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1983年の映画、『里見八犬伝』を久々に観賞!

昨年末、薬師丸ひろ子と松田優作主演の『探偵物語』をWOWOWで観たのだが、それ以来また久しぶりに薬師丸ひろ子が気になっている。1980年代当時、音楽業界は松田聖子、中森明菜などのアイドル全盛期であったが、そんな中で女優と歌手の二足のわらじを履く(今で言う二刀流!)と言うユニークなポジションを確立し、人気を博していたのが薬師丸ひろ子である。



そして薬師丸ひろ子は、当時角川が看板スターとして相当に力を入れてプロモートしており、その後原田知世も大人気となったが、1980年代当時は角川映画が邦画界を席巻していたのが懐かしい。1983年は『探偵物語』が大ヒットし、そして1984年のお正月映画(1983年12月10日公開)として大ヒットしたのが『里見八犬伝』であった。この年は邦画1位となった映画が当時記録的な大ヒットとなった『南極物語』で、『里見八犬伝』は次いで2位の興行収入を上げた。



『里見八犬伝』の主演は薬師丸ひろ子、そして共演はこれも当時千葉真一のJAC (ジャパンアクションクラブ)が売り出し中だった若手アクション俳優、真田広之。フレッシュな2人の共演は大きな話題となった。僕も当時前売り券を買って渋谷の映画館に観に行ったのが懐かしいが、その時買った映画パンフレットを今でも大切に持っている。そして妙にこの映画が観たくなり、最近ブルーレイをついに購入し、約40年ぶりに観賞することが出来た。



(物語の簡単なあらすじ)
悪霊につかえ、不死身の妖怪となった玉梓は、かつて里見家に征伐された恨みを抱いて館山城に攻め入った。里見一族は虐殺され、静姫だけが生きのびる。その姫の前に仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の各字を刻んだ八つの霊玉を持った八剣士が集まる。妖怪軍団の巣窟へ攻め入り、激闘の中で一人一人命を失ってゆく八剣士の中、親兵衛と静姫は最後の力で玉梓に挑むのであった。



細部はかなり忘れてしまっているような気もしていたので楽しみにしていたが、やはり観賞してみたところ、結構当時の記憶が曖昧であったことがわかり、逆に新鮮な気持ちで観賞することが出来た。物語は黒沢明の『隠し砦の三悪人』にもちょっと似た展開で、8人の里見剣士たちが静姫と共に妖怪たちに挑む物語だが、後半は囚われた静姫を救い出す展開。まさに『スターウォーズ』にも似た展開とも言える。そして、当時としては多額の制作費(15億円)をかけて、一大スペクタクルアドベンチャーとして描いている要素が強い。特撮にもかなり力を入れており、ゴレンジャーなどの戦隊もので特撮を担当した矢島信男が担当。今観ると確かにややチープだが、当時の特撮技術やセット美術としては、日本で最高レベルであったと言える。同じ頃ヒットしていた洋画の『レイダーズ』にも影響を受けた様子が伺えて結構面白い。



キャストは、主役の薬師丸ひろ子と真田広之に加え、芸達者な役者が脇を固めていた。千葉真一、志穂美悦子などのJACメンバーに加え、京本政樹、夏木マリ、目黒祐樹、萩原流行、岡田奈々などが出演しているのが懐かしい。



『探偵物語』の時も思ったが、当時の薬師丸ひろ子はやっぱり可愛い。『里見八犬伝』ではおてんばなお姫様を勝ち気に演じているが、若さ全開でとても初々しい。



最後にもう1点、この映画を当時大いに盛り上げたのが、テーマソング。米国のAORシンガー、ジョン・オバニオンという歌手が歌った『I Don't Want This Night To End』が大ヒット。僕もEPレコードを買った記憶があるが、久々に聴いて懐かしかった。当時、割と邦画のテーマ曲に洋楽を据えるようなケースが多かったが、これは成功した例であった。

40年ぶりに観た『里見八犬伝』は意外にも面白かった。確かに今の映画技術と比較すれば全体的にチープで、細部にもツッコミ所は多いが、当時としてはかなりのお金を投じて、人気俳優でスケールの大きな作品を創ろうとしていた角川映画のエネルギーを感じることが出来たので、今回観賞した甲斐があった。

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