今年2回目となる梨の買い出しに出かけた。前回は実家からも近く、毎年購入している鉄町にある渋谷農園で購入したが、今回は今まで訪れたことが無い梨園に行ってみようと何か所か車で巡った。
実家近くの寺家や鉄町には多くの梨農家が点在しており、購入出来るところは多い。そんな中で、前から気になっていたが、まだ一度も訪れたことが無かった、川崎市麻生区早野にある“金子梨園”を訪れてみた。実家近くはまさに横浜市青葉区と川崎市麻生区の区境が近いので、金子梨園は川崎市ではあるが、鉄町から目と鼻の先で徒歩圏内。早野聖地公園や、少し前に訪れたいちご狩りが出来るSweet Farmからもすぐの場所にある梨園である。
今回訪れたことで初めて知ったのだが、川崎市内では約250年前から梨が栽培されていて、その昔、川崎区から中原、高津、生田と多摩川を上るように栽培地が広がったらしい。大正から昭和にかけての都市化や第二次世界大戦の影響で梨畑は減少したが、市が実施した果樹苗導入の助成で1963年には市内で125万平方メートルの栽培面積を誇った。高度経済成長により再び梨畑は減少し、現在は市内約30万平方メートル程度で梨が栽培されている。
金子梨園はそんな麻生区の一角を担っており、毎年変わらず梨を栽培している。いつも訪れる坂田農園や渋谷農園など、鉄町の梨園にも近いが、生産された梨に“浜なし”とは記載しておらず、“多摩川梨”の総称で親しまれている点が実に興味深い。神奈川県内で開発され2012年に品種登録された「夏水」という梨も栽培しているが、高い糖度の梨らしい。
今回購入した梨の品種を聞くのを忘れてしまったが、通常この時期はもうそろそろ幸水から豊水にそろそろ変わっていく時期かもしれない。まずは金子梨園の“多摩川梨”を存分に味わいたい。