偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書307丸石道祖神(山梨県富士川町平林)

2024年07月23日 | 里山石神端書

富士川町平林・集落内の丸石道祖神

 平林は富士山が見える棚田の集落。集落内には丸石道祖神が集落の字ごとに祀られていました。上の写真は平林郵便局先の道祖神です。
 丸石道祖神は山梨県の中央部(国中)に集中的に見られる道祖神で、多くは丸くなった自然石や人工的に丸くした石。その起源については平安時代末期の『信貴山縁起絵巻第三巻』に描かれた、京都下京区の松原道祖神社に描かれた丸石を引いて、丸石信仰は古くからこの国にあったものとされています。同じように丸石は古くからあった信仰としているのが山梨の道祖神研究科の中沢厚氏で、石棒などと同じ縄文時代からあったとしています。丸石が多い山梨県の国中でも、北東部の『山梨県の道祖神』、生命復活のシンボルだったのではと推測しています。そして丸石には丸い石、丸いが偏平な石、単独の石、複数の石があり、丸い石を単独で祀るのは山梨だけと報告しています。
 平林では郵便局の他に3カ所で丸石を見ました。
 平林の稲荷時神社

 搘畑

 栃窪

 このうちの3カ所の丸石には「道祖神」の銘が入っていました。中沢氏の報告では、丸石のほとんどに銘はなく、台座に道祖神や紀年銘があるだけ、としています。そうすると「道祖神」銘が入るのは新しいものか、それともこの平林だけのものか、山梨の丸石をそれ程見ていない者には判断がつきません。
(地図は国土地理院ホームページより)

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