吉高由里子と横浜流星のダブル主演。先日、吉高由里子についてブログで取り上げたが、この映画は吉高由里子も横浜流星も結構好きだったこともあり、また視力を失った女性と、元ボクサーの純愛を描くという切ないテーマにも妙に惹かれてしまい、この映画は絶対観ようと決めていた。いつものように、自宅から一番近い、新百合ヶ丘イオンシネマのレイトショーに出かけた。
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不慮の事故で、視力と家族を失ってしまった女性、明香里(あかり)。そして、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた男性、塁(るい)。そんな純粋な二人が、運命のいたずらで出会い、やがて恋に落ちる。
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お互いに暗闇の中だった人生に、再び優しい光が射すような、幸せな日々が訪れる。しかし、その幸せは長くは続かない。実は、塁は、以前アンダーグラウンドのキックボクシングの試合に出て、裏社会の一員として活動していた時期があったのだが、更生して、刑務所を出てきた塁は裏社会との関わりを絶ち切る決意で真面目にアルバイトを重ねながら生活していた。しかし、明香里の交通事故の原因に自分が関わっていたことを知って絶望してしまう。
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明香里に償う為、今自分に出来る何とかと必死に考えるが、手術すれば明香里の視力が戻る可能性があることを知る。そして、手術に必要お金をファイトマネーで集めるべく、また裏社会でのキックボクシングの試合に出ることを受け、悲劇的な運命に堕ちていくのだった。。。
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ネタバレになるので結末はあえて書かないが、予想以上に良く出来たラブストーリーであった感じた。まずは目が見えない明香里を演じる吉高由里子の演技が実にリアルで素晴らしかった。やっぱり、吉高由里子は演技力が高いし、何ともナチュラルに演じ切っていたのがとても印象的であった。
そして、辛い過去を背負う寡黙で不器用な塁の役を横浜流星もなかなか見事に演じていたし、キックボクサー役として体重を10キロも増やし、筋肉を付けた姿は横浜流星ファンにはたまらなかったであろう。そして、さすが元空手チャンピオンだっただけあって、キックボクシングのシーンはリアリティーを追求しており、大迫力の演出であった。
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目が不自由という設定や、全体的に暗いトーンの中に微かな希望を描くあたりは、韓国映画に良くあるような雰囲気もあると思って観ていたが、なんと実は韓国映画、『ただ君だけ』という作品のリメイクだったのだ(この韓国映画も以前出張の時に機内で観ていたのを、今回の映画を観終わってから、思いだしてしまった!)。
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前半に二人が出会い、お互いの気持ちを少しずつ通わせていく過程も変に端折ることなく、わりと丁寧に描いていたのがかなり印象的で、とても感情移入しやすい設定となっていた。物語自体はある程度予想が付く展開ではあったものの、それでも全体としては丁寧に描かれていたという印象。こう言った切なくも悲劇的な展開の物語はつい見たくなってしまうのだが、今回は特にラストの描き方も期待以上で、とても良く出来ていたと思う。
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二人が一緒に住むことになった時、ゴールデンレトリーバーの子犬を飼い、“スク“と名付けるが、このスクがのちに大活躍をするのもまた良かった。ワンちゃんにはやっぱり癒される。
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監督は三木孝浩。吉高由里子とは、映画『僕等がいた 前篇・後篇』以来8年ぶりにタッグを組んだ。三木監督は、『ホットロード』、『アオハライド』、『青空エール』、『僕は明日、昨日のきみとデートする』など、ラブストーリーには大変定評のある監督だが、今回の『きみの瞳が問いかけている』もなかなか素晴らしい作品となったと思う。
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音楽は今世界的なスターとなった韓国の人気グループ、BTSがこの映画の主題歌を歌うが、とても映画にマッチした切ない曲となっている。初めての映画主題歌ということで、この映画の為に新たに書き下ろされた歌詞も、見事な世界観を創り上げている。
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邦画の場合、主演者に豪華な俳優陣を持ってきても、ストーリーはわりと雑に創られている作品も正直多いが、『きみの瞳が問いかけている』は、かなり巧妙に創られていたと感じたし、主演陣の演技力も光っていたのでは無いかと思うので、ぜひおススメしたい映画である。オリジナルの韓国版と見比べてみるのも面白いかもしれない。