今回はベーシストにまつわるお話を一席。
自分がこれまで見て来たコンサートで、忘れられぬベーシストが二人いる。
まず一人目。それはジャコ・パストリアス。通称「ジャコパス」。
人に比べると、自慢できることが圧倒的に少ない私。
でもそんな私でも、わずかに自慢できることがある。
ジャコ・パストリアスの生ライブを見た事があるなんて、ちょっとは自慢できるのではないだろうか。
そう、今は亡き、伝説のスーパー・ベーシストだ。
私がジャコを見たのは、ウエザーリポートが来日公演をやった時だった。
結局ジャコを見たのはそれが最初で最後になってしまった。
当時、友達の影響でウエザーリポートのアルバムはたまに聴いていた。
ウエザーリポートのメンバーは基本的には、ジョー・ザヴィヌル(キーボード)、そしてウェイン・ショーター(サックス)の二人だったが、ここにジャコが加わることで、ユニットは大ブレイクした。
当時私が聴いてたのは「ヘビーウェザー」と「ミスターゴーン」という2枚のアルバムだった。
特に「ヘビーウェザー」に入っていた「バードランド」という曲は相当ヒットしたので、曲を聴けば「ああ、この曲か!」と思う方は多いかもしれない。
ライブでのジャコは、まるでローラースケートでも履いているような動きをしていた。
今思うと、あれはムーンウォークだったんだね。
後年マイケル・ジャクソンで一躍有名になったパフォーマンスだ。
だが当時、ムーンウォークなんてもんを知らなかった私は、ジャコはてっきりローラースケートでも履きながら演奏してるんじゃないかと思った。
ベースそのもののテクニックは今更私が書くまでもない。
ともかくカッコよかった。
その数年後に彼が死ぬ事になるなんて・・。
彼の死は、当時の私のバンド仲間から聞いたのだが、ショックだったなあ。
なんでも、ケンカが原因で死んでしまったということだが、それって、あまりといえばあまりだよ・・。
なんでミュージシャンがそんなことが原因で死ななきゃいけないんだ・・。
で、もう一人の「忘れられぬベーシスト」は、スタンリー・クラークだ。
私が見たのは確か、スタンリーがジェフ・ベックとコンビで来日したコンサートだった。
なにしろその存在感が凄かった。
当時、スタンリーは私のまわりで話題になっていた。
特にベースを弾いてる奴の中では、スーパースターだった。彼のアルバムは数枚聴いたが、「スクールデイズ」というアルバムの中の「人生はゲームさ」という曲には、しびれたもんだった!
ドラマチックでスリリングな展開が圧倒的な曲だった。
この当時、ベックはインタビューで「ミュージシャンに尊敬されるミュージシャンなんて、現在ではスティービーワンダーとスタンリークラークくらいのもんだ」と語っていた。それほどベックはスタンリーに惚れ込んでいたのだろう。
ベックの曲の中で「スキャッターブレイン」という曲がある。「ブロウ バイ ブロウ」という名盤のレコードA面に入っていた曲だ。
スケールを超絶スピードで弾きまくる曲なのだが、ベックとスタンリーのジョイントコンサートでは、な、なんと!
この「スキャッターブレイン」をベックのギターとスタンリーのベースはユニゾンで弾いていたのだ。同じフレーズを。もちろん同じスピードで。一糸乱れず。
ぶったまげた。
本来なら、一般的な知名度という意味では、ベックのほうが上。
そんな時は観客は普通はベックをメインに見てしまう。
だが、このライブでは、スタンリーの存在感のほうが印象的だったような気がする。
この時、このコンサートを一緒に見に行った友と話したのは・・「あれはリードギターならぬ、リード・ベースだね。スタンリーがバンドに居る場合、バンドはもう一人、サポートに徹するベーシストが必用になるかもね(笑)」ということだった。
それくらい、ベースの役を超越していた・・ということだ。なにしろ、すごかった。
まあ、ベックと並んでフロントマンを勤めるコンサートだったから、それでよかったのだろう。
幸い、スタンリーは今も元気に活躍中とのこと。
ベックと二人で、あの良い意味で曲芸のようなパフォーマンスライブをまたやってくれないかな・・とも思ったりする。
ジャコ・パストリアスとスタンリー・クラーク。
どちらも私にとっては、ライブでの姿が忘れられぬベーシストだ。
最新の画像[もっと見る]
- バンドの方向性と、オリジナル曲 1日前
- キャラデザインがリニューアルされること 5日前
- 「徹子の部屋」にジョン&ヨーコ? 1週間前
- 全ては時の中に 2週間前
- ドラクエ3リメーク版、始めました 2週間前
- 結詞(むすびことば) by 井上陽水 3週間前
- 多摩川園は、こんな遊園地だった 3週間前
- 多摩川園跡地を歩く 後編 3週間前
- 多摩川園跡地を歩く 後編 3週間前
- 多摩川園跡地を歩く 後編 3週間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます