「あなたの世界が広がる詩」という本の中に
筆者が推敲した詩のことが書いてあったよ。
最初に書いた詩
これまででいちばん美味しかったのは
と問われれば
娘が子どものころ植えた種から芽吹いたビワが
初めてつけた実三つほどと答える
その後繁りに繁って隣家の玄関に
大きな影を落とすようになったので
先日ばっさばっさと枝を切り落とした
今日 二階の窓から
誰かが書斎を覗く気配があり
はっとして顔を上げると
細くなったそのビアの木の先っぽが
ガラス窓の左隅でゆれた
あまり切らないでよ と
声を聞いたようだった
いずれ梯子をかけて
切ろうと思っていたところだった
この詩が四回の推敲の後、最後にどうなったかと
言うと
だれかが背伸びして
二階の書斎を覗いている
と思ったら
ビワの木の先端だった
娘が子どものころ種を植えたのが
よくもまあ育ったものだ
陽光を大幅に遮るので今日あたり
ざっくり枝々を切り払おうと思っていたところだった
機先を制された
こっちの詩の方が読んだ時にいろんなことを
イメージできると思わない?
ちなみに、我が家の庭にも娘が小学生の時に
ビワの種を植えたら、どんどん大きくなって
きたので毎年、ばっさばっさと剪定してもらって
いるけどね。
地下の根のあるところはクマゼミの幼虫の
住み家になっているみたいだけどね。
自宅の玄関先の木で、元気に鳴いているクマゼミ。
(8月8日撮影)