皆さんは名古屋のランドマークである「オアシス21」をご存じでしょうか?
画像参照:https://www.sakaepark.co.jp/oasis21view/
名古屋の栄にある公園やバスターミナルなどの公共施設と商業施設との複合施設で、地域を代表する建築となります。
そんな「オアシス21」の夜間の魅力を引き立てる照明デザインを手がけたのは、ライティングプランナーズアソシエイツ(LPA)の面出薫(めんで かおる)氏です。
面出氏は、建築や空間における光の使い方に革新的なアプローチを取り入れることで知られ、光を使った空間演出の第一人者として国内外で高い評価を受けています。
面出薫氏のデザインコンセプト~「水と光の共鳴」~
オアシス21の照明デザインは、「水の宇宙船」という象徴的なテーマに基づいて、光と水が一体となるよう設計されています。面出氏が特に意識したのは、以下の3つの要素です。
画像参照:https://www.sakaepark.co.jp/oasis21view/
◎自然との調和
面出氏は、光が建築物だけでなく、自然の要素である水と風景とも共鳴するようにデザインしています。水の上に広がる光のカーテンが空と街並みを映し出し、夜空に溶け込むような幻想的な空間を作り出しました。
◎時間の経過を感じさせる光の変化
照明は単に「明るさ」を提供するためのものではなく、時間の経過や自然の流れを表現するツールでもあります。
オアシス21のライトアップは、夕方から夜にかけて徐々に色合いや光の強さが変化し、訪れる人々に時間の移り変わりを感じさせるよう設計されています。
このような細やかな演出によって、空間に深みと物語性が加えられています。
◎街との一体感を生むランドマークの光
オアシス21は名古屋市のランドマークの一つであり、街全体の景観と調和するような光の使い方が重要でした。
面出氏は、施設全体が遠くからでも目を引き、かつ周囲の街並みと自然に溶け込むようにライトアップをデザインしています。
そのため、光が強すぎて主張することなく、柔らかく街に寄り添うような照明演出を取り入れました。
面出氏の想い~「光の質が生む快適さ」~
面出氏は、「光の量ではなく質が大切だ」と繰り返し述べています。
照明は、ただ空間を明るくするために存在するのではなく、空間の雰囲気や人々の心の動きに寄り添うものだと考えています。
オアシス21では、訪れる人々がリラックスし、日常の喧騒から解放されるような光の質感が重視されているのです。
画像参照:https://www.sakaepark.co.jp/oasis21view/
また、彼は光が「記憶に残る空間」を作ることを大切にしています。
オアシス21での照明デザインも、夜空を背景にした水の輝きとともに、訪れる人々の思い出に刻まれることを願って設計されたものです。
照明デザインの社会的影響
オアシス21の照明デザインは、地域の魅力を引き立て、観光スポットとしての価値を高めることにも成功しました。
夜になると施設全体が柔らかい光に包まれ、周囲のエリアが一体となって夜景スポットとしての魅力を放っています。
また、環境に配慮した設計が評価され、他の都市開発プロジェクトにおいても、持続可能な照明デザインのモデルケースとされています。
最後に
面出薫氏の照明デザインは、ただ空間を照らすだけではなく、人々の心を和らげ、自然や建築と深く共鳴する空間を作り出しています。
オアシス21の夜景を眺めるとき、その光に込められたデザイン哲学に思いを馳せると、さらに感動が深まることでしょう。
名古屋を訪れた際は、ぜひ夜のオアシス21を訪れ、光と水が織りなす幻想的な世界を体験してみてはいかがでしょうか?
施設詳細
施設名:オアシス21
住所:〒461-0005 名古屋市東区東桜1丁目11-1
アクセス:名古屋市営地下鉄栄駅から徒歩すぐ
照明ライトアップ:毎日日没後~23:00