「ふるさと」というタイトルの曲・・・・といっても、唱歌の「♪うさぎ追いし~」の「ふるさと」ではない。
ここで取り上げるのは、吉田拓郎さんの「ふるさと」という曲である。
発表されたのは、拓郎さんが若かりし頃。
アルバムでは「人間なんて」に入っており、アルバム内での配置は、一番最後だった。
私が知ってる限り、この曲は、このアルバムでのバージョンしか私は聴いたことがない。
ライブで披露したこと、あるのだろうか。
ラジオやテレビでも、この曲が流されているのは聴いたことがない。
アルバム「人間なんて」は、あの「結婚しようよ」や「どうしてこんなに悲しいんだろう」という名曲が収録されており、この「ふるさと」は、今となってはアルバムの中に埋もれている感がある。
「結婚しようよ」「どうしてこんなに悲しいんだろう」という拓郎さんの代表曲の影に隠れてしまってる感がある。
だからこそ、ここで取り上げたい。
この曲、初めて聴いた時から大好きだった。
最近あらためてこの曲を聴いてみたのだが、東日本大震災の後の今の日本に住む日本人には、ピッタリの曲だと思った。
震災後、震災から生まれた曲というのが多数登場したが、震災のはるか前に作られたこの曲は、まるで今の日本人のために作られたような気にさせられる。
もちろん、拓郎さんが何十年も前にこの曲を作った時、大震災のことなどは想定しないで作ったはず。
でも、時の流れで、この曲が私の中で、大きく掘り起こされた気分になっている。
曲自体は、しんみりした曲ではなく、むしろ明るい。
どっちかというと、人情系の曲にも聴こえる。そして優しい。
だからこそ、いい。
震災を味わったからこそ、この曲がけっこう心に染みる。
拓郎さんの曲の中では決して有名な曲ではないので、ご存じない方は多いかもしれない。
だからこそ。
この曲を知らない人には、聴いてもらいたい。
この曲をご存知の方には、あらためて聴いてもらいたい。
あの忌まわしい東日本大震災のあとだけに、なおさら。
日本人の心に大きな傷を与えた東日本大震災による様々な悲劇を、知ってる限りで思いだしながら、この曲を聴くと・・・
なんだか、泣けてくる。
ちょっと青臭い歌詞だけど、昔こういう気分になれた人は、いるはず。
この曲を歌ってる拓郎さんたちの明るさがまぶしい。でも、原発事故という暗雲が日本を覆いつくす今、こんな明るさを取り戻したくもなる。
この曲は、今の日本と、今の日本人のためにあるような曲にも聴こえる。
なんだか、切ない。
カバーしたくなってきた。
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