刻なトラブルを写している。
その戦場の中を毎日生きていく今の時代。
一文字一文字読み進みながら今日も夜がふけていきます。
明日ワークショップをやります。みなさまのお越しを心よりお待ちしております。