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【タイトル】スマホ脳
【著者】アンデシュ・ハンセン/著 ・久山葉子/訳
【出版社】新潮社
【版型】新書
【読了日】2024年6月22日(土)
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【感想】朝晩の通勤時や移動時、電車に乗っていると8割方の乗客はスマホを手にしていることに気づく。
私は昔からその光景になんとなく違和感を覚えていた。
もちろん私も電車内でスマホを操作するが、大体はヤフーニュースをチラッと見て、あとは寝るか読書のいずれか。
本書、第1章の冒頭で、見開き2ページに1万個の点が描かれている。
その点1個が、20万年前に私たちの種が東アフリカに出現して以来の“一世代”を表しているという。
要するに点を全部合わせると人類の歴史になるそうだ。
この1万個の点のうち9,500個分の人たちは、狩猟採集民として生きてきた。
ちなみに車や電気、水道、テレビのある世界に生きたのは“点8個分”
コンピューターや携帯電話、飛行機が存在する世界に生きたのは“点3個分”
スマホ・フェイスブック・インターネットが当たり前の世界しか経験していないのは“点1個分”
筆者は解く、狩猟採集民であった頃の人間の脳と現代人の脳の働きは変わっていないと。
つまり私たちの脳は、スマホを通じて得る大量の情報をしっかりと処理できるようにできていない。
それに関連して、SNSの“いいね”や“グッド”の数値の多寡にストレスを受け、他者との比較による睡眠障害や鬱になる人が増えているそうだ(特に若年層)。
著者はスウェーデンの精神科医で、さまざまな視点からスマホやタブレット、パソコンによる現代人への悪影響の可能性を紹介している。
読んでいて実に興味深く、そして納得する点が多い。
スマホやタブレットはもちろん“悪”ではない。
でも、使い方や使用時間は見直すことを提言している。
その見解に賛否もあるだろう。
私自身は、PC・スマホ・電子書籍等の画面で読んだ文章は今イチ頭に入らない。
プリントアウトして紙ベースで読まないと頭にインプットされにくい(←それ、昭和生まれだからだろ)。
一時はKindleで本を購入して読んでいたが、それらを今は書籍で買いなおしている。
そんなアナログな私に本書は、非常に興味深い内容だった。
これから数100年後、数1,000年後はどれくらいテクノロジーが発達しているのか。
人類はどのように進化しているのか。
今よりもみんなが精神的な平安を得ていることを願うばかりだ。
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私のスマホ依存度:★☆☆☆☆
スマホ自体よりもSNSがダメなんじゃね?度:★★★★☆
とりあえず子供には控えさせようぜ度:★★★★★
この記事がよかったらグッドボタンよろしくね度:★★★★★
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