里山の石神端書110 下仁田町西牧野初鳥屋・大師堂の弘法大師
初鳥屋集落に上に「弘法様の嶺」と呼ばれている石仏群があります。
斜面に石垣で檀をいくつも造り、その中央の石段の上には石造弘法大師を納めた大師堂が立っています。その大師、姿が見えない程赤い布で覆われていました。
この状態のときは、失礼ながら布を一枚ずつ取り外して御本尊の確認をさせてもらっています。しかし布が多すぎたり、ボロボロだったり、縫い付けてあったりすることもあって思うようにはいきません。初鳥屋の弘法様は縫い付けた布があってダメでした。
大師堂への石檀の両脇には多くの石仏が並んでいます。現地に立つ案内には、四国八十八箇所の霊場を模し、巡礼祈願の代参所として、八十八箇所の石仏群が安置されたのは文政七年(1824)とあります。石仏は一体に一名の集落と奉納者銘がはいっていました。
この時代の石工の手間賃は今の金額で約5000円、百姓の人足賃は3000円ぐらい。石工の賃金は高いほうでしたから、石仏を造ってもらうには結構なお金が必要だったはずです。
(地図は国土地理院ホームページより))