俺は言葉がなかった。
まるで自分と華島さんのことを貶められているようでショックだった。
それと、 オミさんは爽やかな人のはずなのに、まさかこんな人とは思わなかった。
そんな時に、
「ごめんね、メールが来たみたい 」
オミさんはスマホの画面をすごく真剣に見ると、
「カイからだったんだ 」
と言って ものすごく嬉しそうな顔をした。そして返事を打ち始めた。
そして下を向いたまま、さっきまでの生々しい話など忘れたように、
「笹本君 、今日泊まるところは決めてるの? 」
虚を突かれて、俺は一瞬黙った。
「ん? 」
オミさんが一瞬あげてくれた瞳は、でもやっぱりさわやかだった。
「いえ、ネカフェでも探そうかと思ってたんで」
「もしよかったら俺の家に泊まらない? 」
俺は 動揺してしまい何も答えられなかった。
「大丈夫だよ。襲ったりなんかしないから。僕は若い子はダメなんだ。
っていうか、 俺 、枕の時しか男の人とは寝ないんだよね 」
「枕? 」
「あれ? 聞いたことない? 枕営業ってことだよ」
「え ? こんな 爽やかな オミさんが…」
「さわやか? こんなのキャラに決まってるじゃん 」
俺には驚くことばかりだった。
「こんなこと 他の人には言わないでね。今ちょっといい子を引っ掛けてるんだ。
実家がすごい お金持ちの女の子。
お兄さん二人が会社を継ぐ予定だから、
俺は別に彼女と結婚しても田舎に来いとは言われないし。でも彼女は両親に溺愛されてるからおこずかいも多いし。」
俺は下を向く ばかりだった。
「それに今日 はカイくんが来るよ」
おもちゃがあるよ って言われてついていく 子供じゃあるまいし…
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