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青の革命─青色LEDが照らした未来とデザインへの影響─

2025-03-02 09:00:00 | 日記

夜の街を彩るネオン、スマートフォンの画面、エコな照明。

今や私たちの生活に欠かせないLEDの光。

その中でも、青色LEDの発明は世界を変えた革新的技術でした。

画像参照:https://tracpath.com/works/story/nobel-prize-blue-leds/

今回は、青色LEDの誕生秘話、開発者たちの想い、そしてデザインの世界に与えた影響について紐解いていきます。

 

青色LED誕生のドラマ—開発者たちの挑戦—

LED(発光ダイオード)は1960年代から存在していましたが、当初はの光しか発せませんでした。

光の三原色のうち「青」が欠けていたため、白色光を作ることができず、実用化には限界がありました。

そんな中、1980年代に青色LEDの開発に挑んだのが、名城大学の赤崎勇氏、名古屋大学の天野浩氏、そして後に実用化を成功させた中村修二氏でした。

青色LEDの素材として注目されたのは「窒化ガリウム(GaN)」

しかし、この素材は非常に結晶化が難しく、多くの研究者が途中で断念していました。

赤崎氏と天野氏は「絶対に青色LEDを実現させる」という信念のもと、試行錯誤を繰り返し、1986年に窒化ガリウムの高品質結晶の作製に成功。

さらに中村氏が1990年代に独自の技術を加え、高効率な青色LEDの開発を成し遂げました。

こうして青色LEDが完成し、ついに光の三原色が揃いました。

この功績は2014年、彼らにノーベル物理学賞をもたらすことになります。

 

デザインの世界に与えた衝撃

青色LEDの誕生は、単なる技術革新にとどまらず、デザインの世界にも大きな影響を与えました。

① 照明デザインの進化

従来の白熱灯や蛍光灯では表現できなかった繊細な色彩表現が可能になり、建築やインテリアデザインにおいて「光の演出」が格段に進化しました。

店舗や美術館の照明、住宅の間接照明など、空間演出の幅が広がったのです。

 

② デジタルディスプレイの発展

スマートフォン、テレビ、PCモニターの高精細化も、青色LEDなしでは実現できませんでした。

特に液晶ディスプレイのバックライトや、有機ELの発展にも大きく貢献しています。

③ サステナブルなデザインの実現

LEDは従来の光源に比べて消費電力が少なく、長寿命で環境負荷が低いという特徴があります。

これは、エコデザインやサステナブルな建築において不可欠な要素となり、現在の省エネルギー建築のスタンダードを築きました。

 

最後に

青色LEDの発明は、「不可能を可能にする」挑戦の象徴とも言えます。

開発者たちの粘り強い努力と情熱が、私たちの生活をより豊かに、そして美しく変えてくれました。

日常の中でLEDの光を見かけたとき、その背後にある物語を思い浮かべてみると、いつもと違った視点で世界を見られるかもしれません。

青色LEDが照らす未来は、まだまだ広がり続けています。


未来都市の夜景を彩る「オアシス21」~面出薫が描く光と水のシンフォニー~

2025-03-01 09:00:00 | 旅行

皆さんは名古屋のランドマークである「オアシス21」をご存じでしょうか?

画像参照:https://www.sakaepark.co.jp/oasis21view/

名古屋の栄にある公園やバスターミナルなどの公共施設と商業施設との複合施設で、地域を代表する建築となります。

 

そんな「オアシス21」の夜間の魅力を引き立てる照明デザインを手がけたのは、ライティングプランナーズアソシエイツ(LPA)の面出薫(めんで かおる)氏です。

面出氏は、建築や空間における光の使い方に革新的なアプローチを取り入れることで知られ、光を使った空間演出の第一人者として国内外で高い評価を受けています。

 

面出薫氏のデザインコンセプト~「水と光の共鳴」~

オアシス21の照明デザインは、「水の宇宙船」という象徴的なテーマに基づいて、光と水が一体となるよう設計されています。面出氏が特に意識したのは、以下の3つの要素です。

画像参照:https://www.sakaepark.co.jp/oasis21view/

◎自然との調和
面出氏は、光が建築物だけでなく、自然の要素である水と風景とも共鳴するようにデザインしています。水の上に広がる光のカーテンが空と街並みを映し出し、夜空に溶け込むような幻想的な空間を作り出しました。

◎時間の経過を感じさせる光の変化
照明は単に「明るさ」を提供するためのものではなく、時間の経過や自然の流れを表現するツールでもあります。

オアシス21のライトアップは、夕方から夜にかけて徐々に色合いや光の強さが変化し、訪れる人々に時間の移り変わりを感じさせるよう設計されています。

このような細やかな演出によって、空間に深みと物語性が加えられています。

◎街との一体感を生むランドマークの光
オアシス21は名古屋市のランドマークの一つであり、街全体の景観と調和するような光の使い方が重要でした。

面出氏は、施設全体が遠くからでも目を引き、かつ周囲の街並みと自然に溶け込むようにライトアップをデザインしています。

そのため、光が強すぎて主張することなく、柔らかく街に寄り添うような照明演出を取り入れました。

 

面出氏の想い~「光の質が生む快適さ」~

面出氏は、「光の量ではなく質が大切だ」と繰り返し述べています。

照明は、ただ空間を明るくするために存在するのではなく、空間の雰囲気や人々の心の動きに寄り添うものだと考えています。

オアシス21では、訪れる人々がリラックスし、日常の喧騒から解放されるような光の質感が重視されているのです。

画像参照:https://www.sakaepark.co.jp/oasis21view/

また、彼は光が「記憶に残る空間」を作ることを大切にしています。

オアシス21での照明デザインも、夜空を背景にした水の輝きとともに、訪れる人々の思い出に刻まれることを願って設計されたものです。

 

照明デザインの社会的影響

オアシス21の照明デザインは、地域の魅力を引き立て、観光スポットとしての価値を高めることにも成功しました。

夜になると施設全体が柔らかい光に包まれ、周囲のエリアが一体となって夜景スポットとしての魅力を放っています。

また、環境に配慮した設計が評価され、他の都市開発プロジェクトにおいても、持続可能な照明デザインのモデルケースとされています。

 

最後に

面出薫氏の照明デザインは、ただ空間を照らすだけではなく、人々の心を和らげ、自然や建築と深く共鳴する空間を作り出しています。

オアシス21の夜景を眺めるとき、その光に込められたデザイン哲学に思いを馳せると、さらに感動が深まることでしょう。

名古屋を訪れた際は、ぜひ夜のオアシス21を訪れ、光と水が織りなす幻想的な世界を体験してみてはいかがでしょうか?

 

施設詳細

施設名:オアシス21

住所:〒461-0005 名古屋市東区東桜1丁目11-1

アクセス:名古屋市営地下鉄栄駅から徒歩すぐ

照明ライトアップ:毎日日没後~23:00