
私にとっては、久々の帝釈天だった。
前回来た時もそうだったが、ここにいると今回もまた寅さん映画のことが頭に浮かんできた。
そのへんから御前様や源ちゃんがひょっこり現れそうな気がした。
高い位置にある鐘も、「男はつらいよ」ではよく出てきていたっけ。空をバックに鐘だけを移したシーンなんかも、映画の中ではかなり印象的で、個人的には「男はつらいよ」の世界観構成に大きく貢献していたように思う。一際高い位置にあるので、存在感は大きい。商店街を見下ろし、ある意味参拝者や参道を見守っているかのようでもある。
ちなみに帝釈天とは、仏法守護神として信仰され、四天王を従える東方の守護神でもあり、古代インド神話では戦闘好きの最強神とされていたらしい。また、大地に実りを与える太陽神ともみなされていたようだ。相当な大物である。
そんな強力な神様に守られる柴又の町は、幸せだ。
帝釈天に前回来た時の記憶は、まだ私の中に残っていた。
今回再訪して、記憶がよみがえってきて、少し懐かしい気持ちになった。
特に、渡り廊下みたいな廊下はよく覚えていたので、思わず心の中で、「そうそう、こうだった」などと思って歩いた。
前回来た時、帝釈天の彫刻は見た覚えがあった。だが、庭園の方は・・・見た覚えがない。
見たけど忘れてしまっているのか、あるいは見てないのか・・。
せっかく来たので今回は庭園の方にも行ってみることにしたのだが、そのお金で彫刻も見ることができるとのことなので、まずは彫刻を見学。
ともかく細かい彫刻がびっしりとほどこされていた。
特に、龍の彫刻は圧巻。
彫刻をひとしきり見た後、庭園の方に足をのばす。
渡り廊下には、絨毯がしいてあり、なにやら高級感。
庭園をほどよく見れるように建物が続く。歩くごとに、廊下の板が音をたてる。
室内の広さが心地よい。休息所らしき空間もある。
でも、夜1人では歩けないかもしれない。これだけ空間があって、廊下が長いと、夜などは・・自分が歩いてきた背後や、これから向かう前方が長いので、ちょっと不気味に感じるかもしれない。
ましてや、長い歴史のある建物なだけに、なおさら。
まあ、場所柄、悪い霊などはいないような気はするけどね。
なにせ、このあたり一帯を守るのは、戦いの最強神とも言われた帝釈天なのだ。
個人的には、もともと私は回廊が好きなので、ここの長い回廊は楽しかった。
なかなか日常の中では、こんな長い回廊を歩く機会はないから。
池との対比も粋。
地元の人は、この回廊とかよく来るのだろうか。
一応有料だし、地元だと案外来なかったりするのかな。
帝釈天にお参りはするにしても。
なんにせよ、大みそかや初詣の時期など、さぞかし大賑わいなんだろうな。
遠くからの観光客だけでなく、地元の人たちも来るだろうから、なおさら。
そういう時期は、きっと露店なんかも出そうな気はする。
そういや・・寅さんは、ここ帝釈天で商売をやったことは・・あるのかな?
地元だし、やってもおかしくないような気がするが、ここ数年「男はつらいよ」は私は見ていないので、ちょっと思い出せない。
昔はよく見てたが・・。
さて、帝釈天を一通り見た後、私は門を出て、次は「寅さん記念館」に向かうことにした。
門外では、相変わらず参道が賑っていた。
昭和っぽい郵便ポストが、この風情によく似合っていた。
「寅さん記念館」、そこは前回私が柴又に来た時は、まだなかった施設だ。
これはけっこう楽しみ。
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