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Duran Duran、30年の軌跡 (後編)

その後RogerとAndyが抜けて3名になってしまったDuran Duranは1986年にアルバム「Notorious」をリリース。あの有名プロデューサーNile Rogersを迎えての作品として曲風もかなり大人っぽくなり、タイトル曲のシングル「Notorious」はヒットし新たなファンは獲得したが、昔のDuran Duranとはややカラーが変わってしまった。1988年リリースの「Big Thing」はまた打ち込み系のサウンドが強くなり、アルバムとしてはやや期待外れな作品。それでもシングルとなった「I Don’t want your love」はヒットした。

1990年にはアルバム「Liberty」を発表。このアルバムもアメリカではあまり売れなかったが、それでもシングルの「Serious」はメロディーが美しいバラードで個人的には結構お気に入りの曲だ。そして1993年に発表したアルバム「Duran Duran (The Wedding Album)」で見事なカムバックを果たす。英国で4位、米国でも7位までチャートを駆け上がり、シングル「Ordinary World」が大ヒット。日本でもCMなどに使われた。

その後暫くはあまり目立った活動をしていなかったが、2004年に発表したアルバムで前作の「Astronaut」は久々の傑作だった。往年のDuran Duranを思わせるような彼ららしい曲の「(Reach up for the) Sunrise」、「Astronaut」、「Taste the Summer」や、「Notorious」を思わせるような「Bedroom Toys」など盛りだくさん。
そして最近3年ぶりに発表された新作が「Red Carpet Massacre」だ。前作ではオリジナルメンバー5名全員が揃ったのも嬉しかったが、今回は残念ながらAndy Taylorのみが参加しておらず4名になってしまったが、それでもDuran Duranらしい曲も多くなかなかの傑作だ。今回面白いのは今最も旬なプロデューサーの一人であるTimbalandが3曲プロデュースに加わっており、Justin Timberlakeも1曲プロデュースしている点だ。通常、Timbalandがプロデュースするアーティストはかなり彼の色が濃くなってしまい、そもそものアーティストらしい特徴がやや消されてしまう感があるが、Duran Duranの場合は、Duran DuranらしさとTimbalandらしさが絶妙な感じでミックスされている出来栄え。1曲目の「The Valley」からサビの部分が特にDuran Duranらしい2曲目の「Red Carpet Massacre」、そしてTimbalandプロデュースの3曲目の「Nite-Runner」へと流れる中で、Duran Duran的な曲風からTimbaland的ブレンドしていくのがかなり良い。「Ordinary World」のファンであったJustin Timberlakeの希望でバラード作品として完成した「Falling Down」もなかなか素晴らしい作品だし、Timbalandプロデュースの「Skin Divers」と「Zoom In」もノリが良い快作。そして、このアルバムで注目したいのがインストルメンタル曲の「Tricked Out」だ。過去に「Tiger, Tiger」や「Tel Aviv」などのインストルメンタルもアルバムに収録しているが、今回の「Tricked Out」はかなり素晴らしい曲。

それにしてもこうやってデビューから30年経ってもかなり昔ながらのDuran Duranらしさを今も持ちつつ新作を発表し続ける彼らは凄いし、意外にオヤジ臭く無い彼らも感心してしまう。80’sの頃からのファンとしては彼らの活躍は本当に嬉しい限りである。昔80’sにDuran Duranを聴いていた方は、ぜひ久しぶりに「Astronaut」と新作の「Red Carpet Massacre」なども聴いてみてほしい。きっと懐かしさの中にも新たな発見が有る筈である。
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