前回の続きです。
石でできた頑丈な階段の設置によって、
誰でも出入りが簡単になった「出口」側を、
一人ゆっくりと降りていきました。
前回の画像でもわかるように、
木の根っこがダラ~ンと垂れ下がっていく中を、
10m以上は降りたのではないでしょうか。
階段自体「く」の字に曲がっていますからね。
さすがに一番下まで降りてしまうと、
陽光は奥まで届きません。
早速フラッシュライトを点灯して、
奥へと進んでみますが、
階段だけではなく、
通路に沿った手すりも設置されていましたよ。
階段と同時に整備したのでしょうね。
一応、内部の詳細な地図を持参していましたが、
手すりに沿って歩いていけば、
どれくらいの時間がかかるかわかりませんが、
比較的簡単に反対側の「入口」へ通り抜けそうでした。
通路もゴツゴツしていたわけではありませんし、
思ったより整備されているなって感じがしましたね。
一つ気になったのが、
赤色かオレンジ色に塗られたボックスが、
手すりに装着されていた点です。
最初は「消火栓」か何かかなと思っていました。
でも、こんな所に消火器設置しても、
あんまり意味がないんじゃないかな~と、
不思議に思ってましたね。
アブチラガマ自体、火の気が全くないし、
湿度も高かったような気がするのです。
その分、ヒンヤリとしていましたよ。
そのボックスには「注意書き」がありましたので、
よくよく読んでみますと、
「このボタンを押せばライトが点灯します」
というようなことが書かれてありました。
「あ~なるほど」
非常時にそのボタンを押せば、
ガマ全体を明るくすることができるって仕組みなんですね。
全長が270mもあるのですから、
緊急時には有効だと思いますよ。
勿論、自分は押しませんでしたけどね…
それからどんどん中へ入っていくと、
「便所」「倉庫」といった案内板も設置されていました。
大変わかりやすいです。
ほとんどは普通に歩けるほど天井が高いのですが、
それでも時にはかがみながらも、
持参した内部図を確かめつつ、
大体半分ぐらい進んだところで撮影したのが上記の画像です。
「病棟」と書かれていますね。
いろいろと苦労して撮影したことが、
今となって思い出されます。
自分は写真マニア、
カメラマニアではございません。
それでも実はこの当時、
一眼レフのオートフォーカスを使って撮影していました。
カメラに詳しい知り合いに聞いて、
貧乏のクセに7万円のカメラを買いましたね。
ま、当時全盛期だった「写るんです」でもよかったのですが、
どうせ撮るんだったら本格的なものがいいかなぁ~って感じ。
でも、若い人には「写るんです」って言ってもわからないかなぁ…
現在のデジカメやスマホみたいに、
片手で撮影できるような代物ではありません。
それにフラッシュライトしか照明がありません。
左手にライトを持って、
右手でカメラを構えて、
「病棟」という案内板にピントを合わせてから、
右手のみでシャッターを押す…
このような作業を何回も繰り返しました。
片手でシャッターを押すという状態ですと、
望遠レンズ付きのオートフォーカスですから、
とにかく重いんです。
いくら自動的にピントを合わせてくれても、
やっぱりその重みでブレちゃうんですよね。
特にシャッターを押す瞬間です。
デジカメやスマホみたいにその場で確かめられないし、
フィルムを現像しないとわからないから、
後になって初めて失敗したと気づくのです。
そういったわけですので、
ちゃんと撮れたのが数枚しかありません。
他に何かいい手段があったかもしれませんが、
自分はカメラマニアではありません。
その点はもうちょっと勉強しておいたほうがよかったと、
つくづく思うところでございます。
次回以降に続きます。