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ついに公開、衝撃の『シン・ウルトラマン』!

2016年にあの『シン・ゴジラ』を大ヒットさせた庵野秀明と樋口真嗣コンビが製作した、“シン”シリーズ第二弾、『シン・ウルトラマン』がついに5/13から公開となった。かなり前から話題となっていたが、ついに待ちに待ったこの日がやって来たのである。早速公開2日目の週末レイトショーを観に出かけた。

『シン・ゴジラ』では全く新しい形のゴジラ映画として製作され、最終的に興行収入80億円を超える大ヒットとなった。また改めて、“日本人は本当にゴジラが好きだよなあ~”ということを痛感した作品となった。そしてあれから6年。今度は全く新しいウルトラマンがここに誕生した。

『シン・ウルトラマン』は、1966年に放送されたオリジナルのテレビシリーズ『ウルトラマン』を現代に置き換えたリブート作品となっているが、オリジナルへのオマージュをふんだんに入れている為、オリジナルを知るおじさんたち(自分を含め)には感慨深い仕掛けが多い。僕もオリジナルのウルトラマンが好きで良く観ていたので、今回のオマージュは最高にワクワクしてしまった。

まずはキャラクターデザインを掛けた成田亨による初期ウルトラマンのデザイン、としてスーツアクターであった古谷徹の造形を見事にCGでオマージュしており、これはかなりマニアック。ウルトラマンも見事な美しさだ。そして、音楽も当時のサントラから上手く使っているので、懐かしいBGMが随所にかかって物語を盛り上げる。現代風なリアルなCG的味付けに当時のレトロな音楽がかかることで、ある意味斬新な空気感を創り出すことに成功しているとも言える。

更にはオリジナルのウルトラマンに登場した星人 (今回の映画では、新たに外星人と呼んでいる)として、ザラブ、メフィラスが登場したり、オリジナルのウルトラマンの最終回にも登場するゾフィーも登場し、物語の終盤、重要な役割を果たしている点も見逃せない。

ちょっとオリジナルと変わっている点は、ウルトラマンにカラータイマーが付いていないことや、ウルトラマンの能力が格段に進化していること(最初は全身シルバーで、状況によって体の色が一部変わる)、科学特捜隊(通称、科特隊)が、今回禍威獣特設対策室(通称、カトクタイ)ということで、科特隊と同じ語呂合わせになっていて、特にユニフォームなどを着ていない点が、現代風である意味リアリティーを持たせている点も面白い。またオリジナルのウルトラマン最強の敵ゼットンが、この映画では地球を滅ぼそうとする天体制圧用最終兵器として登場する仕掛けなのは新しい。

『シン・ウルトラマン』の出演陣もなかなか個性豊かだ。まずはカトクタイのメンバーで、ウルトラマンに変身する神永新二役に斉藤工、神永とのタグを組むことになった浅見弘子役に長澤まさみ、非粒子物理学者の滝明久役にHey Say Jumpの有岡大貴、船縁由美役に早見あかり、そしてカトクタイの班長田村君男役に西島秀俊。そして他にも嶋田久作、山本耕史、また、シークレットゲストに『シン・ゴジラ』にも出演した竹ノ内豊が再登場することで、なんとなく『シン・ゴジラ』の続編かと感じることが出来る仕掛けになっているが、それにしてもなかなか豪華な俳優陣である。

『シン・ウルトラマン』は、『シン・ゴジラ』でも遺憾なく発揮された独特なハイテンポと、高速なセリフの応酬、そして外部からの侵略危機に立ち向かわなければいけない中で、諸外国への忖度ばかりを重んじる日本政府の描き方などは、相変わらず皮肉たっぷりで面白い。また、特撮もさすがに相当進化しており、着ぐるみではなくCGにて素晴らしくリアルな映像美を実現している。ネタバレにはなってしまうが、“ジャイアント長澤まさみ“なども登場することもあり、印象としてオマージュ的な要素も多すぎて、どこかでウルトラマンの“パロディー映画”を見せられているような気になってしまう点は否めない()

ゴジラのような怪獣とは違い、知能の高い星人にはやはりどこか地球が侵略されてしまうというような得体のしれない恐怖感がある。そして最初ウルトラマンが登場した場面も、最初は敵か味方かわからない中で、何とも言えない恐ろしさが見事に表現されており、フィクションながらどこかで、“本当に星人が地球に来たらこんな感じなんだろうなあ~”、と思ってしまうようなリアリティのある表現となっているのも見逃せない映画の魅力だ。

尚、ここからはネタバレになってしまうが、ウルトラマンは地球人のことが好きになり、最後に自分を犠牲にしてまでも神永を救うことを選ぶ。これはオリジナルの最終回設定とある意味同じだが、やはり映画ではカトクタイメンバーや他の地球人と関わる時間が短い為、どうしてそこまで地球人を愛してしまったのか?という点で少し違和感を覚えてしまった (オリジナルのTVシリーズは全39話なので、その過程での感情移入に大きな違和感は産まれないが、映画ではそこまでの描写は難しい)。

そして最後になってしまったが、忘れてはならないのが、今回の『シン・ウルトラマン』の主題歌。米津玄師が映画の為に書き下ろした『M八七』。タイトルも話題になているが、ウルトラマンの星はM78星雲というのがもはや有名な事実だが、実は最初にウルトラマンが構想されていた段階ではM87星雲だったのが、何かの間違いで78になってしまったというのだ。そんな長年の間違いを今回56年ぶりに修正した瞬間でもあり、かなり興味深い。そしてこの主題歌は既に大ヒットしているまた米津玄師らしい曲ながら、どこかウルトラマンの哀愁を見事に表現しており、素晴らしい曲となっている。

今回の『シン・ウルトラマン』を観て、オリジナルのウルトラマンをまた観返したくなってしまった。DVDで全話持っているので、今度観賞することにしよう。

来年の春には、『シン仮面ライダー』の公開が予定されている。ゴジラ、ウルトラマンとくれば、やはり仮面ライダーは外せない、日本が誇るヒーローである。庵野、樋口の黄金コンビからまだまだ当分目が離せない。

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