Je pense donc je suis

フランス駐在中に始めた写真日記を中断していましたが再開します。金沢の写真がメインになると思います。

閑話休題:詩の推敲

2022-08-11 17:02:55 | 閑話休題

「あなたの世界が広がる詩」という本の中に
筆者が推敲した詩のことが書いてあったよ。

最初に書いた詩

これまででいちばん美味しかったのは

と問われれば

娘が子どものころ植えた種から芽吹いたビワが

初めてつけた実三つほどと答える

その後繁りに繁って隣家の玄関に

大きな影を落とすようになったので

先日ばっさばっさと枝を切り落とした

今日 二階の窓から

誰かが書斎を覗く気配があり

はっとして顔を上げると

細くなったそのビアの木の先っぽが

ガラス窓の左隅でゆれた

あまり切らないでよ と

声を聞いたようだった

いずれ梯子をかけて

切ろうと思っていたところだった

 

この詩が四回の推敲の後、最後にどうなったかと
言うと

だれかが背伸びして

二階の書斎を覗いている

と思ったら

ビワの木の先端だった

娘が子どものころ種を植えたのが

よくもまあ育ったものだ

陽光を大幅に遮るので今日あたり

ざっくり枝々を切り払おうと思っていたところだった

機先を制された

こっちの詩の方が読んだ時にいろんなことを
イメージできると思わない?

ちなみに、我が家の庭にも娘が小学生の時に
ビワの種を植えたら、どんどん大きくなって
きたので毎年、ばっさばっさと剪定してもらって
いるけどね。

地下の根のあるところはクマゼミの幼虫の
住み家になっているみたいだけどね。

 

自宅の玄関先の木で、元気に鳴いているクマゼミ。

(8月8日撮影)