NOBUの独り言日記

暇にまかせて、つまらないことを呟いています。

美しいもの

2023-06-19 09:49:19 | 日記

 

「芸術は美しくなければいけない」と私は思っているが、「美しさ」の解釈は人それぞれ。どんなものにも「美しさ」はあると言うが、現代アートなどは理解に苦しむものも多い。便器やゴミを並べられて、これが芸術だと言われても理解に苦しむ。

 

もちろん、「きれい」=「美しい」ではない。私も絵を集め始めた当初は、雪景色や茅葺屋根の民家など「きれいな風景画」を買っていたが、次第に「きれい」だけではつまらなくなってきて、「心惹かれるもの」に関心は移っていった。そのため、一見して何を描いているかわからないもの、怖い感じがするもの、子供が描いたように見えるものまで買い求めるようになった。それらには単なる「きれい」を超えた「美しさ」が感じられた。絵画は、希望も絶望も狂気も優しさも、すべてを孕んで成り立っている。

 

人間も表面上はきれいを装っているが、心の中には闇を抱えているものだ。その闇を人前では出さないようにしているが、その闇は確実にその人の一部を形作っている。光と闇を合わせ持つのが人間だ。

 

ただ、その闇を常に意識する必要はない。きれいごとだけで済ませられればそれも良し。いやなものを見ないというのも一つの態度。決して逃げではない。いやなものがあるのを知った上で、あえてそれを見ないという強い意志も必要だ。「美しくありたい」というのは「闇」を知っているからこそなのだ。

 

 

八木重吉の詩

 

うつくしいもの

 

わたしみずからのなかでもいい

わたしの外の せかいでもいい

どこにか 「ほんとうに 美しいもの」は ないのか

それが 敵であっても かまわない

及びがたくても よい

ただ 在るということが 分かりさえすれば

ああ ひさしくも これを追うに つかれたこころ 

 

 





軍刀発見の顛末

2023-06-03 14:22:20 | 日記

数年前に実家を処分した際、押し入れの奥から軍刀が出てきた。インターネットで調べたところ、まずは警察に届けることとあったので、警察署に電話した。警察官2名が家にきて、発見当時の状況を聴取された。警察官は軍刀の写真を撮った後、「後日、軍刀を持って署に来てください」と言って帰った。

後日、警察署に軍刀を持って行き、発見届を提出した。その後、刀剣類発見届出済証と登録審査会の日程表を渡され、審査会で登録になればOKだが、登録にならなければ処分することになるとの説明を受けた。署員によれば、軍刀は登録にならないことが多いとのことであった。

日程表にある一番早い審査会は他市開催のものであったが、なるべく早いほうが良いと思い、その審査会に行くことにした。審査会当日、車で会場に向かった。審査会会場は行政庁舎の会議室で、私が入った時には既に何人もの人たちが審査を待っていた。他の人たちが持ってきた刀は立派な刀袋に入っており、新聞紙で包んだ軍刀持参の私は場違いのように思えた。

審査会は、専門家らしき人が数人で行い、一本一本確認して結論を出すらしい。私の番がきて審査が始まり、審査員が私の軍刀を見ながら何か話していたが、席が遠かったため何を話しているかは分からなかった。だめかもしれないと半分諦めていたが、しばらくして名前を呼ばれ、登録証を渡された。無事日本刀として認められたわけだ。(銃砲刀剣類登録証は教育委員会名で交付され、審査料は6300円でした)

こうして、我が家の軍刀は、所持してもよい日本刀として認められたわけだが、長年放っておいたため、刀身には錆が出てきていた。今後所持するのであれば、きれいな状態にしたほうが良いと思い、研磨してもらおうとした。ところが、刀を持参し研磨士を訪ねたところ、日本刀として研磨するには20数万円、錆を防ぐための白鞘も含めると30万円くらいは必要とのこと。(日本刀の研磨は1寸1万円が標準らしい、私の刀は2尺3寸6分でした)

我が家に伝わってきた刀とはいえ、30万円はさすがに払えない。名刀とも思えず、研磨した後その状態を保つためには定期的な手入れが必要なこともあり、研磨は断念し、今の状態のまま保管することとした。