【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

めくるめく知のフロンティア・学究達 =017= / 安藤寿康(01/14)

2020-04-14 05:59:37 | 浪漫紀行・漫遊之譜

見た目はホントにそっくりな双子 一卵性双生児なわけだ

つまり遺伝子が100%同じなのだが、性格や気質も見た目ぐらい同じなの?

認知能力とパーソナリティの発達を調べる「双生児法」

遺伝と環境が人間に与える影響研究する / 心理学者・安藤寿康

【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=的野弘路 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

安藤寿康・遺伝か環境か、それがモンダイだ =1/3= ◆◇

 高校の同窓に一卵性の双子がいて、それぞれ違う時期に親しかった経験がある。

「弟」は、快活でひょうきん者。マニアックなアメコミ系のコミックを貸してもらったのを覚えている。「兄」は、ニヒルな笑い方が印象的なクールガイ。これまたマニアックなプログレ系のアナログレコード!(そういう時代だったのです)を貸してくれたっけ。

 一卵性双生児だから容姿は似ているのだが、個性の違いは際立っており、見分けられた。性格だけでなく、趣味も「マニアック」という部分は共通しつつ、違う分野をカバーしていたから、きょうだいで「役割分担」「棲み分け」しているのかな、とぼくは解釈していた。結果、似ていない双子になったのだ、と。

 ところが、それが「一卵性にしては」という前提のもとでの話だと痛感したことがある。ニヒルなはずの兄が、たまたま無邪気に笑っている場面に出会い、ぼくは弟の名で呼びかけた。するととたんに表情が変わり、やれやれ、とばかりに「人違い」である旨を告げられた。

 双子を見るたび、彼らのことを思い出す。

 思春期以降、独立して別々に行動することが多いだろうから、ぼくの目に入る一卵性双生児は、たいてい親につれられた子どもだ。彼ら、彼女らは、やがてどのような個性を花開かせていくのだろう。同じ遺伝子を持ちながら、違う環境に出会い、違う経験をし、違う性格や趣味を獲得するだろうし、それは長じるにつれて際立っていくだろう。それでもやはり、普通はありえないほど似ている者たちとして、一卵性双生児は特別だ。

 以上、双子と聞いて、ぼくがすぐ思い出すことや、考えること、である。

 そして、本題。

 こういった雑駁な思いを喚起する背景にあるものをきっちり論理的に突き詰めていくと、行動遺伝学という専門分野で「双生児法」と呼ばれる研究手法にいきつくらしい。

 慶應義塾大学文学部で教育心理学と行動遺伝学を専門とする安藤寿康教授は、まさにその「双生児法」の第一人者だ。

 研究の目標は、「遺伝と環境が、人間にどう影響しているのか」を解明すること。

 いわば「生まれと育ち」の問題だ。古くて新しい、いわば永遠のテーマである。それを、双子たちを観察することで、知ることができるという。

 慶応大学三田キャンパス近くのマンションの一室にある、首都圏ふたごプロジェクトの研究室で、安藤教授のお話を伺うことになった。

・・・・・・明日に続く・・・・

◇ 【行動遺伝学】人ってどこまで遺伝で決まるの?

・・・https://youtu.be/rI5BPxMvg2c・・・

動画再生不能の時は上記URL(⇑)をクリックしてください

//////参考資料///////

■□ 参考資料: 遺伝と環境は人の成長にどう影響する?  □■

研究アーカイブ : 遺伝と環境は人の成長にどう影響する? / ふたごを調査して実証的に研究安藤 寿康 教授

遺伝と環境は、人間にどう影響しているのか、科学的な解明を目指して20年以上研究しています。そのための研究手法が、双生児法です。長く大人のふたごも研究してきましたが、2004年12月に「首都圏ふたごプロジェクト」を立ち上げ、千組を超えるふたごの赤ちゃんを対象に遺伝と環境の影響を調べています。

一卵性双生児は遺伝的には同じで、育った環境も同じです。二卵性双生児は育った環境は同じですが、遺伝的には半分だけ同じです。それぞれ定期的に知能や言語能力、パーソナリティなどの調査を行い、データを比較します。一卵性と二卵性で結果が似ていれば遺伝的要因が強いと言え、差が出れば環境要因が強いと言えます。

この調査で、いろいろ面白いことがわかりました。たとえば、同じ遺伝的素養があっても、環境によって出る場合と出ない場合があります。問題行動の遺伝的素養は、しつけが厳しすぎたり一貫していない家庭のほうが強く出る傾向があり、しつけがきちんとしている家庭では遺伝的素養を持っていてもそれが表れにくいのです。また、読み聞かせをした子の問題解決力が高くなったり、無理に何かをさせず自由にさせていた子のほうが、知的能力が高くなるという結果も出ています。

調査の結果、予想通りのことももちろん多いのですが、これまで主張されてきたことを、データで裏付けることができました。興味深いのは、遺伝と環境の影響は状況によってダイナミックに変化すること。体重を追跡調査すると、生まれたばかりの頃は子宮環境の影響を圧倒的に受けていますが、成長につれ遺伝の影響のほうが強く現れます。知的能力やパーソナリティも同様に、遺伝と環境の影響がダイナミックに変わるのです。

遺伝も環境もどちらも大事

よく遺伝と環境はどっちが大事ですかと質問されます。でも、どちらも大事なもので、切り離して考えられません。遺伝と環境は複雑に絡み合って、重要な役割を果たしているのです。生命現象はもともと複雑なものです。それを単純な理論に落とし込むのでなく、複雑なまま理解することも大切です。

「首都圏ふたごプロジェクト」の膨大な調査結果は貴重なデータベースとなり、未来のさまざまな研究に役立ちます。将来は、教育実践や教育政策に結びつける研究にも取り組みたいと考えています。

・・・・・・明日に続く・・・・・

◆  遺伝で決まること、決まらないこと @ 遺伝研一般公開講演会 

・・・https://youtu.be/yOU3soygiDM・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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