里山の石神端書113 小海町小海・宿渡の坂ノ上銀杏庵の経典供養塔
宿渡集落の中心部に坂ノ上銀杏庵という寺があります。
その墓地の高台に石仏のような石が見えたので登ってみると、馬頭観音が並んでいました。経典供養塔も立っています。石仏は雑草に隠れていたので、持参した鎌で草刈りです。実は、山の石仏探しから里の石仏探訪に変えた昨年秋から、長靴に鎌持参のスタイルにしています。
この様子を見ていた人がいて、私の行動が怪しげにみえたのでしょう、男性が様子を見に来ました。こちらの趣旨を説明するとご理解いただき、その後はこの寺の墓地のこと、さらに馬頭観音の上の山に祀られている山の神のことなど、貴重なお話を聞くことができました。
その情報の一つは墓地のなかで一番古いとされている墓石でした。立錐の余地もない墓石のなかを確認すると石祠型墓石でした。この形の墓石は江戸時代初めのものです。もう一つは山の上に祀られている山の神で、男性の家では暮れの30日のこの山の神を家にお迎えしているそうです。
それで経典供養塔ですが、「(釈迦種字)バク奉眞讀大乗妙典百三十千部為偽二世安楽/寶歴四甲戌天(1754)」と彫られています。2メートルを超える大きな自然石を利用したもの。大乗妙経は法華経の大乗妙典のことでしょか。