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クリエイターの選択肢:会社員か、経営か?大原拓弥さんの視点から学ぶキャリアデザイン

2025-02-28 09:00:00 | 日記

クリエイターとしてのキャリアを築く上で、「会社員として働くべきか、それとも独立して経営者になるべきか?」という問いに直面することは少なくありません。

安定した環境でスキルを磨きながら働く会社員か、リスクを負いながらも自由な表現とビジネスの可能性を追求する経営者か──。

その選択肢に向き合う上で、大原拓弥さんのキャリアは多くの示唆を与えてくれます。

 

会社員としてのキャリア:安定とスキルの蓄積

会社員としての道は、給与や福利厚生が保証され、安定した環境のもとでスキルを磨くことができるというメリットがあります。

特にクリエイティブ業界では、大手企業に勤めることで豊富なプロジェクトに関わり、経験を積むことができます。

大原さんも、高校卒業後は内装会社に就職し、現場監督としてデザイン・設計・施工管理を学びました。入社3年目には若手トップとして東日本エリアを統括するほどの実績を築き、会社員として大きな成長を遂げています。

このように、会社員として働くことで得られる経験やネットワークは、後のキャリアに大きく影響を与えることになります。



経営者としての挑戦:自由と責任のバランス

一方で、大原さんは会社員としての成功を収めながらも、「経営」という道を選びました。

独立後は飲食店の内装デザインを手掛けるなど、事業の幅を広げながら経営者としてのスキルを磨いています。

経営者の道は自由度が高い一方で、事業の成否が自身の判断に大きく依存するため、常にリスクと向き合わなければなりません。

しかし、それ以上に「自分のビジョンを形にする」喜びがあるのも事実です。

大原さんは「飲食店のデザインは、見た目の美しさだけでなく、空間の使い方や照明、色使い、音響など、多くの要素が組み合わさって一つの『体験』を作り出す」と語っています。

これは、経営者だからこそ可能な、コンセプトの設計から実装までを一貫して手掛ける醍醐味といえるでしょう。

 

会社員か経営者か?選択のポイント

では、クリエイターとしてのキャリアにおいて、どの選択肢を取るべきなのでしょうか?

経営を選択する上でのポイントをまとめてみました。

 

①スキルの習得と人脈形成

経営者であれば、自身の名前で勝負をするのでチャレンジすればするほどスキルを磨くことができ、業界内外での信頼や人脈を構築できます。

大原さんも、事業立ち上げの経験がその後の独立に大きく寄与したといいます。

②自分のビジョンを実現したいか

会社員では、自身のクリエイティブなビジョンを100%実現することは難しい場合もあります。

経営者であれば、リスクを負う代わりに、自分の考えを直接形にできるチャンスがあります。

③リスクと責任を受け入れられるか

経営者としての道は、収益の安定や資金管理、スタッフのマネジメントなど、多くの責任を伴います。

これらのプレッシャーを楽しめるかどうかが、経営者に向いているかどうかの分かれ目になります。

 

最後に:あなたにとっての最適なキャリアとは?

会社員か経営者か、どちらの道を選ぶべきかは個人の価値観や目標次第です。

ただし、大原さんのキャリアから学べることは、「まずは会社員としての経験を積み、そこで得た知識や人脈を活かして独立する」という流れが、リスクを抑えつつ可能性を広げる方法の一つであるということです。

クリエイターとしてのキャリアは、一つの正解があるわけではありません。

しかし、自分の価値観や目指す未来を見据えながら、最適な選択をすることが大切ではないでしょうか?


自然とデザインの極上ハーモニー〜静岡県富士山世界遺産センターの魅力〜

2025-02-26 19:24:39 | 旅行

静岡県富士宮市に位置する「静岡県富士山世界遺産センター」は、富士山の歴史や自然の魅力を体感できる施設として知られています。

画像参照:https://mtfuji-whc.jp/

 

今回は、建築デザインと照明デザインがどのように調和し、訪れる人々に新たな体験を提供しているのか、その魅力に迫ります。

 

富士山を象徴する逆円錐形の建築デザイン

このセンターの最大の特徴は、逆円錐形のユニークな建物です。

設計を手掛けたのは、世界的に有名な建築家・坂茂氏です。

逆円錐形は富士山の水面に映る姿をイメージしており、見る角度によってさまざまな表情を見せるデザインとなっています。

また、外壁には地元産の杉材が格子状に使用され、自然素材の温かみが全体を包み込むような印象を与えます。

画像参照:https://mtfuji-whc.jp/equipment-outline/

これにより、建築そのものが富士山の四季折々の表情と調和し、訪れる人々に静寂と安らぎを提供します。

 

照明デザインが生む幻想的な空間

照明デザインは、建築の美しさをさらに引き立てています。

特に夜間、建物は柔らかな光に包まれ、幻想的な雰囲気が広がります。

外壁の格子状の隙間から漏れ出る光は、まるで星空のように輝き、訪れる人を非日常の世界へと誘います。

内部空間でも、照明は自然光を意識したデザインが取り入れられています。

昼間は大きな窓から差し込む光が、富士山の資料や展示物を優しく照らし、夜間には間接照明がリラックスした空間を演出します。

特に刻々と姿を変える富士山を絵のように切り取るピクチャーウィンドウでは、口径が小さいダウンライを散り散りにし星空を表現しているのでまるで星空を眺めながら富士山を楽しむことができます。

