PiDP-11と仮想TU-56磁気テープ装置です。オンラインにしてアクセスするとクルクル回わります。データの読み書きもできます。こういうギミックがあると、なにかと楽しいです。スコッチの磁気テープがとても懐かしいです。高校生の頃、ここぞという時は奮発して、スコッチのテープで、FM放送を録音しておりました。カセットテープデッキなどはなかった時代です。
Youtubeで動画公開しました。
実際、これらの機器は、19インチ標準ラックにマウントされていました。こんな感じ。ドン。
我が家に19インチ(約50cm)幅で、高さ6フィート(1.8m)のラックなんか持ち込んだら、天の声の雷が落ちることになりそうですが、PiDP−11は、PDPー11の60%の大きさに縮小されています。したがって、机の上に置いて操作できるぐらいの大きさになります。実はこれ、本物よりも操作性は上じゃないかと思いました。
前振りは、このぐらいにして、 PiDP−11のシステム構成についてお話すると、PiDP−11は、ラズベリーパイという、シングルボードコンピュータの上に構成されています。ラズベリーパイは、キットに含まれていないので、電源と一緒に、調達する必要があります。 推奨は、3B+というモデルで、ラスベリーパイOS(32ビット版)をインストールして、PiDP−11基板上のコネクタに差し込めばOKです。その後、 マニアルの通り必要なシステムをインストールすれば出来上がりです。マニュアルの所在は
(https://www3.ispnet.net/pidp11/PiDP11%20Manual%20v0.2.odt)
マニアルには、コンソールパネルを持っていなくても、使える旨が書かれていますから、すでに、ラズベリーパイを持っている人は、追加投資なしで試すことができます。
まず、 pi という sudo できるユーザを作ってから、
sudo mkdir /opt/pidp11
cd /opt/pidp11
sudo wget http://pidp.net/pidp11/pidp11.tar.gz
sudo gzip -d pidp11.tar.gzsudo tar -xvf pidp11.tar
sudo /opt/pidp11/install/install.sh
これだけで、全てがインストールされます。
PiDP-11 の動く仕組みは、基本的には simhというシステムとサーバ、クライアントの関係で、コンソールパネルを動かすように設計されています。サーバがコンソールパネル側、クライアントは、 simh です。
simhとは、歴史的に価値があると考えられる過去のコンピュータを現在のコンピュータ上で、シミュレートして、再現するプロジェクトです。IBM、インテル、そしてDigital Equipmet Corporation(DEC)などのCPUをシュミレートするソースコードを配布しています。また、これらのシュミレータそのものをsimhと呼んでいます。
DECは、PDPー11を製造、販売していた会社で、日本にも、支社がありました。一時は、規模では、IBMに次ぐ、世界第二位のコンピュータ製造会社でしたが、マイクロプロセッサの発展とともに、UNIXワークステーションに対して、速度と価格で優位性がなくなり、コンパック、さらに、HPに吸収合併されて、消滅してしまいました。
しかし、DEC のPDPー11の設計思想はその後のコンピュータにも影響を与え、大学でのコンピュータサイエンスの授業でも、お手本として永らく講義されていました。
PiDPのソフト一式には、コンパイル済みの実行ファイル、 simh のクライアントなどの必要なもの一切が含まれているので、たとえ、コンソールパネルを持っていなくても、PiDP−11をラズベリーパイで走らせることができます。(つづく)
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