「さっき名乗ってただろ」 天を仰ぎつつそんなコメントを口にするエルウッドに視線を向けてから、アルカードは軽く首をかしげた。
「そうだっけ?」
「あいつの話聞いてたか?」
「聞いてたけど、途中からめんどくさくなってあんまり覚えてない」
そう返事をしてからこめかみを指で揉んでいるエルウッドに向かって言葉を続けようとしたとき、
「そうか……」 姿無き魔術師の声が怒りを帯びる。
「私の工房にいきなりやっ . . . 本文を読む
それを躱して、ブラストヴォイスが横跳びに飛び退く――バイオブラスターとフレイムスロアーは塵灰滅の剣《Asher Dust》で串刺しにされたまま、たがいに抱きしめ合う様な姿勢で背後の壁に激突した。胴体をぶち抜いた塵灰滅の剣《Asher Dust》の刃で壁に縫いつけられたまま、フレイムスロアーが絶叫をあげる――が、そちらはどうでもいい。
アルカードの判断が正しければフレイムスロアーの水素抽出器官は . . . 本文を読む
金属噴流《メタルジェット》そのものは直線的な破壊力しか持たないが、金属噴流《メタルジェット》になりきれなかった高温のスラッジは触れれば人間の皮膚が瞬時に燃え出すほどの高温を保っているし、液状金属を加速させて金属噴流《メタルジェット》にするために封入された高温高圧のガスそのものは標的の体内で拡散するから、ある意味ではHEAT弾よりも破壊状態は酷い。
本来は攻城戦術や強固な外殻を持つ相手に対して使 . . . 本文を読む