クリントイーストウッド監督の最新作であり、
アメリカでは『プライベートライアン』を抜いて、
戦争映画としては史上最高の3億ドルを超える
興行収入をあげたと話題になっているので、
早く観たいと思っていた映画である。
戦争映画と言えば、だいたいの場合、
目を背けたくなるような残酷なシーンが多く、
基本あまり好んで見るジャンルでは無いが、
この映画は、実在した伝説のスナイパーを
描いていることと、戦場での物語が中心と
言うよりも、戦場から帰ってきてからの家族
との物語にも焦点が当たっている点が
妙に僕の興味を駆り立てた。
今、まさに世界がテロリストの
脅威に晒されている中、この映画は
イラク戦争での伝説の米軍スナイパーの
半生が丁寧に描かれている。
テキサスに住んでいたカウボーイが、
911で衝撃を受け、アメリカ国民を
テロリストから守りたいと言う強い愛国心と
使命感を持って、自ら兵士になることを志願する。
そしてその銃の腕前に己の素質を見出し、
4度戦地に遠征を経ながら、
160人以上の敵を射殺した凄腕の
スナイパーへと成長して行くのである。
多くの兵士は帰還後、
PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苛まれる
ケースが実に多いが、この映画の主人公
クリス•カイルも、帰還した後の家族との
接し方に悩み、苦しむ。自分は果たして英雄なのか、
それとも悪魔か?そして妻、子供たちと如何に
向き合うか悩みながらも自分を取り戻そうと
もがいて行く人間ドラマが描かれる。
実在したクリス•カイルは、数年前、同じく
退役軍人と射撃訓練に出鰍ッ、
そしてその男に殺害される。
悲劇的な最期であった。
クリントイーストウッドはこれまでも戦争映画や、
戦争を根底のテーマにした映画を幾つも撮っている。
この映画も戦争を美化しているとか、
ヒーローとして正当化していると
一部で批判されているが、僕は決してそう言う
印象は受けなかった。一方で逆に強烈な反戦映画
として強調されているわけでも無い。ある意味
客観的な視点を大事にしながら、その裏にある
人間ドラマにフォーカスを当てている点が
ドキュメンタリー的で秀逸であり、
観る人それぞれに違った印象、
或いはインパクトを残して行く、
そんな映画であった。
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