画像参照:https://www.japandesign.ne.jp/space/mtfuji-whc/

 

サステナビリティへのこだわり

この施設では、サステナビリティも重要なテーマとなっています。

地元の材料を多用するだけでなく、エネルギー効率の高いLED照明や自然光の活用により、環境負荷を最小限に抑えています。

これにより、訪れる人々はただ美しい建築を見るだけでなく、未来の環境についても思いを馳せることができます。

 

最後に

静岡県富士山世界遺産センターは、自然と建築、照明が絶妙に調和した空間です。

訪れるたびに新しい発見があり、四季折々の表情を楽しむことができます。

皆さんも、ぜひこの素晴らしいスポットを訪れて、富士山の魅力とデザインの融合を体感してみてはいかがでしょうか?

 

施設詳細

施設名:静岡県富士山世界遺産センター 

住所:〒418-0067 静岡県富士宮市宮町5-12 

営業時間:9:00〜17:00(最終入館16:30) 

定休日:月曜日(祝日の場合は翌平日) 

公式HP:https://mtfuji-whc.jp/

 


都市と自然が融合する劇場—まつもと市民芸術館の建築デザイン—

2025-02-10 20:21:24 | 日記

松本市の文化活動の中心として2004年に誕生したまつもと市民芸術館。

画像参照:http://www.toyo-ito.co.jp/WWW/Project_Descript/2000-/2000-p_11/main%20photo-800.jpg

建築家・伊東豊雄氏が設計を手がけ、従来の劇場建築の概念を覆す独創的なデザインが随所に施されています。

主に下記の三つの特徴が、この建築を唯一無二のものにしています。

 

劇場の常識を覆す「逆転した平面計画」

通常、劇場建築ではエントランスが1階にあり、大ホールが上階に配置されるのが一般的です。しかし、まつもと市民芸術館では、この配置が逆転しています。

建物のエントランスをくぐると、まず目に飛び込んでくるのは吹き抜けのホワイエ

画像参照:https://architecture-museum.after-post-office.com/collection/matsumoto-performing-arts-centre.html

そこから階段を上ると、2階部分に馬蹄形の大ホールが現れるのです。

このユニークな配置により、劇場に足を踏み入れると徐々に舞台の世界に引き込まれていくような感覚を生み出しています。

まさに、「演劇が始まる前から劇場体験が始まっている」と言える空間設計です。

 

幻想的な外壁に沿うシークエンス

まつもと市民芸術館の外壁は、曲線的で軽やかな印象を与えるスチールパネルで覆われています。

このパネルが、周囲の風景や時間帯によって表情を変えるため、建物自体がまるで生き物のように変化していくのが特徴です。

また、エントランスからホールへと続く動線にも伊東豊雄氏のこだわりが光ります。

建物の外壁に沿って歩くにつれ、光の入り方が変化し、内部空間の印象が徐々に変わっていく。

この「シークエンス(連続する体験)」が、劇場という非日常の空間へと誘う重要な役割を果たしています。

 

エレガントな馬蹄形の大ホール

劇場の心臓部である大ホール(主ホール)は、古典的なオペラハウスを彷彿とさせる馬蹄形を採用。

画像参照:http://www.toyo-ito.co.jp/WWW/Project_Descript/2000-/2000-p_11/2000-p_11_j.html

舞台を囲むように観客席が配置されているため、どの座席からも舞台との一体感を感じやすい設計になっています。

さらに、音響設計にも徹底的にこだわり、舞台から発せられる音がホール全体に心地よく響くよう調整されています。

観客と演者の距離が近いため、舞台の息遣いまで伝わる没入感が特徴です。

 

都市と自然が融合する劇場

劇場というと、閉鎖的な空間になりがちですが、まつもと市民芸術館は街と開かれた関係を築くことを意識しています。

ガラス張りのファサードからは松本の風景が望め、周囲の街並みとのつながりを感じられる設計です。

また、屋上には緑化が施されたテラスがあり、建築と自然が融合する空間を生み出しています。

画像参照:http://www.toyo-ito.co.jp/WWW/Project_Descript/2000-/2000-p_11/2000-p_11_j.html

都市と自然、日常と非日常が交差するこの場所は、まさに松本の文化と芸術の象徴と言えるでしょう。

 

最後に

伊東豊雄氏の手によるまつもと市民芸術館は、単なる劇場ではなく、「空間そのものがドラマを生み出す舞台」として設計されています。

この劇場は、松本の文化的なシンボルとして、訪れる人々に新たな体験と感動を与え続けているのです。松本を訪れる際には、ぜひこの空間を体感してみてください。

 

施設情報

名称:まつもと市民芸術館

住所:〒390-0815 長野県松本市深志3丁目10-1

設計:伊東豊雄

開館:2004年

公式サイト:https://www.mpac.jp