今年の6月からスタートしていた松田聖子の2022年ライブツアー、『Seiko Matsuda Concert Tour 2022: My Favorite Singles & Best Songs』の武道館ファイナルを9月2日に参戦した。聖子ちゃんのライブは2012年の『Very Very』ツアーで武道館にて参加したが、それ以来なので10年ぶりとなった。
9/2-3の2日間は、追加公演になったものだが、なんと9月2日の公演で、松田聖子の武道館公演120回目という記念すべき日となった。120公演というのは女性アーティストではぶっちぎりのNo.1で、矢沢永吉の146回に次いで総合でも2位というから驚きだが、それだけ長く活躍し、ファンに愛されているという勲章でもある。
武道館と言えば、まさにミュージシャンなら一度はステージに立つことを夢見る場所だ。僕もこれまで武道館で色々なアーティストのライブに参戦してきた。大学生時代にはTMネットワーク、Pet Shop Boysなどが思い出深いし、大人になってからもDuran Duran、Janet Jacksonなどの外国アーティストのライブに行ったことが思い出深い。そんな武道館を訪れるのは3年前のJanet Jackson以来だと思う。
松田聖子のライブということで、武道館の入り口には聖子ちゃんを崇拝しているしょこたんこと中川翔子や、森口博子、はるな愛からも花が届いていた。
久しぶりの聖子ちゃんライブにワクワクしながら待っていたが、時間通り18:30に開演。今回のセットリストは下記の通りであった。なんと歌ったのは全30曲で、ツアータイトル通り、シングルヒットや人気の高いヒット曲のオンパレードで、大興奮のライブであった!
(『Seiko Matsuda Concert Tour 2022: My Favorite Singles & Best Songs』セットリスト)
01 チェリーブラッサム
02 Strawberry Time
03 I want you so bad!
04 Back for more (インスト)
05 渚のバルコニー
06 秘密の花園
07 野ばらのエチュード
08 天国のキッス
09 Don’t you wanna dance? (インスト)
10 ever since (SAYAKA)
アコースティックコーナー
11 とんがり屋根の花屋さん
12 風立ちぬ
13 Marrakech
14 Human Nature (マイケル・ジャクソン)
リクエストこーナー
- ひまわりの丘
- LOVE SONG
- SWEET MEMORIES
- 小さなラブソング
- Kimono Beat
- 制服
- 瑠璃色の地球
- マイアミ午前5時
- 蛍の草原
- 一千一秒物語
- 真冬の恋人たち
- 雛菊の地平線
- ベルベット・フラワー
- 流星ナイト
- 愛の神話
- 抱いて・・・
- 密林少女
- 裸足の季節
- 冬の妖精
- Canary
- SQUALL
- 黄色いカーディガン
- ハートをRock
- 潮騒
- 白い貝のブローチ
- 銀色のオートバイ
15 時間旅行
16 セイシェルの夕陽
17 瞳はダイヤモンド
18 小麦色のマーメイド
19 赤いスイートピー
20 マンハッタンでブレックファスト (インスト)
21 時間の国のアリス
メドレー
22 青い珊瑚礁
23 風は秋色
24 ハートのイヤリング
25 未来の花嫁
26 ピンクのモーツアルト
27 Rock’n Rouge
28 夏の扉
アンコール
29 素敵にOnce Again
30 大切なあなた
僕の大好きな聖子ちゃん曲『チェリーブラッサム』でライブは始まり、前半は『秘密の花園』、『Strawberry Time』、『天国のキッス』など大ヒット曲も目白押しで、ステージ上にもお城の可愛いセットが組まれて、とてもメルヘンチックで可愛い演出。聖子ちゃんもなんと今年60歳だが、とても還暦を迎えたとは思えない美貌と可愛らしさで、あのフリフリの可愛いドレスをこの歳で着こなせるのは聖子ちゃんしかいないのではないだろうか。
