サンデーたかひろ

絵描き・ながさわたかひろの制作実況 “from Machida, Tokyo”

照美に褒められたくて

2006年12月21日 | 吉田照美
さあ、紙も用意しました。今日明日は本刷りです。
本刷りのことを、内々では「祭り」と呼んでいます。この日は基本的に誰とも話をしません。
部屋の中は爆音でCDが鳴っていますから、当然電話にも出(れ)ません。
あまり多くのことを考えずに、「刷り」に集中します。
深夜、高速道路をブッ飛ばしてる、アノ虚ろな感じが理想です。

今回は思うところがあり、これまでやってきた刷りの工程を一から見直すことにしました。
 すべては、お客さまの「うまい」のために…です。
細かい話になるので書きませんけれど、プロ野球選手が自分の投球(or打撃)フォームを改造していくのに似ていると思います。ヘタに弄った結果、泥沼に陥ることもありえます。おぉ、怖い怖い。
(今年でいえば楽天の吉岡雄二、35歳の決断。その涙ぐましい努力の痕はテレビからでも感じられました。しかし報われなかった。うおぉぉぉ!)
結局、手応えを得るまでに半日費やしてしまいました。


今回は、これまで使ったことのない紙も試してみます。
 すべては、照美のために…です。

今日は、楮紙を試してみました。

楮(こうぞ)紙 とは?
 クワ科の落葉低木の皮を材料とする紙。
 太く長く強靭(ウラヤマシイ!)な繊維が絡み合っているため、とても丈夫な和紙です。

和紙には、にじみ止めのためにドウサ(膠)が引いてあります。
これをしてないと、紙の繊維がインクの粘着力によって版にくっつき、剥がれてしまいます。
いや大体がして、和紙に刷る時はインクを軟らかく練っておく必要があるんですよね。
プレス圧だって、少し弱めにしなきゃね。
でないと、同じようなことが起こりやすくなる。


嗚呼!あぁぁぁぁ

フフッ…やっちゃいました。
ピリピリっとね、剥けてる。版画歴10年、初歩的なミス。成長の跡、無し。馬鹿はそうそう直らんよと…グスン。
最近は、洋紙しか使ってなかったから、って言い訳だなこりゃ。
明日、一から出直しだわい。

俺、これから圏央道まで車を飛ばし、風になってきます。
嫌なことはすぐに忘れるんだい!

BGM 森高千里「夜の煙突」
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2 コメント

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?( ̄□ ̄ )!! (かんの)
2006-12-22 01:00:14
うおお!大変なんだなあ版画って!
実際見ているものの、何百倍のもの行程がその裏に隠れてるんだねー。むう。高速で風になって、そのままに星にならないようにしてください。
ぼくも、今は遠くフィンランドの地で制作と展示の準備に励んでますよ。お互い頑張ろうぜい。



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かんの へ (永澤)
2006-12-22 10:08:45
おっ!見てくれてたんだね。ありがとう。
しかもフィフィ、フィンランドで!
国際的なページになってきたもんだなぁ。
北欧って版画制作が盛んなところなのよね。
地味な仕事だから、寒いとこでジッとコツコツ、だるまストーブでジュッーって感じ、イメージ出来るでしょ?

うん、「僕は一人じゃないんだ(by碇シンジ)」って思えてきた。逃げちゃだめだ×3ってね。ちょっと古いか…

頑張りましょう!
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