恣意的な引用で沖縄責任論 米ハーバード大教授の「論文」
親川志奈子さん(沖縄大学非常勤講師)
ハーバード大学ロースクールの「ミツビシ・プロフェッサー」との肩書を持つラムザイヤー氏が「慰安婦は自発的売春婦」だと主張する「論文」を出し、大問題となった。ざっと目を通したが、いわゆるネトウヨ本の英語バージョンといった体裁だった。
そしてすぐ、今度は沖縄の貧困について扱ったものがあると聞き、世界のウチナーンチュに声を掛け皆で読んだ。「日本の被差別、在日コリアン、沖縄人がいかに下層階級たるか」と書いたひどいものだった。「アメリカでは人種を巡る議論は難しいので」日本の下層階級であるマイノリティーを取り扱ったという。
例えば沖縄戦に関しては、歴史修正主義は採用せず日本兵による住民虐殺や強制集団死についても触れてあるが、その分析として「沖縄人はその恨みを忘れておらず、しかも死者を過大に主張し、日本政府から莫大(ばくだい)な補助金をせしめている」と述べ、「にも関わらず低所得で失業が多く、教育の程度が低く、離婚率が高く、婚外子が多いという社会的病理を抱える土地だ」という印象を与えていく。
日本の植民地主義について意識的に排除し、在沖米軍基地問題を矮小(わいしょう)化させた上で、沖縄の貧困問題は沖縄の社会風土や沖縄人の能力や意欲の問題であるかのように論じている。同様に被差別や在日コリアンについても恣意(しい)的に統計を引用し彼ら自身の問題故に下層階級なのだとしてある。
論文に対する批判とともに、なぜこのようなものがハーバード大学教授の「論文」として世に出たのかについて検証していきたい。
沖縄タイムスプラス 2021年2月28日 12:21
前回同様に引用させていただきました。
さて、
ラムザイヤー氏の論文について、
誰が読んでも明らかに批判的な本文でありますが、
当然のことながら批判自体に批判することはいたしません。
異議があるのならそれを堂々と掲示すべきですし、
また、世に問う行為自体を封殺することは、
決して許されないことであると自負しております。
そういうことでありますから、
ここでも個人的な見解にて、
親川志奈子氏の書いた本文を批判したいと思います。
まず、タイトルの「恣意的な引用で沖縄責任論」ですが、
今の本文こそ「恣意的」なものではないかと思っています。
なぜかというと、
冒頭で「ネトウヨ」認定がなされているからです。
ではなぜ「ネトウヨ」が「恣意的」だということになるのですが、
この件に関しては前回述べさせていただきましたので、
ここでは割愛いたします。
ご興味がある方は、
「ハーバード大学が「ネトウヨ」認定されました。
おめでとうございます! その①」をご参照なさってください。
本来の目的が「ネトウヨ」認定であり、
それ以上でも以下でもないということになると思われます。
別の言い方にすれば、
「ネトウヨ前提で沖縄論をみている」
ということになりましょうか。
そもそも、
ラムザイヤー氏の論文がここまで脚光を浴びたのは、
沖縄に対するものよりも、
「従軍慰安婦は自発的な売春である」
というような主張、あるいは主題にあります。
そして今回の場合、当の親川氏によって、
その主題が既に「ネトウヨ認定」されておりますのは、
本文を読めば誰にも理解できると思います。
ここで問題になるのは、
ネトウヨ前提で沖縄論を「語っている」のではないかといことです。
なぜ反証や反論ではなく「語っている」と表現したかというと、
反証や反論ではないと思っているからです。
ではなぜ反証や反論ではないかといえば、
繰り返しになりますが、
前提条件が「ネトウヨ」にあるからです。
結局「レッテル貼り」に終始してるようにしか見えません。
つまり結果が「ネトウヨ」と決まっているのですから、
それに沿った「沖縄論」でしかありません。
それに何の価値があるか疑問ですね…
そんなことより、
この親川氏を自分なりにネットで検索したら、
「沖縄独立論」を本気で考えているみたいですね。
そっちのほうが強いインパクトです。