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今回も前作同様、公開初日の夜の会を観に行った。まずは観た感想だが(更に1回観て計2回も既に観てしまったが、後数回はまだ観るだろう)、やはりさすがスターウォーズ本編の新作と言った感じである。そのスケール感、アクション、ストーリー性どれを取っても最高レベルの出来映えで、スターウォーズシリーズ最大のヒット作となった『フォースの覚醒』を受け継ぐ見事な作品として楽しめる。
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エピソード1-3は、ダースベイダーと化して行くアナキン・スカイウォーカーの物語、エピソード4-6はフォースに目覚めるルーク・スカイウォーカーの物語と、これまで全ていわばスカイウォーカー家の物語。そして今回の新三部作に当たるエピソード7-9はレイの新しい物語。そうすると、強いフォースの力を覚醒させたレイもスカイウォーカーの血筋をひくジェダイであると思ってしまうが、果たしてそうなるのだろうか。少なくとも今回の“最後のジェダイ”でははっきりと明かされず、最大の謎は次作に持ち越しとなった。
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最後のジェダイはルークが再登場する作品という意味でとても期待していた。フォースの覚醒のラストで少しだけ登場したが、今回は全編に渡り、ある意味レイを食ってしまうくらいの主役的な存在であった。往年のスターウォーズファンには感動ものである。ハン・ソロと妹レイアの息子で、フォースの持ち主であったベン・ソロを真のジェダイに育成すべく取り組んだルークであったが、ベンがダークサイドに落ちてしまい、カイロ・レンとなってしまったことを悔やみ、晩年は身を潜めて隠居生活を送っていた。しかし、前作『フォースの覚醒』でついにルークの居場所がわかる地図を発見し、今回レイがルークのもとを訪れるのであった。
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『最後のジェダイ』は、三部作の中間エピソードとなる作品にて、やはり位置づけとしてはオリジナル三部作の『帝国の逆襲』に近い。そして観賞した結果、確かに全体的にダークなトーンや、敵に追い詰められて行く設定は『帝国の逆襲』そのものだし、『帝国の逆襲』ではルークとヨーダの子弟関係が、そして今回はレイとルークの子弟関係が描かれている点でも類似している。(ネタバレになるが)あのヨーダが最後のジェダイに再登場するというのも何という感動!レイが明らかにジェダイの継承者であることは間違いない。また、レイはベンをダークサイドから引き戻そうと必死になるが、これは父ダースベイダーをジェダイに引き戻そうとしたかつてのルークの姿と重なる。
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新キャラとしては、前回BB-8の可愛らしさが話題をさらったが、今回メ[グという異常に愛くるしいキャラクターが登場し、早速大きな話題となっている。また、前作では比較的チョイ役であったキャプテンファズマの戦闘シーンも今回は用意されている。R2-D2、C-3POとルークの再会、チューバッカとミレニアムファルコン号も相変わらずの大活躍、レイとカイロ・レンの対決など見所満載である。唯一、レイア姫が乗る戦艦が攻撃を受け、爆破で宇宙に吹っ飛ばされてしまい、これで彼女も終わりかと思った矢先、フォースを使って他のレジスタンス軍の戦艦まで宇宙空間を飛んで戻るというのはさすがにやり過ぎ感があって、ちょっと笑ってしまった。ルークの幻影がレンと対決するクライマックスもかなり無理があったが、ついにフォースの力もここまで来たかという感じである(笑)。
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また今回初登場となる新たな登場人物DJがまた今後どうなるか。DJを演じるのが癖のある演技派俳優ベニチオ・デル・トロ。一度仲間を裏切り、ファーストオーダーの味方をするところは『帝国の逆襲』に登場し、ハン・ソロ、ルークたちをハメたランド・カルリジアンと同じ匂いを感じる。もしそうだとすれば、次回作ではレジスタンスのサメ[ターとなり、より重要な役どころになって行くような気がするが、今後の展開に期待したい。
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レイ役のデイジー・リドリーがまた兎に角可愛い。前回もそう思ったが、今回の『最後のジェダイ』でもその美しさは際立っていた。凛とした美しさだけでなくキュートさもあって、僕の理想の女性であったグレース・ケリーにも共通したところがあるように思う。
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レイアを演じるキャリー・フィッシャーは、『フォースの覚醒』から再登場。歳は取ったが、今でもレイア姫として見事に演じきっており、今回の『最後のジェダイ』でも重要な役どころを演じているが、キャリー・フィッシャーは今作の撮影終了後に惜しまれながら他界。エピソード9には元々出演シーンがあった筈だが、どのように対応するのかも注目される。逆に、ハン・ソロ役のハリソン・フォードが前作劇中でカイロ・レンに殺されてしまうという衝撃の展開が有り、今後はもう登場しないと思われるのは大変残念である。
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空前のスターウォーズ祭りは、2015年の『フォースの覚醒』から始まった。昨年2016年にはスターウォーズ外伝とも言うべきスピンオフ作品『ローグワン』が公開され、そして今年は本編の『最後のジェダイ』、来年は外伝第二弾でハン・ソロの若き日の活躍を描く『ハン・ソロ(仮)』、そして2019年には本編第三弾にして最後のスターウォーズサガ、エピソード9が公開される予定。まさに毎年スターウォーズ祭りが世界で繰り広げられるのである。次回のエピソード9でついにオリジナル9部作が本来全て完結するわけだが、ディズニーは9作目以降もスターウォーズを創り続けると言っているらしい。もっともっと夢を見続けたい気もするが、やはりスターウォーズ教の信者としては、神聖なる9部作に留めておいて貰いたい気持ちも強いから、複雑な心境である。
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まずはもう何回か『最後のジェダイ』を観てから、来年の『ハン・ソロ』を楽しみにしたい。ロン・ハワード監督による作品で、相棒チューバッカが出ることは間違い無いが、ジャバ・ザ・ハットに追われるようになった経緯や、ボバ・フェットとのエピソードなどもあれば嬉しい。また、全シリーズを通して唯一出演しているR2-D2、C-3POが今後もどこで登場するのかも楽しみである。外伝としては『ローグワン』がかなり素晴らしい出来映えで、本編を凌ぐくらい緻密にスターウォーズの世界観を踏襲していたのには驚いたし、主人公全員が死んでしまうというストーリーは切なく、名の無き戦士たちを描いた感動的な物語であった『ハン・ソロ』にも中身のある骨太なストーリーを期待したい。