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センスのいい子の育て方

先日、本屋で宮崎祥子さん著の「センスのいい子の育て方」というタイトルの本を見つけ、「センスのいい子」という言葉に惹かれて思わず手にとってしまった。最近、自分としてどう子育てに参加するのがベストなのか、なんてことを自分なりに少し考えたりすることもあって、ちょうどタイムリーにこの本が目についてしまったのだ。もちろん、誰もが自分の子供をセンスのいい子にしたいと思うが、実際にセンスとはかなり曖昧な表現であることは間違い無い。一体どんなことがこの本に書かれているのか、大変に興味を持って購入した。

本の目次は次のようなものだったが、どの項目にも自分なりに色々な発見があった。

001 きれいに食べる人
002 言葉が豊かな人
003 コミュニケーション上手な人
004 にくめない人
005 サバサバした人
006 センスがいい人
007 空気を読める人
008 工夫できる人
009 凛とした人
010 品のある人
011 フレキシブルな人
012 感じのいい人
013 選べる人
014 日々を楽しめる人

まずはこの本、とっても読みやすいことに気が付く。また各項目はどれも内容が短く、またグダグダと説教じみたことが書かれておらず、具体例などとちょっとしたャCントがさらっと書いてあるだけなのだ。例えば、子供がご飯をちゃんと食べないとかでイライラしてしまうものだが、「ちゃんと食べなさい!」と口うるさく言うよりも、親が「美味しいねー」と言って美味しそうにパクパクとご飯を食べるところを子供に見せること、そしてこれを毎日繰り返すことがやはり基本であるとか、多少面唐ネようでも、お料理のお手伝いをさせたり、ランチョンマットや食器を食卓に並べるのを子供に手伝わせることによって、食事の作法・マナーなどを自然に、楽しく教えることが効果的であることなどが簡潔に紹介されている。結構当たり前のことではあるし、妻が既に実行していることも実に多いことにも改めて気が付いたという意味でも収穫であったが、普段は会社で平日などは食事を家族と共に出来ないことが多い自分にとって、改めて気が付かされることが多いことにも驚いた。

また言葉についても、基本的なこととして「ごめんなさい」とか「ありがとう」が直ぐに言えるような子になってほしいのは当然だが、大人が普段の生活の中で正しい言葉の使い方で子供にきちんと示すことの大切さや、(最近大人にも見られる傾向として)言葉を単語だけで省略して話してしまう(「先生、紙」と言った具合に)ことが多いものだが、これも大人が家で正しい文章として話すことを常に心鰍ッることの大切さなども改めて痛感&自己反省。また、子供が本来持っている言葉のオリジナリティー(耳で聞いたことを自分なりの表現方法で発すること)を大切にし、大人がついついやりがちな、「正しいことばで直ぐに訂正してしまう」、のも必ずしも良く無いことなどが印象的だった。 

子供なりのファッションセンスを育成するには、組み合わせやすい服を同じ引き出しに入れておいて、自分なりにコーディネイトを楽しみながら出来るように少しずつ育てていくことや、”キャラクターもの”への興味もある程度は許容することや、いつも「がんばり過ぎない」子供にするには、「そんな自分が好きか」というのを子供なりに一つのバロメーターに設定するなども興味深かった。寝る時も、今日はどんな日だったかのレビューを子供が寝る時に一緒に行い、「明日もいい日であることを予感させる」ことの大切さ、なども自分にとって実に新鮮であった。

また「センス」とは、おしゃれということだけで無く、場の空気が読める、フレキシブルに物事に対応出来る子、表現力が豊かな子/自分の言葉を持っている子、ハプニングに強い子、想像力が豊かな子、など色々な要素があるものである。子供が本来持っているものをうまく磨いて、伸ばしてあげることを親としても心鰍ッたいものだ。

実際に読んでみると、実は子育ての凄い秘密が書かれているわけでは無く、どこにでもある日々の日常生活の風景の中のちょっとしたこと、或いは親側の考えよう、気の持ちようで全く捉え方が変わるということを気がつかせてくれる本であった。また、結論として、子供の教育本でありながら、実は親の教育本でも有り、子供を持つ「自分自身の教育本」であることを痛感した。親としてどう子供の言葉に耳を傾け、そして見守ってあげるか。親の常日頃の立ち振る舞い、言動が如何に子供にも見られているかなどが書かれており、やはり基本は子供をどう育てるかというよりも、自らの生活を正しく、センス良くやっていけるかということなのである。また、口うるさく説教するばかりでは無く、「北風と太陽」戦略も大切であり、また子供自身の考えに任せる場面や、感情や言葉をうまく引き出してあげること、時には充分に時間を与えて見守るという"ゆとり"を用意してあげることなど、色々と自分なりに考えさせられることが多かった。

なかなかナチュラル、且つ爽やかに書かれている本であり、これぞまさに「センスのいい」本であり、思わず心が浄化された。

尚、この本に書いてあることでは無いのだが、この本がきっかけとして最近はじめたこととして、4歳の娘宛に毎日メッセージカードを書くことにした。朝起きた娘が目にするように、洗面所の鏡の前に毎日一言ずつ娘に宛てたメッセージカードを置いておく。平日帰りが遅く、娘が起きている間に帰宅出来ないことが多いが、このカードにより娘とのささやかな「コミュニケーションチャネル」を作れればと考えた。自分のちょっとした気持ちやアドバイスを字にしたいと考えているが、何か一つでも娘の心に残るメッセージが書ければと願いつつ。。。
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