静かな木: 藤沢周平:原作 柳家小さん:朗読 山田洋次:監修・解説
主な登場人物
布施孫左衛門 海坂藩の元勘定方、 今は隠居の身であと二年で還暦
那之助 布施孫左衛門の次男 間瀬家の養子
鳥飼郡兵衛 中老。孫左衛門に不始末を助けられた過去がある
あらすじ
海坂藩の元勘定方に勤務していた布施孫左衛門は、惣領息子の権十郎に家督を譲って、隠居の身である。
釣りから帰る家路への途中、城下の福泉寺の境内に静かに立つ大欅をながめ、木に自分の老境の心情を重ねて木のようで最期を向かいたいと思っている。
季節が外れでつれない釣りから、家へ帰ってみると石沢家へ嫁いだ娘の久仁が何か急用で訪れたと嫁から伝えられる。
久仁が告げたかった大事は邦之助の事で、邦之助が鳥飼中老の惣領息子に侮りを受けたので、果たし合いを申し込んだのだということだった。
異変を感じた孫左衛門は、帰宅するとすぐ出かけ、石沢家への途次、末子の邦之助が養子に入った間瀬家に寄ってみた。久仁が伝えたかった那之助のら果し合いの事を聞き孫左衛門は、那之助に軽挙盲動せぬように、
また、しばらく待てと伝える。
孫左衛門はこの果し合いは「鳥飼の方が上だ。しかも重職者への果たし合いだけに、万一、勝ったとしても何かしらの処分は免れない。しかも邦之助は養子で間瀬家に迷惑がかかる。」と
考え、この窮地打開に乗り出す。
果し合いの相手は、愚物・鳥飼郡兵衛の息子である。鳥飼郡兵衛は20年前の勘定奉行の際、収賄事件を起こしたが、孫左衛門らが亡き上司(郡兵衛の父親)への恩を感じて、帳面の誤記として繕い助けてやったのであった。
その結果、孫左衛門等は減石(布施家10万石、寺井家5万石)の処分を受けた。しかし、郡兵衛はそのことに恩を感じず、その後自分が出世したにも関わらず、孫左衛門など犠牲を払って助けた人々の、処遇を改善するような動きが全く無い。今となってはこれ等の事を孫左衛門は忌々しいことであると思っていた。
孫左衛門は収賄事件の詳細記録を当時一緒に不始末の尻ぬぐいをした寺井権吉などから集め、いまでも収賄事件は中老を危うくする事件であると確信する。
そこで孫左衛門は郡兵衛を訪ね、果し合いをやめさせなければ過去の収賄事件の真実を表に出すとして脅し、中老と厳しく対決する。
収賄事件を闇に葬りたい郡兵衛は果し合いの中止を求めたの孫左衛門帰路に刺客を向けるが、刺客は失敗する。また、孫左衛門とともに収賄事件の不始末の尻ぬぐいをした寺井権吉にも刺客を向けるが権吉の見事な剣使いを刺客を退治する。
その後、孫左衛門の収賄事件の真実解明の動きを契機に奉行所として収賄事件を調査、中老:鳥飼郡兵衛は処分を受ける。
あわせて、布施家や寺井権吉の家禄は元に戻されることになる。
発行形態 : 新潮社CD
発 売 日 : 2004年11/月
初出詳細 : 小説新潮(1994年5月号)
主な登場人物
布施孫左衛門 海坂藩の元勘定方、 今は隠居の身であと二年で還暦
那之助 布施孫左衛門の次男 間瀬家の養子
鳥飼郡兵衛 中老。孫左衛門に不始末を助けられた過去がある
あらすじ
海坂藩の元勘定方に勤務していた布施孫左衛門は、惣領息子の権十郎に家督を譲って、隠居の身である。
釣りから帰る家路への途中、城下の福泉寺の境内に静かに立つ大欅をながめ、木に自分の老境の心情を重ねて木のようで最期を向かいたいと思っている。
季節が外れでつれない釣りから、家へ帰ってみると石沢家へ嫁いだ娘の久仁が何か急用で訪れたと嫁から伝えられる。
久仁が告げたかった大事は邦之助の事で、邦之助が鳥飼中老の惣領息子に侮りを受けたので、果たし合いを申し込んだのだということだった。
異変を感じた孫左衛門は、帰宅するとすぐ出かけ、石沢家への途次、末子の邦之助が養子に入った間瀬家に寄ってみた。久仁が伝えたかった那之助のら果し合いの事を聞き孫左衛門は、那之助に軽挙盲動せぬように、
また、しばらく待てと伝える。
孫左衛門はこの果し合いは「鳥飼の方が上だ。しかも重職者への果たし合いだけに、万一、勝ったとしても何かしらの処分は免れない。しかも邦之助は養子で間瀬家に迷惑がかかる。」と
考え、この窮地打開に乗り出す。
果し合いの相手は、愚物・鳥飼郡兵衛の息子である。鳥飼郡兵衛は20年前の勘定奉行の際、収賄事件を起こしたが、孫左衛門らが亡き上司(郡兵衛の父親)への恩を感じて、帳面の誤記として繕い助けてやったのであった。
その結果、孫左衛門等は減石(布施家10万石、寺井家5万石)の処分を受けた。しかし、郡兵衛はそのことに恩を感じず、その後自分が出世したにも関わらず、孫左衛門など犠牲を払って助けた人々の、処遇を改善するような動きが全く無い。今となってはこれ等の事を孫左衛門は忌々しいことであると思っていた。
孫左衛門は収賄事件の詳細記録を当時一緒に不始末の尻ぬぐいをした寺井権吉などから集め、いまでも収賄事件は中老を危うくする事件であると確信する。
そこで孫左衛門は郡兵衛を訪ね、果し合いをやめさせなければ過去の収賄事件の真実を表に出すとして脅し、中老と厳しく対決する。
収賄事件を闇に葬りたい郡兵衛は果し合いの中止を求めたの孫左衛門帰路に刺客を向けるが、刺客は失敗する。また、孫左衛門とともに収賄事件の不始末の尻ぬぐいをした寺井権吉にも刺客を向けるが権吉の見事な剣使いを刺客を退治する。
その後、孫左衛門の収賄事件の真実解明の動きを契機に奉行所として収賄事件を調査、中老:鳥飼郡兵衛は処分を受ける。
あわせて、布施家や寺井権吉の家禄は元に戻されることになる。
発行形態 : 新潮社CD
発 売 日 : 2004年11/月
初出詳細 : 小説新潮(1994年5月号)
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