幾つか特に感動的なポイントがあったが、昨年惜しまれながら亡くなってしまった娘の神田紗也加のヒット曲、『ever since』を、黒のシックな衣装で松田聖子が歌いあげて、その後のMCでは涙をこらえながら、紗也加は今も心の中にいて、これからも一緒に歌って行きたいと力強いメッセージに、会場のファンからの涙を誘い、感動的な瞬間となった。まだ紗也加が亡くなってから丸1年すらたっていないのだ。そんな辛い中でこのようなツアーが実現したこと自体がどんなに大変だったかと思っただけで、思わず僕も涙がこみ上げてきてしまった。
そして今回はアコースティックコーナーと題して、とても大人っぽい演出がされており、ここでも僕の一番好きな聖子ちゃん曲、『瞳はダイヤモンド』や名曲『セイシェルの夕陽』などたくさんの曲をアコースティックバージョンで歌ってくれたが、歳と共に高音が出し辛くなってきた聖子ちゃんにとって、むしろこのアコースティックアレンジで歌う方が良いと思われ、これはとても良い企画だと感じた。これからもアコースティックコーナーはぜひ続けて欲しい。そしてこのコーナーでは、僕の大好きなマイケル・ジャクソンの名曲、『Human Nature』のアコースティックカバーを聖子ちゃんが歌いあげてくれて、聖子ちゃんとマイケルの夢のコラボが実現したかのようで、とても感動的な光景となった。本当に最高であった。
恒例のリクエストコーナーは、コロナで声が出せない為、プレミアムシートのコアファンからはフリップで歌ってほしい曲名を出すパターン。今回も実に多くの曲をワンフレーズだけ歌ってくれたが、ファンのリクエストに応える聖子ちゃんの姿にはいつも感動してしまう。
後半も、『青い珊瑚礁』、『風は秋色』、『ハートのイヤリング』、『ピンクのモーツアルト』、『Rock’n Rouge』などシングル大ヒット曲のオンパレード。そしてやっぱり一番ライブが盛り上がる『夏の扉』は最後の盛り上がりに外せない1曲だ。アンコールは2曲だが、比較的後期のヒット曲を最後に持ってきてライブは大興奮の中で締めくくられた。
毎回思うことだが、聖子ちゃんは本当にファンサービスが凄い。ファンじゃなくても、一度聖子ちゃんのライブに参戦すると、必ずファンになってしまう面白さである。ライブの構成も、ニューアルバムからバンバン選曲するわけでもなく、常にファンが聴きたい曲、往年の大ヒット曲を中心に、毎回ベストヒット集のようなライブが印象的で、ファンを如何に楽しませるかに全力を注ぐ。それだけ多くのヒット曲、持ち歌を持つからこそ成せる技であるが、改めて感服してしまう。
そして聖子ちゃんはMCがいつも面白いし、素でちょっと天然な聖子ちゃんが毎回楽しめるのもファンを魅了し続けている大きな要因だ。聖子ちゃんのライブは、ミュージシャンのライブというよりは、ライブ全体がエンタメショーかミュージカルかのようで、演出や企画が素晴らしい。その意味で聖子ちゃんは生粋のエンターテイナーだと感じるが、徹底したエンターテインメント根性は、マイケル・ジャクソンにも通じるほどだ。
今年はまた元気な松田聖子に会えて最高に感激のライブであった。
松田聖子はまさに僕の青春そのもの。
小学生、中学生の頃は聖子ちゃんの大ファンとして写真集を買ったり、レコードを買ったりして本当に夢中になっていたのが懐かしいし、今でも聖子ちゃんの曲を聴くと、当時の思い出が紐付いているので、センチメンタルな気分に浸ることが出来る。その意味では、聖子ちゃんは僕のタイムマシーンでもあるのだ。
彼女は18歳でデビューして、一躍トップアイドルに上り詰め、気が付けば今年で42年間という長い歌手生活。キャリアでは本当に色々とあったと思うし、昨年は辛い出来事もあったが、これまでも苦難を乗り越えてきた強さと生命力が彼女にはある。還暦を迎えても最前線で精力的に活動し続ける彼女のパワーとエネルギーには本当に元気づけられてしまった。そして、僕もまだまだ負けてられないとの思いを新たにした。