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Retro-gaming and so on

ドラゴン桜2

この記事でドラゴン桜の話をちょっとしたが。

実は最近、やっとこさドラゴン桜の続編であるドラゴン桜2を読み終えたばっかである。ホント、遅ればせながら、ってカンジなんだけど(苦笑)。
でその感想・・・・・・。

やっぱ1の方が面白いんだよねぇ。

いや、2も悪くないよ。でも漫画として考えるとどうしても1には勝てない。

サルまんで描かれてるけど、実はヒット漫画でさえも「2」ってのは成功しない、と言われてる。


マカロニほうれん荘は傑作だったけどマカロニ2は駄作だ。そういう事だ。確かにそう言う例は多い気がする。
それで言うとドラゴン桜2はむしろ「成功作」の方だと思われる。
1は全21巻、2は全17巻、と1に巻数は及ばないとしても長期連載だし、まずまずの成功作ではあるんだよな。
それでも読んだ感想は「うっすいな〜」だったのだ。
そう、1の怒涛のような「濃さ」を期待して読むと、明らかに肩透かしを食らうこと間違いナシなのだ。

なんでこんな「うっすい」漫画になってしまったのだろうか。
ドラゴン桜そのものも塾とか教育関係者に批判っつーか矛盾を突かれてた事はあった(偏差値30台の生徒、とか言いながらやたら理解力が高い、とか・笑)。
ドラゴン桜2での目立った批判ってのは

「スマホのスタディサプリの単なる宣伝になってる」

ってのが大きなトコだったりする。
いや、宣伝は宣伝でもいいのかもしれない。ただ、そのお陰で

「受験テクニックに対する驚きの解説」

ってのが漫画から結構な確率で消え去ってるんだよな。それは確かに事実なの。

例えば料理漫画とか作るとするじゃん?で、中で

「マジメに材料を買って料理を作っても今だとダメだ。全部味の素を使え。」

とか言えば料理漫画が崩壊すんじゃん(笑)。
いや、化学調味料を使う事が健康的にどーの、って話じゃなくって。
「料理漫画」なのにバラエティある料理が登場すると思いきや、味の素一本槍で描かれる漫画が面白いのか、って話。
そう、ある程度受験テクニックが紹介されるからドラゴン桜は支持されてたんだけど、2はその受験テクニックが基本的にスタディサプリ一本槍になっちまったわけ。スタディサプリのCMかどうか、ってのはどーでもいいんだけど、漫画としては明らかに間違った方向に行ってるんだよな。

そしてやっぱ登場キャラがイマイチだったんだよね。
前作の東大を目指さざるを得なくなった学生二人、水野直美とか矢島勇介の設定がベタだった割には物凄く有効だったの。
まぁ、水野直美とか貧乏な筈なのに私立高校に通ってる、っつー矛盾はあるこたぁあるんだけど、どーしよーもない水商売の母親との二人暮らしで将来が見えない、とか。
矢島は矢島で金持ちに生まれたんだけど、家族とのウマが合わんとか。
この二人ってある意味漫画的には昭和的なベタ設定なんだけど、だからこそドラマに濃さが生まれたワケだよな。自分の身の回りにそもそも反発があって、だからこそ「東大を目指す」ってのがドラマ的に説得力があったわけなんだけれども。
反面、2で東大目指す二人組、早瀬菜緒と天野晃一郎。良くも悪くもこの二人ってあまりにもフツーの子なんだわ(笑)。家庭も円満だし、1のメンツとはあまりにも違うんだよなぁ。いや、漫画の登場キャラなんだから「応援したくなる」子じゃなきゃなんないんだけど、この二人ってなんだかんだ言って葛藤がないんで、漫画キャラとしては失敗なんじゃないか、って思う。要するにキャラが立ってない
実際、1の水野と矢島みたいに「苦しみながら勉強する」シーンがねぇんだよ。さっきも書いたけど「スタディサプリ一本槍」だからこう・・・うん、漫画として何だろ、印象的なシーンも登場せんの。だから読者的にも投影対象と言うよか一歩引いたカンジで見ちゃうのね。結果そんなに魅力を感じない。

あと、他のキャラの配置で言うと、例えば前作から継続して登場してる国語教師の宮村沙知子とか。
フィーチャーされて登場されたティーチャーで


「うーんこれこれ!」とか言いながら大して物語本筋に絡まずフェードアウトする。
うん、いつの間にやら出なくなっちゃうんだよな。
そもそも、1に比べても教師間での衝突とかそういう人間関係が全く無くなっちゃってんの。そう、その辺も圧倒的に「うっすい」んだ。

たぶんね、この漫画最大の問題点ってのは理事長代行の龍野久美子の存在なんだよな。


ここで龍野久美子の設定っつーかプロフィールが紹介されてるんだけど。
ある意味漫画的ではあるんだけど、まずは盛り過ぎっつーか。
んで、この人が一体どうして自分が理事長代理として預かってる龍山高校の超進学校化を遮ろうとしてんのか。その辺が物語の最大の謎だったわけね。
んで、学内の人間関係の「薄さ」ってのもこの人を最大の敵として謎とする事でそっちに集約させるつもりだったのかな、とか思ってたわけですが。

ところがよ。オチを言うと、単に学校を売りたいだけだった、と言う。
・・・・なにそれ。あまりにも当たり前過ぎて開いた口が塞がらんかった。
って事は「スタンフォード大学」卒業ってレッテルも全然関係ねぇわけじゃん(笑)。この人なりの「深遠な考え」ってのがあるわけでもないですしおすし。
しかも割にラスト近くなって桜木側にコロっと転ぶのよ。



なんだろね、だったら最初っから東大進学側でいいわけじゃない。
いやよ、人間は変節するんだけど、漫画じゃご法度だ。これじゃあ最初っから存在が必要ないキャラだったって事じゃない。
・・・キャラの魅力も、かつて「桜木にイニシアティヴを握られまいとして反発してた」井野真々子とは大違いなのだ。

とまぁ・・・なんつーの。ドラゴン桜2。面白くねぇとは言わんけど、1に比べると要するに不備が目立つんだよなぁ。設計ミスと言おうか
作者は元々漫画描く事自体には熱意を感じてない、ってのは有名な話なんだけど、1にあった熱意も2じゃますます冷めたのかなぁ、とか。作者の気持ちを反映してんじゃねーの、って疑いを深めた漫画ではあったのである。
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