先日紹介したマイルス・デイヴィスの名盤、『Kind Of Blue』に続き、今度は同じくジャズの名盤として名高いジョン・コルトレーンの『A Love Supreme (至上の愛)』をレコードで購入した。
このアルバムも、ジャズの名盤であることは知っていたのだが、ちゃんと聴いたことが無かったので、今更ではあるがレコードで買ってじっくり聴いてみることにした。さすが名盤だけあって、状態のいいものは中古レコードでもそれなりの値段がする。
ジョン・コルトレーンは20世紀のジャズの巨人として有名なテナーサックス奏者。1955年からはマイルス・デイヴィスグループに参加したことでも有名だが、この2人が一緒に演奏していたというのは何とも豪華である。彼は残念ながら1967年に40歳という若さでこの世を去ってしまったが、モード・ジャズ、そしてその後のフリー・ジャズの進化に大きな足跡を残した。短いキャリアながら、数多くの録音を残したことで多くがレコード化されているので、今でも彼の素晴らしい演奏を楽しむことが出来る。
そんなコルトレーンの数あるアルバムの中でも一番の名盤と言われているのが『A Love Supreme(至上の愛)』である。1965年(38歳)の時にニューヨークでレコーディングされたアルバムだが、彼の転機となったアルバムでもある。音楽を通して神への愛を表現することを決めた作品。4つのパート構成になっており、全体が一つの旅物語として確立されている。
テナーサックスのコルトレーン、マッコイ・タイナーのピアノ、エルヴィン・ジョーンズのドラム、ジミー・ガリソンのベースという4人編成。このアルバムはモーダル奏法による即興演奏がさく裂している作品として素晴らしいフリー・ジャズが満喫出来るのだが、やっぱりテナーサックスの響きは癒される。何とも心地良く、また時折サックスをテイクオーバーするピアノソロやドラムが見事だ。マイルス・デイヴィスのトランペットとはまた違ったスムーズジャズに酔いしれるアルバムである。
『至上の愛』は、素人の僕が聴いてもどこかコルトレーンの魂を感じるような見事なフリージャズで、開放された音楽性と精神性が見事に融合し、一つの頂点に辿り着いた感のある作品だ。マイルス・デイヴィスの『Kind Of Blue』も感動したが、やっぱりコルトレーンのテナーサックスもスムーズな中にも情熱があって美しく、心を動かされる素晴らしいアルバムであった。やっぱりこういうのは移動中のiPhoneで聴くのではなく、じっくりとレコードの音質で楽しむのが最高である。