遥かな轍(日々雑感)

大根サラダを食いまくってカリカリな体になってみよう(笑。

C58制作記Vol.3

2006年01月03日 23時23分16秒 | C58ってどうよっ!
はい、ってな訳でC58制作記も3回目を数えるまでに成長しました。で、今回は途中経過をより詳しく見てもらう為に画像はサムネイル表示にしています。クリックで拡大します。しかし、デフがないと妙な姿になりますね。ハッキリ言って格好悪い!!(w

陸羽東線の奇跡、激闘のC58。

さて、前回のPostで少し触れた、日本最期の現役特急牽引蒸機のお話しです。ま、知る人ぞ知るエピソードなのです。事件は昭和48年4月(筆者はまだ2歳になったばかり)、山形県を南北に貫く幹線、奥羽本線で起こりました。当時、東北地方では例年にない集中豪雨が続き各地で水害が発生。酷い所では1時間の連続降水量が200mmを越え、記録的な大雨となっていて、山間部では、地盤が大変危うい状況になっていたのです。そんな中、奥羽本線舟形~芦沢間で大規模な土砂崩れが発生。線路は大量の土砂に埋まり、復旧の見通しが付かなくなってしまったのです。しかし、当時鉄道は日本人にとって貴重な交通手段。特に北海道連絡を担っている優等列車を停める訳には行かず、奥羽本線経由の特急「あけぼの」「つばさ」、急行「おが」「津軽」は東北本線、陸羽東線(仙台、小牛田経由)に迂回運転が決定。で、槍玉に上がってしまったのがDE10/15大量投入で引退を目前に控えていた新庄、小牛田、両機関区のC58達だったのです。しかし、陸羽東線には鳴子、中山平、堺田といった連続急勾配が介在する難所が多く、特急、急行の迂回運転となると相当な困難が待ち受けているのは明白。本来ならばD51が必要な程の難仕業です。しかし陸羽東線は軸重制限を受ける亜幹線の為、デコイチは入線できません。陸羽東線をホームグランドにし、愛馬、C58を駆る陸羽路のベテラン機関士達は、目前の窮地に腹を括って決死の覚悟を決めたと言います。「あけぼの」はナ級の軽量客車20系。しかしC62でも山越えは苦労するのではと予測が付きそうな12両の長大編成。そして特急としての面子もあります。「つばさ」はキハ181系に替わったばかりなので良いとして、急行「おが」「津軽」は重い重いス級の旧客スハ43、スハフ42を中心とした最大12両編成。C58達は重連で、老体に鞭打って鳴子の急坂に挑んでいく事になったのです。急勾配を目前に控えた陸前古川。発車と同時にD51、いやD52でさえ劣るのではと思われるほどの強烈なドラフト音を発しながら猛ダッシュしてゆくC58。辺り一面、煤煙と蒸気で視界が閉ざされるほど凄まじい発車だったそうです。構内のポイントも制限を上回るスピードで通過、死ぬか生きるかの瀬戸際だと言えます。でも、そうでもしなければ鳴子の山は越えられなかったのです。蒸気圧力最大16kg/c㎡(D51は14kg/c㎡)発揮可能なC58であればこそ可能だった訳です。小粒な容姿とは裏腹に、燃え滾る闘志を抱いたC58。何と荘厳なのでしょう。何と雄大で勇ましいのでしょう。あぁ、果敢なC58達。彼女達の激闘が目に浮かびます。山越えでの激闘のドラマはデコイチだけのモノではなかったのです。そして、この伝説には、どんな事があろうとも絶対に停めさせないぞ!!という国鉄マン達の意地とプライドを垣間見る事ができます。迂回によって大幅に遅れ、急行料金を払い戻さなければならないのが判っていて、トンネル内で運悪く立ち往生して窒息死するかも知れないのを分かっていて、劣悪な燃料に業を煮やし、手応えの悪いカマに必死で鞭打ち操る男達。強烈な死闘のドラマに思わず身震いせずには居られません。また、無煙化政策によって、徒半ばにして、DE10に後を預け藻屑と消えていった勇者C58の運命にも悲哀のドラマを感じます。現役蒸機、晩年に起こった陸羽の奇跡。幻影のような夢の情景。麗しの20系の先頭に立つC58重連!! このエピソードを知った時、どれほど感動したか知れません。もしこの眼で見ることが出来れば・・・。

さ、どうですか? C58にもD51やC62に優るとも劣らない武勇伝があったのです。僕の拙い文章でどれほど臨場感が伝わったか甚だ疑問ですが、思わずシゴハチにそこはかとない愛着を感じずには居られません。陸羽東線での激闘に思いを馳せて、我が家のC58を、それに見合うカマに仕上げたいと思いました。

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2 コメント

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同じデフなしでもこっちは (はやたま)
2006-01-05 19:00:41
そういえば吹田にはD51のデフなしが居ましたよね。

本で知ったんですがあのいかつさは凄いですね。

是非一両いかがです(笑



http://www.geocities.jp/kaicho_sailing/lib52/d5178.htm



http://www.google.com/search?hl=ja&q=%E5%90%B9%E7%94%B0+D51+%E3%83%87%E3%83%95%E3%81%AA%E3%81%97&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
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デフなしといえば51号機が・・・ (はやぶさ)
2006-01-09 14:28:58
デフなしといえば吹田の51号機が好きですネ。

昔、現役引退後の51号機が、樟葉の京阪

モールのSL広場に展示されていたので、

よく見に行きました。今は、嵐山に居る

ようですね。

因みに、ウチのC58はデフを付ける予定

です。北海道の切り詰めデフを入手して

います。(RLFのヤツ)

先日、レールギャラリーろっこうに行っ

て来たでェー。凄い品揃えで感動したワ

。癖になるかも(w
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