「・・・・・・ニワトリはみんなよく似ている。人間もみんなよく似ている。だからおれはちょっと退屈してるんだ。でももしきみがおれを飼い慣らしてくれれば、おれの暮らしに日が当たるわけさ。・・・・・・」
キツネは黙って、長いあいだ王子さまを見ていた。
「お願いだ……おれを飼い慣らしてくれ!」
---サンテグジュペリ 『星の王子さま』
これは、子どもの読む本だと思っていた。
かつて子どもだった、大人が読む本なのだ。
飼い慣らしたものには、責任がある。
だから、いつか、
王子さまはバラのもとへ帰って行く。
キツネは少し泣くことになる。
では、キツネは損をするのか?
否、
小麦畑の色の分だけ得をするのだ。