小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

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20.オミさんは手段で踏み台。

2023-12-25 22:46:00 | 小説
 でも、俺はオミさんについて行くことにした。

 やっぱりこれしか華島さんに会えそうな手段はないように思えたからだ…


 オミさんの愛車で連れて行かれた自宅兼事務所は新しくて広めだったが、自宅としては使いにくそうな間取りのように見えた。
 


 …狭めの応接室の黒いソファーの上で、ペットボトルのお茶を勧められながら緊張していると、オミさんもなぜか緊張したように、

「あのさぁ 笹本君…いきなりだけど、うちの会社に転職しない? 」

 俺が口をパクパクさせていると、

「住み込みで、もちろん 給料は払うし、ここに住んでていいし、食費も持つし」

 俺はただ ただ びっくりするばかりだった
 
「好きなだけ 動画 作りもできるし、YouTube の最先端もわかる。

本当はそういうところに勤めたかったんじゃないの」

 痛いところを突かれた。


ちょっとぐらい ブラックでも、いや ブラックでもこういう仕事の方がいい。

 俺には嬉しい条件だった。

 
 ただ、オミさんとは 華島さんを取り合った中なのだ。

 いや正確には取り合ったというのでもない、

 俺はただの一夜の関係。

 それに引き換え、オミさんは華島さんにに愛されていたのだ。
 オミさんの気持ちはどうだったのかわからないけれど。

 でも男同士は知らないけど、元彼と別れた後も友達同士として付き合いがあるというのはよく聞く話だし…

 それを狙って、俺はできる限りオミさんのそばにいようと思った。

 でもちょっと黙ってしまっていると、オミさんは、

「笹本君も、リスナーとして感づいていると思うけど

〈礼霊ず〉は 今、正念場なんだよね。でも圧倒的に人が足りない。

動画の技術とか知識とか持ってる人はすぐ欲しい。できればお願いできないかな…」

それから 何事でもないようにオミさんは、

「そういえば 笹本君って 霊感はあるの? 」

「…すみません、ないんです…」





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